ドイツは、生産量・消費量ともに欧州で一位を誇りますが、実はドイツ発祥のチーズはあ りません。 どのチーズも元々他国にあった チーズを少しずつ、あるいは大胆にアレンジしたものです。 ドイツらしい風味や工夫が感じられるドイツの色々なチーズを調べてみました。(NIPPONip vol.55より一部抜粋)
ドイツのチーズ
欧州27国を合わせるとチーズ生産量も消費量も、世界1位となります。 単独ではアメリカが世界一位の生産量を誇り、意外にも2番手にドイツ、そしてフランス、イタリア、オランダと各EU諸国が続きます。
生産量が多いドイツですが、実は、ドイツオリジナルのチーズというのは思いの外少なく、ほとんど全てのチーズは他国のチーズをアレンジしたものになります。
調査は2019年、ドイツ語圏人口の14歳以上を対象に過去4週間に渡って統計を出した、ドイツで最も人気のあるチーズブランドに関する調査結果を示しています。 最も人気があったのは、24.4%もの人が購入していたLeerdammerブランド(原産国オランダ)。 次にクリームスプレッドとして日本でも人気の高いPhiladelphia(原産国アメリカ)。第3位にドイツブランドのGrünländer となりました。
チーズ作りに主に使われるミルクの種類
ドイツではHeumilch – ホイミルクのヨーグルト、チーズなどがとても人気があり、Molke – ホエー(乳清)を加工した乳製品も豊富にあります。
ドイツ語 | 日本語 |
---|---|
Schafmilch | 羊乳 |
Kuhmilch | 牛乳 |
Heumilch | ホイミルク |
Ziegenmilch | ヤギ乳 |
Büffelmilch | 水牛乳 |
Rohmilch | 搾乳しただけの生乳 |
Molke | ホエー(乳清) |
ドイツ全土のチーズリスト
せっかくドイツに来たからには、ご当地名物なチーズをいくつか食べてみたいですよね。 ちょっと癖のある(ありすぎる?)チーズから、日本人の口に合う、食べやすいチーズまで色々あります。
例えば、 Würchwitzer Milbenkäse – ヴュルフヴィッツァミルベンケーゼ は珍しいダニのチーズ。 チーズの発酵を助けるダニがチーズの表面に生息したままですが、そのまま食べることが可能です。 (目視は出来ないらしいですが、原材料を知って食すのは、結構勇気が入りそうです)
多くの国、地域で食されているチーズでも、原産地を限定することで地域のチーズとして扱う場合もあります。 例として、エメンタールは元々スイスのチーズですが、原産地がアルゴイと限定した場合アルゴイ・エメンタールとして販売されます。
Quark – クワルク
食べやすくて愛されるチーズ代表と言えば、Quark – クワルクではないでしょうか。 ドイツ全土で人気のWeißkäse – フレッシュチーズは塩系から甘味系まで何にでもマッチします。 またドイツ全土で地域によって、また含まれる脂率で呼び名が違うところも面白いチーズです。
さらに脂肪分の違いでも名称が変化します。 ダイエット中にはMagerquarkがオススメです。
脂肪分 | ドイツ語 | 日本語 |
---|---|---|
40% | Sahnequark | ザーネクワルク |
10%〜40%位 | (Speise)quark | (シュパイゼ)クワルク |
10%以下 | Magerquark | マーガークワルク |
Bavaria Blue – ババリアブルー
Cambozola – カンボゾーラ なども同じ類のチーズになります。 ゴルゴンゾーラとカマンベールなど 複数の種類のチーズが上手に組み合わさったチーズで、類似した商品もいろいろなブランドから販売中。 Aplenmarkブランドのものはあまり青カビの独特な味がせず、食べやすい気がします。
Handkäse
好きな人は好き・・・どうしても食べられない人は香りですらアウトなとても癖のあるチーズ。 Handkäse – ハントチーズ は、Sauermilchkäse – ザウアーミルヒから作られるチーズの種類です。 素材・見た目・製造方法もよく似ているけれど、小さな違いのあるよく似たチーズがいくつか存在します。 クミンが入っている場合、入っていない場合などがあります。
ドイツ語 | 日本語 | 違い |
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Handkäse | ハントチーズ | 手で形成される伝統的な生産方法 |
Herzerkäse | ハルツチーズ | 工業的に生産 |
Korbkäse | コーブチーズ | 熟成にカビが加わる |
Minzerkäse | マインツチーズ | 熟成に塩が加わる |
Hessischer Handkäse | ヘッセン州のハントチーズ | ヘッセン州で作られたハントチーズ |
そのほかにも色々変わったチーズや、他の食材と混ぜて作られたディップやチーズ製品もあります。 ぜひドイツらしいチーズを色々食べてみてください。
特に食べやすくて美味しい!と思ったチーズ3選
ドイツ全土にあるALDIの中でも、食べやすくて「これは美味しいな!」と心底思った3点を紹介します。
クリームチーズ Frischkäse GIPFEL ちょっとだけグルメ・高級路線商品のひとつ。 容器に入っていますが、フタ部分を開ける時に油断すると形を崩してしまいます。 パンに塗ったり、野菜に塗ったりして食べると本当に美味しい柔らかフレッシュ(クリーム)チーズです。
友人に教えてもらったZiegenkäse ヤギのチーズ、香草入り。 香草の入ってないバージョンもあるそうですが、癖の無いヤギのチーズにほんのりクロイター(香草)の風味が、パンにハムと一緒に挟んで食べると最高です。
サイズもちょうど使い切り出来るサイズ。 とにかく日本人にも馴染みのある味のチーズ・シリーズでオススメです。 Heumilch – ホイミルクは、サイレージ無しで干草だけを給餌された牛のミルクの事。 そのミルクで作られたチーズです。