
ドイツで求職中の方必読。ドイツで就職を目指す日本人のため、ドイツ語不問で応募可能でかつ待遇の良い求人を5つ紹介します。
ドイツに住んでいる人は実感があると思いますが、ドイツ人の英語レベルは非常に高く、特に大手企業の社内の人間はほぼ全員が英語でのコミュニケーションに堪能です。
にもかかわらず、ドイツの求人を見ていると意外にも「ドイツ語必須」の求人が多いことに驚かされるのではないでしょうか?
実務上確かに英語を話せるドイツ人は多いですが、かといって社内の文書やインフラをすべて英語に変えるのはやはり手間なので、ドイツ企業には「社内的にはドイツ語」「対外的には英語」という二刀流使いの会社が多いのが実情です。
とはいえ、時代の流れとともにドイツ企業も外国人人材の採用に積極的で、一部の職種や業種では「ドイツ語不問」の求人が増えていることをご存じでしょうか(全体の2~3%程度)?
本稿では、ドイツで就職を目指す日本人のため、ドイツ語不問で応募可能でかつ待遇の良い求人を5つ紹介します。
ITエンジニア
- 英語のみ募集可能な割合: 10~15%
- 給料:50,000~70,000€
- 学位: 理系
平均年齢の若い企業(スタートアップ系)、IT系・テック系企業、大都市にある企業(ベルリンやミュンヘン)は、社内公用語を英語として運営している企業が少なくありません。その中でも特に英語のみ応募可の要件を満たしやすいのが、ITエンジニアです。
ドイツ全体でITエンジニアのフルタイム求人ではおおよそ「10%~15%」が英語のみでの応募可能で、その中でもベルリンでは「15%~20%」と高い数値を示しています。
特にドイツはIT人材が不足していると言われており、日本を含め世界各国からの求人が目立つ状況です。例えば「インフラ周りの設計・運用・構築」「セキュリティ対策(ペネトレーションテスト等)」「機械学習周り(モデル開発→デプロイまでの一連の流れ)」など特定分野の2年以上実績は有利に働き、ジュニアレベルの求人に応募しやすい状況と言えます。
▶ ベルリンってどんな町?スタートアップとしてのキャリアの魅力
研究職(リサーチャー)
- 英語のみ募集可能な割合: 10%~20%
- 給料:50,000~70,000€
- 学位: 理系
自然科学、化粧品、建材、言語・・・様々な研究領域がありますが、研究職関連はその分野の特性上、世界中の優秀な研究員を採用しなくてはいけないため、国際チームとして社内公用語も英語を用いている可能性が大きいです。
特に大都市の大手企業は、世界各国からの人材の受け入れに積極的で、就労ビザの扱いにも慣れているパターンが多いと言えるでしょう。もっとも、博士課程や特定の理系分野での突出した実績が求められるため、語学以上にこうした部分でのハードルが高いかもしれません。
アナリスト
- 英語のみ募集可能な割合: 5%~10%
- 給料:50,000~100,000€
- 学位: 理系 OR 商学・経済学系
特に外資系(アメリカやイギリス系)の金融機関、コンサル、テックといった企業において重宝される職種です。ドイツ語がマストではないことが多い代わりに、金融工学や統計の学位を必要とし、SQL、Python、Rといったプログラミング言語の素養を求める求人が多いと言えます。
給与が高く人気職種のため、それなりの実績が求められる求人となり、英語のみでの応募の場合きわめて高い英語能力が求められることが特徴的です。また、北米系の企業の場合アメリカとの時差を通じた仕事が求められることとなり、ドイツではありながら比較的ハードな勤務内容となります。
海外営業
- 英語のみ募集可能な割合: 10~15%
- 給料:40,000~60,000€
ドイツ国内営業ではなく、フランスやイギリスといった他のヨーロッパ諸国やアジア、北米、中東などいわゆる「ドイツの製品・サービスをドイツ海外に販売する」系の職種です。対外的にはその国の言葉(フランス担当ならフランス語)を必要としますが、対社内的には英語だけでOKという求人も増えており、東南アジアや中国といったアジア系で販売経験があれば実績ありとして評価されがちです。
出張が多く、担当地域とドイツ本社の橋渡しになる業務が多く、また給与は成果給が反映されがちで、良くも悪くも担当地域の情勢に依存しがちと言えるでしょう。
在独日系企業
- 英語のみ募集可能な割合: 50%前後
- 給料:35,000~55,000€
ドイツに拠点を構える外資系企業の中でも、特に存在感があり現地採用人材を欲しているのが「在独日系企業」です。特に大手メーカーはヨーロッパのハブとしてドイツに進出する割合が非常に多く、「海外営業」「マーケティング」「物流」などの統括拠点として重要視しています。
こうした在独日系企業の社内公用語は英語であることが多く、英語のみ(+日本語)での採用を受け付けている可能性が他の職種よりも高いと言えます。
ドイツの日系人材紹介会社Career Management社によると、当該会社を通じてドイツの日系企業に就職する日本人のうち、約半数がドイツ語未経験からのスタートとなっています。
このように、時代の流れとともにドイツにありながらも「ドイツ語を知らなくても就職できる」選択肢が増えてきています。皆さんも、ドイツ語無しでのドイツ就職にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?