ドイツで転職エージェントを用いた就職活動の流れ

転職エージェントを用いた就職・転職は、ドイツ在住日本人の中では比較的需要が高いやり方と言えます。言語、就労ビザなどあらゆる点で現地のドイツ人と比較して「特殊」であることの多い日本人人材は、どうしてもピンポイントで自身を欲してくれる企業群へアプローチする必要があるからです。
もっとも、このドイツでのエージェントを用いた方法、日本での転職プロセスとは異なる流れとなるため、注意が必要です。今回の記事では、ドイツで転職エージェントを用いて転職する際の流れを解説します。

ドイツ・ヨーロッパに本社を持つ日系転職エージェント

ドイツの日系人材紹介会社事情」の記事で紹介した通り、ドイツで日本人や日系をターゲットとした転職エージェントの数は少なくありません。その中でもそれぞれの転職エージェントがそれぞれの特徴を持っており、実際にどのエージェントを用いて転職活動をおこなうか(あるいは複数を用いるのか)、は自身の求めている勤務条件や居住地によると言えるでしょう。

  • Career Management(ドイツ日系転職エージェント最大手級、20年以上運営実績)
  • Career Connections (イギリス・ドイツ転職に強い)
  • ADENI(細かな案件を得意とする)
  • Fisher(現地密着型のサポート)
  • Center People(イギリスに強いが、ドイツ案件もアリ)

以下は、こうした典型的な転職エージェントを用いた際、どのように内定まで至るのかプロセスを解説していきます。

プロセス1:応募

転職エージェントを通じての就職活動は、転職エージェントへの履歴書の提出をもって始まります。就職ポータルなどではカバーレターの提出が原則的に必要となってきますが、転職エージェントの場合一旦リクルーターの手元に自身の履歴書が送られるので、カバーレターを求められることは多くはありません。

履歴書の提出は、該当するエージェントの規定に則って行う必要がありますが、一般的には英語、またはドイツ語での履歴書の提出が推奨されています。就職ポータルを通じた応募と違い、あくまで一旦リクルーターの目を通すため、そこまでフォーマットやフォントに力を入れる必要はありません。自身の職歴や学歴、今までの職能が分かるような形式で作られていれば問題ないと言えます。

プロセス2:リクルーター面接

各エージェント会社への応募をおこなったら、続いてリクルーターとの面談がはじまります。リクルーターとは、採用をおこないたい企業と応募者を繋ぐ中間的な役割の人間で、就職市場において彼らのアドバイスは非常に有効です。

自身の提出した履歴書の情報(職歴、過去の実績や希望する給与額)に基づいて、ドイツ国内で応募可能な案件を紹介してもらうことになります。ミスマッチを防ぐため、自身の適正や勤務先に求めることの情報などはこの時点で明確にしておく必要があり、平均して1時間前後の面談がおこなわれることでしょう。

プロセス3:企業紹介・採用者面接

リクルーターとの面談を終えると、そのインタビュー内容に基づいて「内定のポテンシャルの高い」と思われる企業を紹介されることになります。もっとも、転職エージェントによっては得意・不得意の分野があり、例えばエンジニアの就職を得意とする、製造業営業の案件を得意とする、等の特性があり、実際にどういった企業を紹介してもらえるかはその時の経済状況にも左右されることとなります。

実際に採用を求めている企業を紹介されたら、次は面接のプロセスが始まります。面接はオンラインで行われることもあれば、実際に企業に赴いて会議室でおこなわれることもあり、企業によると言えるでしょう。

勿論、応募する企業の特性にもよりますが、日系企業である場合、面接時にされる質問も日本での就活に似通ったものがなされることが多いでしょう。その中でも特に、「なぜドイツなのか」「将来もずっとドイツに住みたいのか」といった質問を強調されることがあるので、面接担当者を納得させられるような答えを用意しておきましょう。

聞かれやすい質問:

  • 過去の経歴(職歴、実績など)
  • 過去の職場でどのような役割を果たしたか
  • 過去の職場でどのようにパフォーマンスを残したか
  • 自身の強みや弱みは?
  • チームワークやリーダーシップの経験は?
  • 内定先でどのようなキャリアを描きたいか
  • なぜ日本ではなくドイツで就職したいのか
  • なぜ当社を応募したか

企業によりますが、内定まで1~3回程度の面接が行われることとなります。面接に呼ばれる時点でかなり絞られた人数になるので、面接には気を引き締めて臨みたいところです。

プロセス4:内定

さて、晴れて内定となったら転職エージェントを通じて内定の連絡がなされます。この時点では、あくまで口約束の段階ですので法的な効力は持たれませんし、労働条件や賃金などはまだサインがなされていない状況です。ここから、最終的な労働契約書の締結のためのやり取りがなされ、両者(応募者と採用側企業)のサインをもって正式に内定が締結されることとなります。

一人で就職ポータルなどを通じて就職活動するのと違い、転職エージェントのサポート・アドバイスを貰えることから、不当な労働契約などのリスクはある程度回避することができるでしょう。また、日本人応募者が特に問題を抱えやすい就労ビザなどの点も、一般的には転職エージェント側でアドバイスを受けることが可能です。

労働契約書が締結されると、あとは契約書に記載の就労開始日に出社することとなります。それまでに、当該地でのアパートの契約(転職エージェントや企業側は一般的にはノータッチ)、引っ越し、郵便局や携帯プロバイダーなど諸引っ越し手続き、などを済ませておく必要があります。日本からドイツへの移住となった場合、するべき書類手続きは倍増するため、早め早めに対応することとなります。




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