
昔に比べると食生活がとても楽になった!と感じる海外長期滞在者は多いのではないでしょうか?意外と知らなかった、知られていなかったドイツでの日本食の認知度の高まりと広がり方を調べてみました。 NIPPONip 75号から一部抜粋
ドイツの日本食事情
農林水産省の調査によると、日本国外の日本食レストランの数は年々増加傾向にあります。
日本の外食チェーンが世界中に拡大するにつれ、この10年間でその数は3倍以上に増加! 2023年には日本国外にある日本食レストランの数は、なんと約18万7,000店に達する見込みです。
そして私たちの住むドイツでは1,220店に達しました。今後も増加が予測されています。*
もちろん欧州での日本食人気は高く、2025年2月6日からは、スイス・チューリヒ中央駅で期間限定の駅弁販売もスタートしました。
*参考:農林水産省 輸出・国際局 /Export and International Affairs Bureau. Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries.調査資料/令和5年10月13日
ドイツで日本食はどうやって広まった?
ドイツでも、外食で気軽に日本食を楽しむことは、もはや特別なことではなく、日常の一部となっています。
近年の和食・健康ブームの影響もあり、現地の一般消費者でもドイツの地元スーパーやアジア系スーパーで、日本ブランドのほか、現地(またはアジアの)食品メーカーが製造する醤油・味噌・米酢などの調味料を簡単に購入できるようになりました。
日本食天国のような環境が整うまでには、長い年月と先代のみなさまの苦労と努力がありました。そして、技術進化のおかげで実現した歴史をざっくりと振り返ってみましょう。
1930年代〜
欧州ではロンドン、パリ、ベルリンに日本人が住む地域があり、日本クラブ(日本人会)の食堂や、レストランが一部存在していました。
1960年代〜
デュッセルドルフ初とされる日本食レストラン「日本館」が開店。
1970年代〜
キッコーマンの鉄板焼きレストラン「大都会」が当時の西ドイツで複数オープン。初の寿司レストランもデュッセルドルフで開店。
1980年代〜
デュッセルドルフに限定されますが、日本食の出前サービスがスタート。西ドイツに日清の合同会社が設立され
1990年代〜
ヨーロッパ日清のオランダ・フェンロ工場が竣工。欧州で日本の食品メーカーが初めて生産工場をかまえ、本格的に事業展開をし、日本食が欧州でもより日常で見られるようになります。
そして2000年に入ってからは、ラーメン、おにぎり専門店が開店し、満をじして2013年、ユネスコの人類の無形文化遺産に「和食」が登録され、ドイツ国内で日本食の文化が広がっていきます。2010年にはドイツの地元スーパーでも寿司や日本食(アジア食)の通常販売もスタート。
抹茶とモチアイスブームが、日本のスイーツ文化をドイツに定着させていきます。
日本の惣菜やメニューが「特設」でも「期間限定」でもなく、日常的に日本食がドイツのスーパーで普通に買えること、こんな時代がくるなんて2000年前に海外に渡った人にとっては夢のような嬉しい現実ではないでしょうか?
どこで買う?
日本食材は、昔は(日本製はほぼ無い状態でしたが)アジアショップや、一部地域に存在した日本食材店でしか購入できませんでした(2000年前後)
それも今は昔、オンラインでも、ドイツ国内のアジアショップにも日本食材が揃っています。日本に比べると少しお値段は張りますが、嗜好品まである、なんてとても嬉しい状況です。
非日系のお店でおすすめ店は
Arche
1985年創業のドイツ企業 Arche。最も有名なオーガニック食材と日本食材製品を取り扱う食品会社のパイオニア的存在です。
go aisa 各店
アジアショップの中でも品揃え、ドイツ全土に支店を持つgo asia. 取り扱っているのは日中韓だけでなくアジア各国の食材があり、新しいおいしさに出会える可能性があることも嬉しい。 毎月最初の土曜日は10%オフ、中国の春節などお祝いシーズンもセールが開催されます。
ドイツのスーパー各店
近年はドイツのスーパーでも取り扱っていることも多々あります。例えば湖池屋のポテトチップスまで・・・!
どこのスーパーにどんな商品が置いてあるのか、詳しくはNIPPONip vol.75の美味しいしよう「日本食材@ドイツスーパー2025」をご覧くださいませ。