幼い頃からクラシックバレエに打ち込んでいたHirokoさんは、渡米先でピラティスに出会い、導かれるようにピラティストレーナーへ!ミュンヘンの自身のスタジオをメインに、オンラインなどでも行うレッスンは、個々に合わせた丁寧な指導が評判です。NIPPONip本誌72号にて、Hirokoさんのインタビューを掲載しましたが、さらに深掘りした内容をこちらで紹介いたします。
プロフィール
Hiroko Horii
兵庫県出身。7歳からクラシックバレエを始め、宝塚北高校演劇科、大阪芸術大学舞踊学科にて様々なダンステクニックと指導方法を学ぶ。渡米先のロサンゼルスでピラティスに出会い、理学療法を取り入れたピラティスのマスタートレーナー、Marie-José Blom-Laurenceの個人的な指導を受け、基礎を学ぶとともに、解剖学も習得。Marie-Jose Blom` 認定 上級ピラティストレーナーなど様々な資格を取得。
バレエダンサーを目指していた学生時代、自分がレッスンに励むとともに、小さい子の指導もされていたんですね。
Hiroko(以下、H) : 高校時代、自分が通ってるバレエ学校で、なんとなく小さい子のクラスを持つようになったんです。最初はバレエダンサーになるための経験くらいの気持ちでしたが、人にバレエを教えるのが単純に楽しかったです。この頃から、人に何かを伝えるとか、シェアするのが好きだったんでしょうね。
まさにトレーナーという仕事は天職ですね!この道に入るきっかけとなったのが、渡米先で初めて出向いたピラティススタジオ。ここで、後に恩師となるMarie-José Blom-Laurence氏と出会われたのですか?
H : そうです。本当に私とピッタリ合うような先生で、必然的に出会った感が強かった!すぐにピラティスが自分の一部になったような感じで、そのままピラティスの道へ進みました。そのくらい自然でしたね。
そうするうちに英語も習得されていったんですか?
H : ピラティスに付随して学ばなければいけない解剖学は、私の英語力ではまだ無理だと感じたので、一旦日本に帰ったんです。そこでさらに資格養成コースも通うつもりでしたが、人数が集まらず1年待ちと言われ、私は待ちません!って(笑)。すぐロサンゼルスの恩師の元に戻りました。つきっきりで先生のレッスンを見て、先生の英語を理解できるようにして、それから資格養成コースに入りました。
やはり語学学校だけでなく、現場で実践的に学ぶのもいいですよね。ドイツに移られてからは、何語で指導されているのですか?
H : 当初は英語のみでした。「Danke」「Guten Tag」も知らずに、ドイツの空港に降り立ってますから(笑)。そのうちに日本人の方と知り合ったことで、日本語でのレッスンを始めて、最近はドイツ語でも限定的に行っています。
これまで働いていたアメリカとドイツでは指導方法など変えていますか?
H : そんなに変えてはいないです。私の恩師がリハビリをやっていたので、体の深い部分へのアプローチをするんですけど、ドイツ人はそういう繊細なアプローチが好きな印象はあるかな。あと、ドイツの方は、エクササイズをして気持ちいいという感覚だけでなく、レッスンを健康への投資と考えている方が多いように感じます。
Hirokoさんの恩師は、リハビリをやっていたとおっしゃいましたが、様々なタイプのピラティスがあるのでしょうか?
H : 一言でピラティスと言っても、色々なメソッドや団体があるんですよ。使っているエクササイズや目的は一緒だけど、医学療法系リハビリなのか、フィットネス系なのか…など、ちょっとアプローチが違うんです。私の恩師は、医学療法やオステオパシー、カイロプラクティックなども取り入れてたし、それこそロルフィングも入ってます!
Hirokoさんのロルフィングはそこから来てるんですね。ロルフィングはトレーニングではなく、施術に近いのでしょうか?
H : そうなんですよ。筋膜はがし、筋膜リリースなどと言われるのですが、コリをはがしていくようなテクニック。寝ていただいてハンド施術を行ったり、起き上がっていただいて、重力と空間の間でちゃんと体が整っているのかを見て、調整したりします。お客様は、体に慢性的な痛みがある方が多くいらっしゃいます。動きの姿勢やクセを根本的に解決していくために、10回シリーズで行うのが基本です。
ロルフィングやピラティスをミックスすることもあるそうですね。
H : その方に必要だと思えば、もちろん行います。体に最大限の効果を出すには、必要なものを必要なところから出してくるという考え。指導者として、いろんなところからアプローチができるよう引き出しを増やすべく、知識のアップロード、自身のトレーニングを常日頃から行っています。
だからこそジャイロキネシス(円を描く動きを取り入れたNY発祥のエクササイズ)など、さらに学ばれているんですね。
H : それぞれ体が違うし、1つのメソッドが全員に当てはまるとは限らないので、そういう時にいろんな引き出しを持っている方が絶対にいいですもんね。その人に合わないものを提供してしまうと、体が逆反応したりするので、そこを特に気をつけています。
新しいマシーンを導入して、マシーン専門のクラスを新設されましたが、どういう方にオススメですか?
H : 結構合う合わないがあるけど、マシーンピラティスは面白いんですよ。マットのレッスンがなんとなくつまらないと感じる人は、マシーンにすごくハマったりする。あと、エクササイズをして、体のどこの部分を使ってるのかわからない方は、マシーンを使えば一発でわかります。どこに意識を持っていけば、こういう効果が得られるかなどがわかるので、ビギナーさんにもオススメです。
今の季節、エングリッシャーガルテンで行う青空ピラティスもいいですね。
H : お子様連れ、犬連れも大歓迎。マットの貸し出しも行っていますので、青空の下、ピラティスですっきりしたい人にぜひいらしてほしいです。開催するのはたいてい土曜日の午前中。開催日時は、決まり次第、InstagramやFacebookで告知していますので、チェックしてみてください。
「好きなことなので、全然苦にならない」そのポジティブさは、やっぱりピラティスから来ているのでしょうか?
H : 絶対そうです!ピラティス氏が残した言葉があるんです。「世界中のみんながピラティスをやれば、争いごとがなくなってハッピーになるのに」って。ま、いろいろツッコまれてますけど(笑)。でも体は動くためにあって、動かしてあげると本当ハッピーになる。心と体は繋がっているから。ピラティスは心と体とスピリットの統合なので、ハッピーになるんです。
ストレスがたまって、ストレス発散したくなることもないですか?
H : あ、忙しくしすぎてしまってストレスというのはたまにあります。そういう時は、スローダウンして、山に行ったり湖に行ったりしますね。あと、イザール川沿いをずーっと歩いたりとか!
最後に、Hirokoさんの信念があれば教えてもらえますか?
H : 信念と言えるかわからないけど、生徒さんやクライアントさんに言うのは「自分の心と体を大事にしてほしい」ということ。健康になる近道は、自分を知ること。痛みが出るなど問題が生まれてからでは遅いので、必ず自分の心と体が発する声を聞いてほしい。たとえば、パソコンに向かっていると、自然と肩を動かしたりするけど、これがその時、体が欲しがっている動き。それを無視するとどんどん凝り固まっていってしまう。
ピラティスをすると、そういう体の声が感覚としてわかりやすくなるんです。体の声を聞きやすくするために、私はどのように導けばいいか、どういう引き出しを増やしたらいいか、日々考えています。
明るくエネルギッシュなオーラを放つHirokoさん。お話を伺っているだけで、こちらの元気がみなぎってくるようでした。実際にピラティスのレッスンを受けたら、どれだけパワーをもらえるのだろう!ミュンヘンだけでなくドイツ各地、オンラインでもレッスンが受けられるので、ぜひHirokoさんのエネルギーを感じてくださいね。
Hiroko Horii
ミュンヘンでスタジオを運営し、日本でも各地で定期的な活躍を行っている。Marie-Jose Blom` 認定 上級ピラティストレーナー、ロルフィング®︎施術、ロルフィングムーブメント™️インストラクター資格取得など様々な資格を持つ。
2006 | ピラティス指導者資格全課程を修了 |
2007 | ミュンヘン移住、トレーナーとして活躍 |
2010 | Hiro Pilates Studioを設立。 ピラティス団体Balanced Bodyのマスタートレーナーとして、イギリス/ミュンヘン/日本などで養成コースの指導を開始。 現在もミュンヘンにて毎年開催中 |
2022 | ロルフィング®︎施術とロルフィングムーブメント™️インストラクター資格取得 |
HP – Hiropilates / Instagramアカウント |