ドイツで洗濯するたびに、シミがついてしまったり、セーターが縮んでしまったり・・・。 困ったこと、悩んでいる事があったりしませんか? そもそも洗濯洗剤の種類が豊富すぎて、選べない〜という事はありませんか? まずはドイツで使える優れた肌にも自然にも優しい洗剤をご紹介します。 一部NIPPONip vol54より抜粋
ドイツの洗剤の種類
洗濯洗剤ひとつ取っても、どれが何なのか分からなくて結局差し障りのなさそうな普通の洗剤と硬水軟化剤 (カルキ抜き) だけを使っていたりしませんか? ドイツには柔軟剤もあれば、ウール用洗濯洗剤、特殊繊維の防水加工を強化する洗剤まで色々あります。
まずは基本の洗濯洗剤用品の名前を覚えておきましょう。 日本語と同じく1つのものを表す単語が結構たくさんあるドイツ語なので、例えば色ものの洗濯用洗剤でもいくつか呼び名があったりします。 パッケージで推測出来る部分も多くありますが、迷ったら店員さんに確認しましょう。
黒色専用洗剤は黒い色を色落ちさせない、色褪せさせない効果があります。 白色はほとんどの場合は蛍光剤が入っています。 色もの用は色柄がついているものを一緒に洗うときに、色落ちだけでなく、色移りさせないような効果もあります。
洗濯洗剤 各種名称 | |
日本語 | ドイツ語 |
---|---|
中性洗剤・ユニバーサル洗剤 | Vollwaschmittel / Universalwaschmittel |
敏感肌用洗剤 | Sensitivwaschmittel / Babywaschmittel |
白色専用洗剤 | Weisswaschmittel / Babywaschmittel |
黒色専用洗剤 | Schwarzwaschmittel / Babywaschmittel |
色もの用 | Farbwaschmittel / Colorwaschmittel / Buntwaschmittel |
ウール用 | Wollwaschmittel |
酷い汚れがあるときに | Ultra Konzentrat |
特別なシミ抜き(洗濯前にシミ落としをする際に) | Fleckenentferner |
柔軟剤 | Weichmacher |
硬水軟化剤 | Wasserenthärter |
日本の軟水 欧州の硬水
ドイツをはじめ、欧州の水は硬度が高い硬水の地域がほとんどです。 日本の軟水よりもカルキ・ミネラル成分がドイツの水に多く含まれているのが特徴です。
水の硬度とは水の中に含まれるカルシウム、マグネシウムなどの量を数字で表しています。 この硬度はドイツ語表記は、°dH(Grad deutscher Härte)、アメリカなどではppm(parts per million)と表記されたりします。 日本も昔はドイツ式で表記していたのが、現在はアメリカ式に変わりました。
ドイツ全土の標準的な水の硬度を数値でみると16.386°dHですが、都市によっては高度41°dHもある都市や、3.6°dHしかない都市もあります。 住んでいる都市によっては意外にも日本の水のような軟水もあります。 その逆もあり、日本でも地域によっっては欧米並みの硬水地域もあります。 引越しをした時に、肌の調子が変わったり、いつもと同じ石鹸や洗剤を使っているのにイマイチ汚れが落ちない・・・という現象は水の違いが一因していることもあります。
*参照:https://www.wasserhaerte.net
洗濯洗剤は硬水や冷水では溶けにくい面があるため、ドイツでの洗濯には硬水軟化剤が必要不可欠です。 硬水軟化剤で有名なものは、液体・固形・粉末3種類どれもが人気の ‘ Calgon カルゴン ‘ です。
ちなみに、カルゴンは1933年アメリカで洗濯に欠かせない商品としてスタートしました。 Cal gonは実は造語で、Calcium (カルシウム)gone (消える)というオヤジギャグ的な名前の由来があるそうです。 85周年を迎えたカルゴンは、今ではすっかり硬水軟化剤の代名詞になっています。 2019年にはさらにパワーアップして、カルキ抜きだけでなく石鹸カスやゴミの除去まで請負う3 in 1にまで進化。 粉末、液体、タブ型タイプの3種類あります。
しかし、近年は使いやすく洗濯時には欠かせない反面、環境問題を考えれば使わないほうが良いかも?という意見もチラホラ出てきています。
とはいえ、硬水のままでは洗剤の溶け残りが衣類にも、洗濯層にも影響してしまいますよね。 そこで、自然にも肌にも優しい硬水軟化剤とそれに合わせた洗濯洗剤を紹介します。
おすすめの洗剤 Sonett Baukastensystem
SonettのBaukastensystemは、ドイツ国内の”Öko-Test” では香水、蛍光増白剤も合成ポリマーも含まれないことでエコテスト1位を獲得。 環境に優しいだけでなく、包装と計量カップ全てが平らな状態で輸送可能という運送にも配慮した点が評価され、2019年に欧州パッケージ・リサイクル賞を受賞しました。
汚れの度合いによって洗剤量を調節し、特に汚れがひどい場合には天然のブリーチ剤、好みによっては柔軟剤を追加で利用できる Baukastensystemの柔軟性がSonettの強みです。 ちなみに日本でも販売されているので、気に入ったら日本でも購入出来るというのも嬉しいところ。
おすすめの洗剤 いろんな種類がとにかく豊富 HAKA
今年で70周年を迎える老舗家庭用洗剤の会社HAKA。 ドイツ語圏での高評価であるものの、あまり海外に流通していない理由は「ドイツの水」に細やかに合わせ、洗濯洗剤の種類は細かく分類されている事も1つの理由だそうです。 人と環境に優しく、低温でも各素材に応じた最高の洗浄効果を出すために、日々努力しています。
プラスアルファのおすすめグッズ
いつもの洗濯にちょっと加えるだけで、環境にも衣類にも優しくなれるお得なプラスアルファのおすすめグッズがあります。
エコで体に優しいエコ・洗濯ボール
汚れは落ちて欲しいけど、あまり強い洗剤は使いたくない場合にオススメなのが Heldengruen のエコ・洗濯ボール。 自然の力で衣類の日常の汚れを落としてくれます。 洗剤よりも環境に優しく、毎日利用しても3年程度は持つのでとっても経済的。
衣類に残った汚れから雑菌が繁殖して肌がかぶれるかも?という不安がある場合は、多少手間がかかってしまいますが、事前にしっかり汚れを落としてからエコ・洗濯ボールで洗濯すればより安心です。
衣類を自然に乾燥させるお手伝い ウールボール
洗濯物と一緒に入れておくと、いつの間にやら水分をしっかりと吸い取って、乾燥機の利用時間を少なめにしてくれるウールボール。 環境に優しく、マイクロプラスチックの海への流出を防ぐ特殊な洗濯用ネットもあります。 どちらの製品もエコグッズが集結したオンライン・サイトWaschbarで購入可能です。
ここだけは、注意!
いろいろな洗剤を試していくと、どれが良かったのか分からなくなってしまったり、肌に合わなくてカブれてしまう事もあります。 肌の弱い人は敏感肌用の Sensitiv – センシティブ 洗剤を重視して、その中で色別洗剤があれば使う。 なければ、肌の調子を優先して選びましょう。
また着用中にふんわり香る洗剤の香りが合わない事もありますよね。 そういう場合は無香料のものを使って、最後にお気に入りの香水を遠くからふわっとかけたり、タンスにポプリを入れて好みの香り付をしましょう。 幸いドイツなら、質の良いポプリや精油が日本でも安価で入手できる環境にあります。
ドイツの洗剤は紹介したもの以外でも、環境に優しく人に優しいものが多くあります。 選択肢は意外と多めなので、安心してドイツで洗濯ライフを楽しんでくださいね!