チームオレンジ・ドイツ – ドイツでおくる安心な老後のために

コロナ禍で人との対面でのつながりが少なくなり、情報が困難な方も増え、心身ともに疲労感を感じる方も多いのではないでしょうか。 孤独感を感じる、コロナ関連や悩みの解決のための情報をどこで得られるのか分からない、そんなドイツ全国の邦人高齢者、そして未来の高齢者(現在の若い世代)のためにあるチームオレンジ・ドイツをご紹介します。

チームオレンジとは?

元々は日本で2019年に厚生労働省がが始めた取り組みで、地域のサポーターたちがチームや会を編成して、認知症の方やご家族のためのサポート支援のあつまりです。

日本では「チーム」は市町村単位で行われ、2025年までには全ての市町村でチームオレンジを整備するという目標が掲げられています。

チームオレンジ・ドイツとは

外務省の発表によると、在独邦人は現在およそ45000人程度、そのなかでも高齢者にあたる年齢の方も多く、65歳以上は約3800人になります。

在独邦人の高齢化が進む中、またコロナ禍でのサポートの必要性から、公益法人デーヤック友の会が、外務省による海外在留邦人・日系人の生活やビジネス基盤強化事業の助成*を受けてチームオレンジ・ドイツを発足しました。 *助成は2021年12月まで

ドイツ全国10箇所にあり、正式事業名は「チームオレンジ・ドイツ〜コロナウィルスに負けない安心の老後のために」です。

ドイツでは日本に比べて、さらに広い範囲での支援を行います。 認知症だけでなく、介護制度や高齢者福祉、医療などの情報発信や講演会を行い、現在は、コロナ禍で加速・増加する高齢者の問題、言語の壁による情報不足解消のためのサポートや、しかるべき相談先や支援先につなげていくサポートも含みます。

特に、高齢者のひきこもりや、対面の活動が制限されたことで、オンラインの利用が苦手、できないという理由からの情報弱者の増加が目立っています。

良い意味でも、悪い意味でも、政府のデジタル化による、デジタル社会に慣れきっていない高齢者が置いてけぼりになっている傾向があるのかもしれません。

高齢者だけでなく、若い世代も

また、30代、40代というまだまだ若い世代でも、知らなければ出来ないサポートの仕組みや仕方を学んだり、年代に関係なくお互いに助け合ったり、話し合い、それぞれの問題にあった情報や支援団体・医療機関などの紹介なども可能な在独邦人が穏やかな生活をおくるためのチームとなります。

活動内容と目標(目的)

活動内容は前述の通り、情報提供に、支援機関のリストアップ、見守り活動と高齢者の方の状況を見て、支援や相談へつなげていく活動を行っています。

見守り

ドイツ社会ではもともとつながりが希薄なところ、言語的な壁があっての社会的孤立や情報弱者、情報を得てもドイツ語の壁で利用できるサービスが利用できない、億劫で申請せずに助けを得られない場合も多いようです。

日本人と敢えて距離を置いているため、例えば日本語(母語)だからこそ早期発見が出来る認知症の見逃しが起こってしまう場合もあるため、不特定での地域間の交流による見守り、決まった担当が1:1で細やかに連絡・訪問を行う見守りを行っています。*

*現在はコロナ状況により電話やオンラインなどの活用も実施

デーヤックとは?

老後をドイツで送る方が必要とする情報をテーマ(医療、健康、法的なサポートなど)に講演会を開催、勉強会や、ボランティアの介護など、情報を広めて特に高齢者特有のトラブルや問題の解決のため、皆で支え合い支援する会です。

また、2014年から認知症キャラバン、キャラバンメイトを90名ほどを養成し、認知症の方のサポートを行っています。 ちなみに、ドイツは海外では最もメイトが多い国でもあります。

互助ではなく他助

友の会との違いは、デーヤックのサポートは会員でなくとも利用できる点があります。 まだまだ会についてや活動内容の情報の認知度も低く、年代を問わずに広めていくことが今後の目標のひとつでもあります。

サポートや支援を受ける際に

個人情報が心配でサポートを得るのをためらっている、という方もいるのではないでしょうか。

ご安心ください。ボランティアや会のサポート上で得た情報には全て守秘義務が生じます。

守秘義務 Schweigepflicht:

実際にボランティア中だけでなく、契約期間が終わった後も継続して有効となります

サポートする上での必要な事柄については知る必要がありますが、それを他者に話したり、他の高齢者に話したりはしません。 また、サポートやボランティアの方々でより良いサポートを行うための相談会などでも「あの人の事だな」と個人の特定がされないように配慮して問題や相談を行っています。

ちなみにチームメンバーの方も守秘義務のための書類、支援先やサポートの方法などしっかりと研修も行っているので安心して、サポートを得ることができます。 心配なら最初は匿名でメールだけで相談・連絡を取ってみるのも良いかもしれません。

シルバーネット Silbernetz

元々ドイツで高齢者向けにあった高齢者のための電話での無料のおしゃべりサービスになります。 10月から10名ほど日本人のボランティア研修を始めて、日本人のためのサービスもスタートされます。

双方ともに、電話番号は非通知、名前も匿名で秘密厳守でお話しが出来ます。 今後辛い時や苦しいときに頼ってみるのも良いのではないでしょうか。

*詳細は当記事下記に記載するデーヤックのHPからご確認ください。

チームメンバーの役割

ボランティア活動も必ずしも会に参加しなければいけないわけではありません。 一応は認知症サポーターの研修を受けた方となります。(*お申し込みいただければ3〜4名から受講が適宜可能です)また最低半年程度継続してやっていけることが条件となります。

無理をしない範囲で、出来ることを行います。 時々ご近所の高齢の方に時々会ったり、お話ししたり、状況を把握してあげる、支援先や相談先を紹介したりすることも支援になります。

時間に余裕があれば、日本食を作ったり、お買い物のおてつだい、外出時の同伴なども出来る範囲でお互いが気持ちよく過ごせるようなボランティア活動を行います。

例えば問題が起こった場合は、「この方はあまり合わなかった」「この活動はできなかったけど、別の助け方をしよう」と自分を犠牲にして我慢しないように、という考え方であるため、メンバーが負担を感じずに長く緩やかに続けていけるのでしょう。

つまり、自分の生活に無理のない範囲で出来ることをしたり、心のすみに活動や支援を得られる先があることを留め置いておくだけで良いのではないでしょうか?
困っている人を自分で助けられない場合は、助けてくれる人を紹介するのも「他助」になります。

このような形で「他助」だけでなく「多助 = 多くの助け」になることを願います。

チームオレンジ・ドイツ、Silbernetz 高齢者のための電話おしゃべりサービスなどに関する詳細やお問い合わせはデーヤック友の会に直接お問い合わせください。

公益法人デーヤック友の会
正式名称 DeJaK(デーヤック) 友の会|公益法人 文化を配慮した介護
ドイツ語 Deutsch-Japanischer Verein für kultursensible Pflege (DeJaK-Tomonokai) e.V.
HP https://dejak-tomonokai.de
活動地区 大別して6地区:
ベルリン、ニーダーザクセン、ノルトライン=ウェストファーレン
ヘッセン、バーデン=ヴュルテンベルク、バイエルン
会員年会費 年 30EUR *2021年現在
お問合わせ ホームページ内コンタクトフォームから
シルバーネット 0800 470 80 90 (無料)



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