日独交流 160 周年記念「Rimpa feat. Manga」展が、ドイツ・ミュンヘン五大陸博物館にて開催されています。 日本美術の流派の一つ、琳派。そして、天才絵師・若沖(の名画)。手塚治虫作品のスターたちとリラックマ、初音ミクとのコラボレーション。 江戸と現代が織りなす日本の伝統と創造の新しい芸術を楽しんでみてはいかがでしょうか?
琳派とは
「Rimpa feat. Manga」のRimpaとはなんぞや? と思った方もいらっしゃるかもしれません。 江戸時代を通じて栄えた装飾画の流派の代表のひとつです。
幕府や宮廷御用達の狩野派、土佐派のような御用絵師は有名かもしれませんが、もっと身近な日本の装飾・工芸の流派が琳派です。
江戸時代、京都の町絵師・俵屋宗達や尾形光琳が創始・大成させた・・・と言えば、日本がや芸術が好きな方もあまり知らない方でも、なんとなく聞いたことがあるのではないでしょうか? 風神雷神の絵を見れば、ピンとくるかもしれませんね。この琳派の作品群は、国内外で人気があります。
また、江戸中期の天才絵師・若冲の作品は、卓越した画力もさることながら奇抜かつ絶妙な構図に魅力があります。
新しい試みがやがて伝統になる
ところで、琳派の特徴の一つとした「たらしこみ」 薄い色の絵の具を最初に塗って、完全に乾く前に濃い色をたらして、わざとにじませるようにする技巧です。 現代(昭和になりますが)だと、いわさきちひろさんの絵もこの技法で有名ですね。
この技法は、実はこれまでの日本画にはなく、俵屋宗達がはじめたものです。 伝統の技術に、新しい創造を加えた芸術が「琳派」の作風だとしたら、現代のキャラクターと融合する本展の作品は新しい「琳派」の形になるのかもしれません。
「Rimpa feat. Manga」展
今回ミュンヘンで行われる「Rimpa feat. Manga」展では、この琳派や若冲の名画の一場面に現代の人気キャラクターたちが現れたり、モチーフの一部と入れ替わった作品を紹介します。 監修は細見美術館館長・細見良行氏によるものです。
京都の呉服メーカーで、日本画の 工房でもある豊和堂によって制作されました。 すべて現代絵師によって再現された作品は、伝統的な技巧はそのままに、かつ、現代のキャラクターを生かしています。
また、本展では、豊和堂作品の引用元となった琳派や若冲の名画が特別出品されます。(細身美術館収蔵品から借出)
公開期間は、作品の劣化を防ぐために1ヶ月半程度です。 非常に貴重な作品の展示会、ぜひこの機会に訪れてみてはいかがでしょうか?
「Rimpa feat. Manga」展 | |
日時 |
2021年11 月 24 日~2022 年 1 月 9 日
火曜日~日曜日9.30 – 17.30 |
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内容 | 主催:国際交流基金(JF)、ミュンヘン五大陸博物館 監修:細見 良行 協力:細見美術館 |
場所 | ミュンヘン五大陸博物館 Museum Fünf Kontinente Maximilianstraße 42 80538 München |
入館料 | 大人 6ユーロ |
詳細 | 日ミュンヘン五大陸博物館ホームページ |