
フンデルトヴァッサー設計のBrauerei zum Kuchlbauerの見学用醸造所を訪れてみませんか?白ビール好きも、建築好きも、お子様も一緒に家族で楽しめる場所です。休暇シーズンにちょっと遊びに行きたくなる、プチトリップの行き先候補:バイエルン地方 Abensberg Brauerei zum Kuchlbauer (NIPPONip vol.76より一部抜粋)
白ビール好きにはたまらない!伝統的ヴァイスビア

ビール文化と芸術がまさに融合
バイエルン州やミュンヘン近郊を旅の目的とするツーリストの方にも、ドイツに住む日本人の皆さんにとっては、週末のプチトリップ先としてとてもおすすめな、Abensberg(アーベンベルク)にある、世界中探しても唯一無二な白ビール醸造所・Brauerei zum Kuchlbauer(クッフルバウアー醸造所)をご紹介します。
KuchlbauerのWeißbier

歴史あるビール醸造所
Weißbier(ヴァイスビア)は小麦を原料にした、フルーティーでほんのりスパイシーな香りが特徴の白く濁りのあるビールで、バイエルン地方の定番でもあります。クッフルバウアー醸造所は創業1300年代という700年以上の歴史を持つ老舗で、現在も昔ながらの製法を守っています。
伝統的な味から、モダンで繊細な味わいの白ビールを造っており、代表的な銘柄がいくつかあります。

個人的にはKuchlbauer Hefe-Weißbier HellとラードラーのSüße Liebeがおすすめ。アルコールフリーも香り高い
Brauerei zum Kuchlbauer 代表的な銘柄 | |
Kuchlbauer Hefe-Weißbier Hell | クラシックでクリーミーな泡立ち |
Alte Liebe | 熟成された深みがあり、少し重め |
Kuchlbauer Weißbier Alkoholfrei | ノンアル派にも嬉しい! |
どのビールも、上面発酵で自然な炭酸を含んだ柔らかな味わいが特徴です。意外にも和食にもよく合うので、揚げ物や焼き魚のお供にぜひご賞味くださいね。
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世界でただひとつ「ビールの塔」

塔の最上部には鏡の木。人が通るたびに、着用している洋服の色が反射して印象が変わる
この醸造所が一躍有名になった理由には、ウィーン出身の有名芸術家・建築家であるフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーが設計した高さ約35メートルの「Kuchlbauer塔(Kuchlbauer Turm)」が重要なポイントのひとつです。
塔は、フンデルトヴァッサー建築らしい、まるで物語に出てくるようなカラフルで、遊び心が詰まった建物です。金色の玉ねぎ型のドーム、色とりどりのモザイク、曲がりくねった階段や窓など、「直線を嫌った」彼らしい自由な美しさが詰まっています。
実は設計から建設までは数々の苦難が発生。
フンデルトヴァッサーは2000年2月に亡くなるまで設計に取り組み、設計図は完成していたものの、当初70メートルを予定していた高さは、町にある教会よりも塔が高く設計されていたため都市団体や教会からの調整要請を受けて縮小。2007年4月にようやく竣工式が行われ、2010年1月から一般公開されました。

とにかく美しい
塔の中を歩き回るだけでも楽しめますが、この塔は単なるモニュメントではなく、ビールと文化の融合を象徴する場所として、塔の内部にはビールに関する情報や機械、昔の道具、アートが展示されています。
見学ツアーに参加する方法
ビアガーデンは予約無し、自由に入って注文することが可能です。
Kuchlbauer’s Bierweltとその隣にあるKunstHausは、チケットの購入が必要。
Kuchlbauer’s Bierweltを見学する場合は、必ず予約が必要です。当日のチケットはツアーに空きがあれば参加することが可能ですが、事前予約の方が安心できます。ちなみに15名以上の団体の場合はメールで予約を!
Bierweltの見学では、以下の体験が可能です。
- 醸造工程の見学 *醸造所見学用のエリアのみ立入可能
- フンデルトヴァッサー建築と哲学の紹介
- 「ビールの幻想的世界」を表現したアートギャラリー見学
- ビール試飲(クーポン付き、好きなビールを選んで飲めます)

入口、そして裏(右の奥)にKunstHaus
KunstHausはツアー無しで入場だけも可能です。(ツアーはに参加する場合は要予約)
塔の内部を見学し、しっかり学んで楽しんだ後はビアガーデンに出てきます。塔を外から眺めながら、ビアガーデンでゆっくり過ごす時間は至福のひとときです。

ビールの歴史を学べる
Kuchlbauer’s Bierwelt見学ツアー | |
住所 | Römerstraße 5-9 93326 Abensberg |
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行き方 | Abensberg駅下車、徒歩で約10分ほど 近づいてくると塔が見えます |
見学ツアー | 要予約、日本語ツアーはないが英語案内あり |
見学時間 | 約90分ほど+試飲30分ほど |
HP | https://www.kuchlbauer.de |
備考 | すぐ隣にあるKunstHaus Abensbergは別料金 (予約はツアーのみ必要) こちらも見どころ満載なので、コンビチケットをおすすめします。 |
Abensberg 見どころ

町の中心は南ドイツらしい建物が
駅からクッフルバウアー醸造所に行き、さらに進むと川があります。川沿いには、対岸には可愛らしい建物が並んで、風情ある川沿いの散策が楽しめます。

川沿いも散歩コースにオススメ
醸造所から徒歩10分ほどの場所にあるBurg Abensberg(アーベンスベルク城)がおすすめです。城の庭は高台にあり、きっと中世には小さな町らしい季節の行事が行われていたのかも、と思いを馳せることができるかもしれません。

城の高台は集会場に。クリスマスマルクトも行われる
なお、醸造所から城までに街中を通るルートを選ぶと、教会、まちの中心のようなホテルとレストランが集まった地域を通って南ドイツらしいグルメを堪能できます。
見逃せないグルメ情報

パンも美味しい、白ビール(Susse Liebe)、シュパーゲルは旬の味
小麦の産地だからか、地元の手作りパンがとても美味しいので、帰り道にパン屋に寄るのもおすすめです。
アーベンベルクの地域は、Spargel (白アスパラガス、シュパーゲル)で有名な地域。季節に訪れると、最高のマリアージュが楽しめます。ただし、公式に発表されるシュパーゲルシーズンの時期を少しでも逃してしまうと、レストランでは提供していないこともあります。(他の地域では提供されていても)旬の季節は事前チェックが必要です。
クリスマスシーズンは、楽しいクリスマスマーケットが開催されるので冬のアーベンスベルクも見逃せません。