【18歳から成人】4月1日から、新成人は気をつけて【日本】

明治9年から令和4年まで、なんと146年もの間、日本の民法では成人年齢(法律上は「成年年齢」と言うそうですが)は20歳とされてきました。 その民法が2018年に改正され、いよいよ2022年4月1日から、日本では18歳以上の方が成人となります。 お子様を持つ家庭では国籍選択の時期が変わるなどの影響があります。 新成人となる18歳、何が変わったのか良い点、危険な点を知っておきましょう。

何が変わったの?

18歳から新成人となります。 と言われても、そういえば成人になったら何が変わるのか?をきちんと知っていますか?

我が家はドイツ在住と思っていても、例えばお子さんが18歳を超えてから日本の高校に交換留学生徒して日本にいる間に・・・大学は日本で・・・一時帰国で日本で休暇を謳歌中に、という可能性もあります。

特にお子さまが二重国籍の場合、これまでは20歳〜22歳の間に国籍選択が必要でしたが、18歳〜20歳に変更されます。(うっかりしてると忘れてしまいそうな危険もありますよね)

まずは成人が出来ること、できないことを把握してみましょう。

出来るようになったこと

©️pixabay-Henry-Rodriguez

自分の住む場所を自分の意思で決めることができるようになります

これまでは出来なかった、ちょうど18歳・高校卒業後の進学や就職などの進路について自分の意思で決めることができるようになります。また、自分の財産を自分で管理することなどが可能となります。

それに伴い、自分で家を借りたり、様々な契約ができるようにもなりました。

親の同意がなくても1人で契約が出来るようになります

さて、「契約」とは携帯を自分で契約する、家を借りる、ローンを組んで何かが購入できる、などです。 ただし、これらの契約をきちんとした団体や会社で締結するのであれば、ある意味では良いことです。 万が一、たとえ失敗しても、実際消費者センターや法的に解決できれば数十万程度の損害で済みます。

問題は、契約をする会社や団体が悪徳業者や、あえて本人に払えないことを前提で両親の持つ土地や家屋、財産を最初から狙っている場合です。 支払い能力がないのに無理なローンを組ませて取消できないようにして追い込む。 気軽に連帯保証人になるように誘導してサインをさせる。

貯金が消えても家と家族が残ればまだ「マシ」ですが、家もなにもかも消えて、昭和の世界なら子息は売られて、父母は・・・なんてことにもなりかねません。

良い年の大人でも引っかかってしまう人は多く、まだ社会経験も無い年齢ならさらに危険が手ぐすねを引いて待ち構えていると言う事をしっかりと注意喚起しなければいけません。

とても分かりやすく、成人年齢が引き下げられたことの怖さを伝えている記事も一読しておきましょう→「無知は罪」格好のカモ・・・

・今サインしないと、この良い話は無くなる

=良い話は確かにタイミングを逃すと消えますが、1日も、1時間も待てない上に、誰かに相談する事を許されないような良い話は基本的にロクな話がないのでやめておきましょう。

・とりあえずここに名前書いて

=と言われたらサインは書かないように。 印鑑も適当に作られてしまうので、「押印してないから大丈夫」なんて甘い考えは、大人も子供も捨てておきましょう。 偽造なんて手軽にできてしまいます。(きちんと調べたら後でバレますが、きちんと調べる状況になってからは色々と失った後です)

・名刺をもらったから安心

=名刺も偽造できます。 名刺を貰って違和感を感じたら、必ず本社に本人がいるかどうか確認を取ったり、何かを契約する前には下調べをする時間を作りましょう。

友達同士での「えーすごいーいいなー」的な感想は、賛成意見でも相談をしていることにもなりません。 その商品を以前に契約したことがある人(携帯なら携帯、家なら家を購入した、など)に相談することが大事です。

医師や歯科医師の免許を取得できるようになります

また、公認会計士・司法書士・行政書士などの免許を取得できるようになります。 これからは、資格試験合格者の最年少記録も変わるのかもしれませんね。

10年パスポートの申請ができるようになります

パスポートも18歳から10年パスポートの申請ができるようになります。

在独でお子さまがドイツで生まれた場合は、生まれた時から(1〜2歳頃)パスポートを取り、更新時期はちょうど5年毎サイクル。 ちょうど後1−2年パスポートが足りないけど、まだ5年しか申請出来ないという事も解消されて良いかもしれませんね。

国籍の選択時期が早まります

これまでは新成人=20歳だった国籍の選択も、2年早まって18歳から20歳の間に行うことになります。 日本国籍を持っていたいと思う場合は、国籍選択届けは18歳になったらすぐ考える、、、と忘れないようにした方がよいでしょう。

2022年4月1日の直前に21歳になってしまった場合、ご安心ください。 2022年4月1日時点で20歳以上の重国籍者は22歳になるまでに届け出を出せば問題ありません。 参照:外務省 戸籍・国籍関係届の届出について

出来なくなったこともあります

女性の結婚可能な年齢が、16歳から18歳に引き上げられます。ある意味男女平等になりました。

*2022年4月1日時点ですでに16歳以上の女性は、結婚をすることが出来ます。

気をつけて、18歳はまだ出来ません!

©️pixabay-randy7

全ての「成人」に許可されていたことの中にも、今もなお20歳以上からしか許されていないこともあります。

  • 飲酒
  • 喫煙
  • 公営競技(競馬、競輪、モーターボートなど)
  • 国民年金被保険者の資格
  • 養子をとることが出来る年齢

例えば

18歳から成人、よし!堂々居酒屋デビュー! そして、補導・・・

という悲しい事態も起こりかねません。

ちなみにドイツは16歳からビールはOK、18歳からはアルコール度の強いお酒も飲酒可能になります。

正直なところギャンブルは年齢ではなく、依存症度が高い人間はそもそも触れない・始めない方が安全だと思いますが、なかなか「依存」の定義が難しいから年齢で区切られているのかもしれませんね。

そのほかでは、原付免許や普通二輪免許の取得は16歳以上、大型二輪免許や普自動車免許の取得は18歳以上というのは変わっていません。

石橋を叩いて渡ることは大事

君子危きに近寄らず、とも危ういモノから近づいてきます。 悪徳業者にとって、特に判断力がまだ成熟していない、社会経験が浅い、でも気持ちも体も大人になって「自分でなんでもできる」と思っている18歳〜若年層はネギを背負った鴨のように見えています。

署名や捺印をする危険性、世の中に今すぐ決断しないといけない事は、人生でそうそう無いということを認識し、両親や信頼できると思う大人に相談する、客観的に見てどう思うかをネットの掲示板でも良いので尋ねてみるように教えておくことが大事です。

否定的な意見や心配する声がひとつでもあれば、一度踏みとどまって考え直してみましょう。親や家族、知り合いの大人には相談出来ないなら、警察や公共の相談所に匿名で相談しても良いのです。

4月から新成人になるみなさま、これから新成人となるみなさまもどうぞ気をつけて

参照:成年年齢の引下げに伴う年齢要件の変更について|法務省
参照:消費者ホットライン | 消費者庁



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