EUという枠組みの中で人材の移動が容易になり、国境を越えた採用・就職活動が頻繁に行われています。ドイツにいながらフランスの求人に応募したり、イタリアにいながらオランダの転職エージェントとミーティングできたりと、ダイナミックな転職活動が許容される社会になってきました。
ドイツで働いている人の中にも、オランダの企業に就職して毎朝越境して働いていたり、日系企業に就職したり、リモートでフランスの企業に就職したりなど、多種多様な働き方が散見されます。
本稿では、ドイツ国内のみならず、ヨーロッパ全域に目を向けたうえで「おすすめの転職エージェント」について紹介していきます。
欧米において、キャリアは自身のスキルと職種に紐づくものであり、必ずしも同一の会社で育んでいくものではありません。
そのため、自身のスキルアップや昇進目的で会社を変えることは日本よりも広く受け入れられており、世代によっては平均して4年に一度の転職がおこなわれているというデータも見受けられます(Stepstone)。
転職によって給与が上がり(平均して30%)、昇進のチャンスが上がるということから転職はキャリアアップのステップの一つとして頻繁に用いられますが、必ずしも転職を好まない層が存在することにも注意が必要です。
| 項目 | 転職が多い | 転職が少ない |
|---|---|---|
| 年齢層 | 20~30歳代 | 40歳代以降 |
| 職種 | 営業、IT開発 | 生産管理、技術職 |
| 役職 | ジュニアマネージャー | シニアマネージャー |
安定期に入ったシニアマネージャー層、生産管理など特定の業界や会社において特にその強みを発揮できる職種、等の層ではむしろ転職率は低い傾向にあり、会社を問わずそのパフォーマンスを発揮できる営業やIT系の職種では転職率は高い傾向にあります。
また転職は正しいタイミングで用いれば昇給・スキルアップのチャンスになりますが、ただやみくもに転職をおこなうと給与が下がったり、待遇が悪くなると言った点は日本と同じです。
そうした「闇雲な転職」を避けるために使用されるサービスが「転職エージェント」です。転職エージェントは転職活動(就職活動)のプロとして、業界や職種の給与水準、待遇に関する膨大な知識を蓄えているため、転職希望者の要望を聞きながらコンサルティングすることが可能です。
ヨーロッパにおいて転職エージェントは「人生を通じたキャリアサポート」を担うことで知られており、一回の転職で関りが終わるのではなく、長期的な人生設計や家族構成、年収などを元に長きにわたってサポートしてくれる仕組みです。保険代理店やかかりつけの銀行員ようなポジションだと思っても良いかもしれません。
中には「今は転職を考えていないけど将来的にお世話になるかも」ということで情報収集の目的で登録だけしておくことも頻繁にあります。特にLinkedInのようなプラットフォームにも多くキャリアアドバイザーがアカウントを持っており、関わっておけば様々な情報が流れてきます。
国境を越えた転職活動となると、その情報の非対称性から「紹介手数料を請求する」「劣悪な求人を紹介する」といった悪質なエージェントに遭遇するリスクが見受けられます。
転職エージェントを選ぶ際には、大手であったりHP上で身元の判明している会社(20年以上の営業歴)、Google Mapの評価が安定している(※サクラではない)会社を選ぶ必要があります。
また転職エージェントには得意分野、不得意分野があるため、自身の職種や業界に適した転職エージェントを選ぶことも重要です。中にはIT系の求人を多く持つ企業もあれば、製造業に特化した企業もあります。
以下、ヨーロッパで長年の実績を持つ転職エージェントを紹介します(赤背景はおススメ):
| No. | 会社名 | 専門分野 | 地域 | 備考 | リンク |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | Spencer Stuart | エグゼクティブサーチ(CEO・CFO・取締役クラス) | 欧州主要都市(ロンドン、パリ、フランクフルト等) | 世界5大エグゼクティブサーチの一つ。リーダー採用に特化 | 公式サイト |
| 2 | Robert Walters | 金融、法務、バンキング、テクノロジー | ロンドン、フランクフルト、アムステルダム、パリ | 金融・IT系で高い実績。日本・アジアにも強い | 公式サイト |
| 3 | Career Management | 在欧日系企業(製造・金融・物流) | ドイツ全域・中欧 | 日系企業特化・日本語対応 | 公式サイト |
| 4 | Michael Page (PageGroup) | 経験豊富なプロフェッショナル職、正社員採用 | フランス、スペイン、オランダ、欧州全域 | 上級職・管理職に強み。若手層は「Page Personnel」 | 公式サイト |
| 5 | Hays plc | 会計・財務・建設・不動産ほか | 英国・ドイツ・欧州全域 | 世界最大級・給与レポート有名 | 公式サイト |
| 6 | GiniTalent | テクノロジー、デジタル、越境採用 | 西欧・東欧・新興市場 | クロスボーダー採用とカルチャーフィット支援に強み | 公式サイト |
| 7 | The Stepstone Group | オンライン求人、デジタル採用ソリューション | DACH地域、英国 | StepStone.de、Totaljobs等を運営 | 公式サイト |
| 8 | Adecco Group | 総合人材サービス(派遣・紹介) | 欧州全域、世界規模 | 世界最大級の総合人材グループ | 公式サイト |
| 9 | ManpowerGroup | 一般採用〜専門職・人材ソリューション | 欧州・北米・アジア | Experis、Talent Solutions等を展開 | 公式サイト |
| 10 | Randstad NV | 派遣・採用・HRアウトソーシング | 欧州・世界展開 | 世界第2位の人材企業 | 公式サイト |
| 11 | Kelly Services | 科学・教育・工学・IT人材 | 欧州・北米 | STEM分野に強みを持つ老舗 | 公式サイト |
| 12 | Groupe Adéquat | 製造・物流・オフィス系人材 | フランスおよび欧州 | フランス語圏中小企業支援に定評 | 公式サイト |
このように転職が盛んにおこなわれているEU内にあって、こと「日本人の就職・転職活動」となると注意が必要です。
ヨーロッパでアクティブな転職エージェントの多くは、EU国籍保持者やEUでの労働許可をすでに持っている人をターゲットにしていることが多く、ヨーロッパに居住して間もない日本人の応募を受け付けないことがあります。
これは転職エージェントを介さず自力で仕事を探す際も同じで、求人ポータルやLinkedInなどの求人の多くが「労働許可保有者」を対象にしているため、折角履歴書やカバーレターを送っても内定はおろか面接にすら漕ぎつけられないのです。また、折角内定を得たとしてもビザの申請などの知見がないと適切なアドバイスが受けられず、チャンスが水の泡になってしまうことも・・
そうした際に重要になってくるのが日本人の採用経験のある転職エージェントを選ぶことです。例えばCareer Management GmbH等はドイツで25年間、日本人の採用を多く請負っており、就労ビザや労働契約書に関するアドバイス体制も充実しています。
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