ドイツと日本の違いの中でも、生活する上で結構な頻度で困ることが数字の数え方ではないでしょうか。 言葉が通じないと思われて指を使って数字を示されても全く分からない、言葉が少しでき始めても、お釣りの計算などの時に惑わされる(私が勝手に惑ってるだけかもしれませんが・・・)。 分からないと地味に辛い、❶ドイツ語で数字を数える方法 ❷指で数字を数えるときの指の使い方 ❸ドイツならではな計算式 ❹手書き数字の癖の4つをドイツ語の数字の数え方をまとめました。 (NIPPONip vol.40から一部抜粋)
ドイツで数字について困ること ❶ 数字の数え方
日本語も桁数の発音などが微妙に変化するので、外国人学習者からは「難しい」と言われがちです。 ですが、日本語の数の数え方は
日本語二桁、三桁 | ||||||
二桁 | 例 | 百の位 | 100 | 十の位の数字 | 10 | 一の位 |
---|---|---|---|---|---|---|
数字 | 21 | 2 | 1 | |||
読み方 | にじゅういち | に | じゅう | いち | ||
三桁 | 例 | 百の位 | 100 | 十の位の数字 | 10 | 一の位 |
数字 | 345 | 3 | 4 | 5 | ||
読み方 | さんびゃくよんじゅうご | さん | びゃく* | よん | じゅう | ご |
二桁は 例: 21 = 「数字= に」/ 「十の位=じゅう」 +「(一の位の)数字= いち」
三桁は 例: 345 = 「数字= さん」/「百の位=ひゃく*」+「数字= よん」/ 「十の位=じゅう」 +「(一の位の)数字= ご」
というように、多少桁数の発音が違っても理解しやすく、大きくは間違えにくく、また分かりやすい数字の数え方ではないでしょうか。 *ひゃく、びゃく、ぴゃくの違い
ドイツ語の数字 〜三桁まで
ドイツ語の数字は12までは決まった形、13以降から1、 10、 100の組み合わせとなります。 ドイツ語の1〜12はここでは省略します。
ドイツ語二桁、三桁 | ||||||
二桁 | 例 | 百の位 | 100 | 一の位 | + | 十の位 |
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数字 | 13 | 3 | 10 | |||
スペル | dreizehn | drei | zehn | |||
読み方 | じゅうさん | ドライ | ツェン | |||
*16の時は sechs が sech に変化、 17の時は sieben が siebに変化します。3,4,5,8,9は変化せず+zehn *一の位が ‘1’の時はein (einsではなくein) |
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三桁 | 例 | 百の位 | 100 | 一の位 | + | 十の位 |
数字 | 323 | 3 | 100 | 3 | 20 | |
スペル | drei hundred drei und zwanzig | drei | hundred | drei | und | zwanzig |
読み方 | さんびゃくにじゅうさん | ドライ | フンダート* | ドライ | ウントゥ | ツヴァンツィッヒ |
*30だけは dreißig (zigではなくßig) *60の時は sechs が sech に変化、70の時は sieben が siebに変化します。2,4,5,8,9は変化せず+zig |
二桁は 例: 13 = 「数字= ドライ(3)」+「十の位=ツェン(10)」 (19までは十の位はツェン、20以降は十の位はツィッヒ)
例: 23 = 「数字= ドライ(3)」+「und」+「数字=ツヴァン(2)/桁数=ツィッヒ(10)」
三桁は 例: 323 = 「数字= ドライ(3)/百の位=フンダート(100)」+「数字= ドライ(3)」+「ウントゥ(und アンドの意味)」+「数字=ツヴァイ(2)/十の位=ツヴァンツィッヒ*」
桁数が大きな数字の数え方
さらに、1000を超える辺りからとても難しくなります。 例えば、
1100 から 1999 までの数は上下 2 桁に分け、hundert でつなぐことができる。
1976 は次のように読む。(ドイツ語では空白で数詞を分けない。)
tausend neun hundert sechs und siebzig
1000 + 9 × 100 + 6 と 7×10
または
neunzehn hundert sechs und siebzig
(9 + 10) × 100 + 6 と 7×10
出典:ドイツ語の数体系
同じ4桁の数字でも、表現の仕方は2通りもあります。 ドイツ語は確かに複雑ですが、見方を変えれば言いやすい方を言えば良しという利点もあります。 少しずつ、慣れていけば大きな数字も自然に読める・言えるようになるはずです。
日常生活ではあまり必要ない様で、案外話の中で出てくる千、万、億単位の数字。 個人的には「ミリオネラー」と聞くと「億万長者」という単語を思い出してしまい、百万だっけ?一億だっけ・・・とつい考えてしまうミリオン、ビリオンの単位から難しくなると思います。(そうでもない、という人もきっと沢山いるとは思いますが・・・) 単位A、10×単位、100×単位、次の単位(単位B)、10×単位、100×単位・・・と続くのは理解できても、数字の大きさが感覚的にピンとこないので、区切りの単語を視覚化してみました。
桁数が大きな数字 | ||||||
数字 | 1,000 | 10,000 | 100,000 | 1,000,000 | 10,000,000 | 100,000,000 |
---|---|---|---|---|---|---|
日本語・読み方 | 千 | 万 | 10万 | 100万 | 1000万 | 1億 |
スペル | Tausend | Zehntausend | Hunderttausend | (eine)Million | zehnmillionen | hundertmillionen |
ドイツ語・読み方 | タウゼント | ツェン タウゼント | フンダート タウゼント | ミリオン | ツェン ミリオネン | フンダート ミリオネン |
*10億からはMilliarde、1兆でBillion
ついでに、小数点の数え方
小数点以下の数え方、よくレストランなんかで飲み物を頼むときにも使うため、意外と必須事項です。 実は小数点の数え方も二通りあります(めんどくさい気もしますが、間違えても大丈夫とポジティブに考えるべきなのかもしれません・・)
0.1 Null Komma Eins ヌル コンマ アインツ
0.25 Null Komma Zwei-Fünf ヌル・コンマ・ツヴァイ・フゥンフ
または
0.25 Null Komma Fünfundzwanzig ヌル・コンマ・フゥンフ・ウント・ツヴァンティッヒ
0.5 Null Komma Fünf ヌル・コンマ・フゥンフ
0.75 Null Komma Sieben-Fünf ヌル・コンマ・シーベン・フゥンフ
または
0.75 Null Komma Fünfundsiebenzig ヌル・コンマ・フゥンフ・ウント・シーベンティッヒ
小数点以下2桁がきたら注意が必要、その他は基本の1〜10までわかっていれば問題なしです。
指の使い方も違う、独日の数字の数え方
ドイツで指を使って数字を数える方法は、日本と違って「0」から始まります。 独日共通は、「5」と「10」、その他は人によっては指が折りにくい形もあるので、日独同じ場合もあったりする様です。
ドイツと日本の指を比べてみると、ドイツはどうやら親指は必ず使う派。 日本は親指をできれば最後まで取っておく(隠しておく)派。 文化的な違いがあるのか、はたまた使いやすい指なのか? 小さな違いが面白いです。
日本と違う、計算式! どっちがわかりやすい?
ドイツでお子さんを現地の学校に入学させたとき、算数なら教えられる!と思ったら、見たことのない計算式で困った方も多いのではないでしょうか。 ドイツと日本では足し算・引き算の計算式は同じですが、考え方が違っています。
たし算・引き算の仕方
日本の記号は「+」「–」
ドイツの記号は「+」Addition「−」Subtraktion
例えば、お店で24.99EUR の商品を買って50EURを出した場合、
日本の場合は、50 – 24.99 = 25.01EUR がそのまま手元に戻ってきます。
ドイツの場合は、まずは 1セント を手渡されて、25EUR! (24.99+0.1=25)
さらに 5EUR を渡されて、 30EUR! (25+5=30)
さらに 20EUR を渡されて、 50EUR! (30+20=50)
ドイツでは数ステップを経て、たし算方式でお釣りが戻ってきます。
とはいえ、最近はレジも進化してお釣りがそのまま出てくるので、足し算方式に遭遇することは少なくなっては来ていますが、根本的な考え方は変わらないので、ドイツ人は加算方式のほうが得意?もしくは好む傾向があるようです。
かけ算の仕方
日本の記号は「×」
ドイツの記号は「・」Multiplikation (Malnehmen)
日本の筆算はかける数同士を上下に並べて、小さい桁から
ドイツの筆算はかける数同士を左右に並べて、大きい桁から
と全く違います。
割算の仕方
日本の記号は「÷」
ドイツの記号は「:」Division (Teilen)
記号の違いもありますが、筆算はさらに難しい?
日本式で慣れた私たちにはドイツ式は難しいですが、逆に、ドイツ式で習い始めた子供には日本式の独特なマークが謎に感じられる様です。
ドイツ人の手書き数字読めますか?
ドイツ式数字の書き方のポイント「1」「7」 。「7」は、必ず「1」との区別のために、横線が一本入ります。
「9」がアルファベットの「g」に見えたりすることもあります。 「1」の書き方は、人それぞれで基本的には上から2段目、4段目の様な上の部分を折り曲げてある形がほとんどです。
日本の様に一本線=1という書き方はあまりない様ですが、そこは自由なドイツ人・慌てていると一本線になることもあるらしく・・・手書き文字を読むときは、勘を研ぎ澄ます必要ありです。 また3段目のラインにある「1」の下部の横線と、「4」の上部分がきちんとくっついているのは、日本ぽい書き方の様で、ドイツ人はあまりしないとのこと。(装飾に凝った書き文字は別として)
手書きのアルファベット&数字の組み合わせになるとさらに難解になる事もあるので、どうしても分からない時は素直に手書きの文字が読めないと伝えましょう。
ドイツと日本の数字の違いについて、詳しい記事はNIPPONip vol.40から一部抜粋。 NIPPONipはドイツ国内・一部日本やドイツ近郊諸国で無料で入手出来る無料情報誌です。