ドイツの音楽祭 Music Festspiel

ドイツは、偉大な作曲家・音楽家を多く輩出してきたクラシック天国ともいえる「音楽の国」、ドイツ各地では魅力ある音楽祭が開催されています。ドイツ在住だからこそ気軽に行けて楽しめるドイツの音楽祭のいくつかをご紹介します。(NIPPONip74号の特集より一部抜粋)

ドイツの音楽祭

オーケストラの数はドイツ国内だけでも100を優に超え、365日ドイツ各地で美しい音楽が奏でられています。そして有名な作曲家・音楽家に縁のある地域ごとに特色ある音楽祭が開かれています。

クラシックのオーケストラコンサートだけではなく、街の教会では聖歌隊にパイプオルガンコンサート、アンサンブルコンサートもあれば、オペラもあり。全ての舞台で、音楽を楽しめます。

街中のあちこちの歴史的建造物で連日開催される多彩なプログラム、「街をあげての長期音楽祭」は、休暇の時期に重なることも多いため、在独中だからこそ、ちょっとそこまで感覚や小旅行気分で行けるドイツ国内の音楽祭をぜひ一度体験してみてください。

Schlossfestspiele Schwerin シュヴェリーン城音楽祭

Schlossfestspiele im Schlossinnenhof (c) Silke Winkler

Schwerin シュヴェリーン

1993年から始まった夏のシーズンのシュヴェリーン野外オペラ音楽祭。通常5月、6月ごろから始まり、期間は10週間と長く、さまざまなプログラムが魅力です。

ブラームス、メンデルスゾーン、ベートーヴェンなどのドイツの作曲家作品が多く演奏されるクラックコンサートや、城と美しい湖の自然を背景にオペラ、ミュージカル、バレエなども上演されます。

2025年 5月15日~8月3日

2025年は、プログラムの中でも、三島由紀夫の近代能楽集の「班女」*を原作とした、細川俊夫脚本のオペラ「Hanjo」は必見です。(ドイツ語字幕)*作者不明だが世阿弥作だという説があります。

Die Dresdner Musikfestspieleドレスデン音楽祭

FrauenKirchen (c) Oliver Killig

Dresden ドレスデン

1978年から始まった歴史ある音楽祭で、通常5月、6月に開催されます。音楽祭の会場は市内のあちこちに設置され、まさに街をあげての音楽祭。公演内容もクラシックコンサートだけに限らず、ワールドミュージックやモダンな音楽も取り入れ、オペラにダンスに、と芸術を楽しめます。

世界的にも有名ですが、日本でも人気の高い音楽祭のひとつ。毎年特定のテーマを掲げているので、全ての年で印象が違うので毎年通う人も多くいます。

2025年 5月17日~6月14日

世界各地の有名交響楽団が演奏します。2025年は日本の「NHK交響楽団」がオープニングに。ザクセン州立歌劇場はもちろん、文化宮殿、ヴァッカーバルト城、など歴史あるドレスデンの建築物でコンサートを開催します。

Bachfest Leipzig ライプツィヒ・バッハ音楽祭

ThomasKirchen (c) Wolfgang_Claussen_Pixabay

Leipzig ライプチヒ

1904年にはじまり、その4年後の1908年に公式に毎年開催となった音楽祭のヨハン・セバスチャン・バッハの功績を称える音楽祭です。1999年からは毎年違うテーマでバッハの音楽を探求します。毎年6月ごろの夏の期間に開催されます。

彼が生前活動していたライプツィヒの歴史的な会場で開催されます。国際的に著名なアーティストや合唱団が集まり、聖トーマス教会など、バッハゆかりの地で演奏を披露します。

音楽祭開催中に様々な側面からバッハについて学ぶガイドツアーも多く、バッハファンには見逃せない音楽祭です。

2025年 6月12日~6月22日

2025年のテーマはTransformationです。 203ものプログラムが開催されますが、そのなかでも少し変わったプログラムをご紹介します。

開催場所は、かつてバッハがプライベートでBose一家とコンサートを開いた場所。ARゴーグルをかけて、チェンバロのコンサートを聴きながら彼の人生について思いを馳せる’J. S. Bach live im Konzert’ 。それともバッハの音楽を奏でるトラムに乗ってライプチヒ市内を楽しむ’ Bereitet die Wege, bereitet die Bahn ’もおすすめです。

Musikfestspiele Potsdam Sanssouci サンスーシ宮殿音楽祭

Oper L’HUOMO im Schlosstheater Neuen Palais 2023  (c) Stefan Gloede

Potsdam ポツダム

1954 年に始まったサンスーシ公園音楽祭から由来し、時代の移り変わりで会場や運営を変え1991年より現在の形ではじまりました。

毎年6月から3週間近くにわたり、国際的に有名なオーケストラやソリストとのコンサート、現代音楽、オペラなどが新宮殿やフリーデン教会、野外劇場などで上演されます。ロココ建築の壮麗さと麗しい芸術に浸ってみてはいかがでしょう。

2025年6月13日〜-29日 

Bayreuther Festspiele バイロイト音楽祭

Festspielhaus Bayreuth

Festspielhaus Bayreuth (c) Meike Kratzer

Bayreuth バイロイト

その歴史は古く1876年からはじまり、1951年からは毎年行われる音楽祭です。通常7月末から8月末までの約1ヶ月程度にわたり開催されます。

リヒャルト・ワーグナーが設計したバイロイト祝祭劇場で、彼自身のオペラ作品だけを上演することで知られる、オペラ愛好者やワーグナーファンを魅了し続ける人気音楽祭です。

2025年7月25日~8月28日

2025年のプログラムはこちらのリンクでご覧いただけます。 https://issuu.com/bayreutherfestspiele/docs/bayreuth_spielzeit2025_de

Beethovenfest Bonn ボン・ベートーヴェン音楽祭

Beethovenfest Bonn (c) Michael-Staab_Beethovenfest-Bonn

Bonn ボン

1845年にベートーヴェンの生誕75年を祝し開催された音楽祭がはじまりで、1931年から毎年開催されるようになりました。通常8月〜10月の暑い季節に行われますが、生誕250年の2020年にはベートーヴェンが逝去した3月に行われました。

ベートーヴェンの生誕地ボンに、世界中からオーケストラやソリストが集まり、ベートーヴェンの音楽遺産を通じて新しい表現と伝統の融合を体験できる音楽祭です。

2025年8月22日~9月14日


ちなみに、チケットが購入しづらい人気の音楽祭もあれば、予約せずに入れて聴けるタイプの屋外コンサートもあるので、行ってみたい音楽祭が見つかったら少し早めのチケット購入や予定をたてるとベターです。




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