クイズ番組は、世界中で愛されるエンターテイメントの一つですが、ドイツにおいても、クイズ番組は多くの人々に支持されています。その中でも、特に有名なのはなんといっても「ミリオネア」といってもよいのではないでしょうか? 今回はドイツ文化の理解にも役立つクイズ番組の舞台裏をNIPPONipのオンラインイベントモデレーター、そしてドイツのライフコーチとしても活躍している神谷ちよがご紹介します。
世界各国で愛されるクイズ番組
『Who Wants to Be a Millionaire?』(百万長者になりたい人?)は、1998年に英国で始まり、その後、世界100か国以上で放送されているテレビのクイズ番組です。
スタジオの構造やデザイン、ドキドキするような音楽の挿入、繰り返されるカメラのパンや移動、そして緊張感を高める照明など、番組の構成と外観は各国で同じです。
日本では2000年~2007年にかけて『クイズ$ミリオネア』の名前で放映されていました。
2009年のアカデミー賞8冠制覇した映画『スラムドッグ$ミリオネア』にも、「ミリオネア」という題名で、そっくりな構成のクイズ番組のシーンがありましたね。
一方で、クイズに取り上げられる問題などはもちろん、その国の文化や言語に合わせてカスタマイズされています。
「ミリオネア」は、参加者が百万長者を目指すという夢を追いながら、知識と勇気を試す場でもあります。参加者が難しい質問に挑戦し、正解を導き出す瞬間は、視聴者にとっても緊張感と興奮を味わえる瞬間です。
このようなクイズ番組は、また、文化の架け橋としても機能します。国際的な人気を持つ番組が、異なる国や地域の視聴者に異文化を紹介し、理解を促進する手助けをしています。
クイズ番組は、知識の共有だけでなく、異なるバックグラウンドを持つ人々が共通の楽しみを共有する場でもあるのです。
ここドイツでも、ギュンター・ヤウホの司会で『Wer wird Millionär?(誰が100万長者になるのか?)』というタイトルで1999年からドイツ版が放映されています。
文化の交流と理解: ドイツのクイズ番組の背後にあるドイツ文化
ドイツでは、1990年前後からクイズ番組の人気が高まり、
- 『クイズチャンピオン』
- 『クイズタクシー(現在は終了)』
- 『ビッグプライズ(現在は終了)』
- 『ザ・クイズショー(現在は終了)』
など、いくつかのクイズ番組がお茶の間(ドイツでは居間?)をにぎわせました。
このようにドイツのクイズ番組は、エンターテインメントの一環として楽しまれていますが、その舞台裏にはドイツ文化と社会の面影が見られます。
これらの番組は、視聴者に知識をテストするだけでなく、ドイツ以外の国出身の視聴者に、ドイツ文化と日常生活に触れる貴重な機会を提供しているのです。
その内容は以下のとおり。
1. 言語とコミュニケーション
クイズ番組では、言語スキルが試されます。ドイツ語を理解し、迅速に正確に回答することは、番組の鍵です。
これは、ドイツ語がドイツ社会でのコミュニケーションの基盤であることを示すとともに、そのコミュニケーションスタイルについても理解する一助となります。
2. 歴史と伝統
多くのクイズ番組で歴史的な質問が取り上げられます。
これは、ドイツの長い歴史と伝統を尊重し、視聴者に教育的な要素を提供する試みの一部です。その国の歴史や伝統に対する知識は文化理解の鍵となります。
3. 社会的価値観
クイズ番組は、ドイツ社会の価値観や優先事項を反映しています。
質問やテーマは、社会的関心事に関連しており、視聴者にとってドイツ社会の一員としての理解を深める助けになります。
4. 文化の多様性
最近のクイズ番組では、文化の多様性に焦点を当てることが増えています。
異なる文化背景からの参加者や質問が、ドイツが多様性を尊重し、受け入れていることを示しています。
このように、ドイツのクイズ番組は単なるエンターテインメントだけでなく、文化交流と理解のプラットフォームとしても機能しています。
これらの番組を通じて、視聴者はドイツ文化や社会に対する洞察を得る貴重な機会を提供されています。
文化交流に参加します!
このようなクイズ番組の中でも、2023年にドイツ・エンターテインメント・アワードで輝いたクイズ番組『Das 1%Quiz(1パーセントクイズ)』をご存じですか?
ヨルグ・ピラワ (Jörg Pilawa) の司会のもと、会場に勢ぞろいした100人の候補者がドイツ国民の平均的な知識に比べて自分の知識を競う番組です。
最初は比較的簡単な問題から始まり、だんだんと難易度が上がっていきます。
最初はたくさんの参加者がいて、質問に間違えた人は次の質問に進めずどんどん数が減っていく、というスタイルは、その昔の『アメリカ横断ウルトラクイズ』を思い出させて懐かしい気持ちになる私ですが、そんな『Das 1%Quiz』に、私も出演することになりました。
収録は2023年の11月下旬。この番組を通じて、私も直接、ドイツ文化と社会に触れる機会を得ることができます。
そして、うまくいけば、百万ユーロとはいきませんが、最高金額十万ユーロの賞金を手に入れることができるかもしれません!?
応援してくださったら嬉しいです!
収録はまだ2か月後ですが、今からドキドキしています。
このクイズ番組への参加は、私にとって特別な機会であり、ドイツ在住の日本人として、文化的ダイバーシティの大切さを強調する機会でもあります。
アジア人としての立場から、異なるバックグラウンドからの挑戦者が一堂に会し、クイズ番組の舞台裏で多様性を尊重し合う舞台裏を皆さんにお伝えできることを光栄に思っています。
放送が近づいたら、また私は皆さんに詳細情報を共有したいと思っています。文化的な多様性がクイズ番組にもたらす魅力と学びを一緒に楽しみましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。