7月になりました。7月はドイツで最も暖かい月と言われています。 月の平均気温は、北部では約17度、南部では18度です。 ただし、毎日30度を超えることもよくあります。 7月に関するドイツの決り文句をご紹介します。どれも語呂がよいので、ぜひ口にして、その響きの楽しさを味わってくださいね。これでドイツ語上達まちがいなし!
7月をテーマにした農民のルール
7月の農民ルールの殆どは、7月1日から10日までの事象に言及するものです。
6月の農民ルールでご紹介した、6月27日の「7人の眠り男の日」もそうですが、6月下旬から7月上旬にかけては気候の変化が激しく、この時期の天気がその後収集間続く傾向があるので、この時期の天気で、続く数週間の天候を予測することは、農家にとって重要だったと思われます。
Wenn der Juli fängt zu tröpfeln an, so wird man lange Regen hab’n.
カタカナ発音:ヴェン・デア・ユリ・フェングト・ツー・トレプフェルン・アン、ゾー・ヴィルド・マン・ランゲ・レーゲン・ハプン
直訳:「 7月がぽつぽつ降る雨で始まると、長い雨が続くことになる」
説明:「始まる」という意味のドイツ語の「anfangen(アンファンゲン)」という動詞があります。
これは分離動詞なので、現在形の文章の中では、動詞の前部分(an)が切り離されて、文末に置かれます。この農民ルールの中では、「トレプフェルン」の次に来ている「アン」がそれですね。
そして、この「アン」と韻を踏むのが、文末にある、「ハプン」ですが、これは、「持つ」という意味の動詞「haben(ハーベン)」を短く縮めた南ドイツ風の口語表現です。
Regen am Sankt Ulrichstag, macht die Birnen stichig-mad.
カタカナ発音: レーゲン・アム・ザンクト・ウルリッヒスターク、マハト・ディー・ビルネン・シュティッヒッヒ・マード。
直訳:「聖ウルリッヒの日に雨が降ると、梨がとげとげして怒る」
説明: 7月4日は聖ウルリッヒの日です。
ウルリッヒ(Ulrich)は古いドイツの男性名で、「遺産、故郷」、「ルール、権力、金持ち」という意味を持つそうです。 この名前は中世以降、アウグスブルクの聖司教ウルリッヒの崇拝に関連して、多くの男児に名付けられてきました。
聖ウルリッヒは、旅行者、ハイカー、漁師、織工、ワイン生産者、そして死にゆく人々を守る聖人です。
直訳の梨がトゲトゲして怒る、というのは、雨降りで日照が足らずに、果実の成熟が進まず、酸っぱいことを意味しているのかと推測しますが、より正しい情報を知っている方がいらしたら、ぜひ教えてくださいね。
Wie die sieben Brüder das Wetter gestalten, so soll es noch sieben Wochen halten.
カタカナ発音: ヴィー・ディー・ジーベン・ブルーダー・ダス・ヴェッター・ゲシュタルテン、ゾー・ゾル・エス・ノッホ・ジーベン・ヴォッヘン・ハルテン。
直訳:「 7人の兄弟が天気を形作ったように、それは7週間続くでしょう」
説明: 7月10日は、ドイツでは「7人の兄弟の日」とされていますが、これはアントニヌス帝の統治下に息子たちの殉教とともにローマで2世紀に亡くなった、聖フェリシタスの7人の息子を意味する7人の兄弟の日です。
この日の天気が、その後7週間続く、というお告げのような農家の言葉です。
「形作る」という意味の動詞「gestalten ゲシュタルテン」と、「(その状態を)続ける・保つ」という意味の動詞の「halten ハルテン」が韻を踏んでいますね。