お買い得品ゲットのチャンス!ドイツのブラック・フライデー

アドベントが近づき、クリスマスの買い物シーズンの幕開けとなるブラック・フライデー。米国では2005年以来、1年で最も忙しいショッピングの日として知られるブラック・フライデーですが、ドイツでもブラック・フライデー、ブラック・ウィーク、サイバー・マンデーなどの世界最大のショッピングイベントは、小売およびインターネット販売の売り上げを後押ししているようです。 *記事執筆時2021年のブラック・フライデーは11月26日です。

ブラック・フライデーとは?

2008年11月のターゲットでのブラック・フライデー

ブラック・フライデー(Black Friday )は、米国では感謝祭(Thanksgiving )の後の金曜日にあたります。

©︎jillWellington-pixabay

感謝祭は常に11月の第4木曜日に行われるため、伝統的なそれに続く金曜日は家族と過ごす週末の始まりであり、同時にクリスマスの買い物シーズンの始まりとも見なされます。

端的に言うと、ブラック・フライデーは、大幅な割引に焦点を当てた小売店を中心とした販売イベントであり、人々に製品の購入を促すことを目的とするイベントです。

というのも、ほとんどのアメリカ人はこの日を「週末への橋渡しの日」として休暇を取り、シーズン最初のクリスマスショッピングを行うため、たくさんのショップで大きな売り上げがあがるからです。

多くのショップやチェーンストアは早朝(多くは朝5時)にオープンし、特別オファーや大幅割引、景品などを提供します。 そのため、前夜から掘り出し物を狙う人々で店の前に行列ができたりもするそうです。

リアルの店舗ではもちろんのこと、多くの先進国ではインターネット上のウエブショップなどでも同じタイミングでブラック・フライデーが開催されています。

サイバー・マンデーとは

サイバー・マンデーはマーケティング用語であり、オンラインショップでのクリスマスセールの開始を表します。
サイバー・マンデーという用語は、やはり北米の影響を強く受けています。日は常に感謝祭(11月の第4木曜日)の翌週の月曜日であるため、年によって11月26日から12月2日の間にあたります。サイバー・マンデーは、従来のブラック・フライデー(感謝祭の後の金曜日)に対するオンラインショップの答えであり、リアル店舗の小売業者によって開始されました。

サイバー・マンデーに、各種オンラインショップは消費者を引き付けるために割引を提供し、 近年、ますます人気が高まっています。 2010年以降、サイバー・マンデーはヨーロッパでも一部のアメリカのオンラインショップによって喧伝されており、特にドイツではアマゾンによって強くアピールされています。

2013年、米国でのサイバー・マンデーのオンライン売上高は前年比20.6%増加し、22.9億ドルの記録的な売上高を記録しました。

ブラック・フライデーの売上高

ブラック・フライデーの売上高は、米国のクリスマスビジネスの重要な指標として機能しているそうです。

例えば、2014年には、4日間のブラックフライデーの週末で509億ドルが売り上げられましたが、これは前年に比べて11%の減少でした。

計算によると、2014年には約1億3400万人が買い物をしたと言われており、1億4100万人の人がショッピングしたとして記録されていた2013年と比較して5.2%減少しています。

また2017年には、アメリカ人はブラック・フライデーの前後で約80億ドルを費やしました。これは、前年と比較して18%の増加でしたが、合衆国ではブラック・フライデーにおける購買力はこの当時は少し低調だったようです。

感謝祭、ブラック・フライデー、サイバー・マンデーのオンライン販売は、2020年に米国で再び増加しました。 ブラック・フライデーの売上高は、前年比で約26%増加しました。

しかし、売上高が最も高かった日はサイバー・マンデーで、合計で約98.1億米ドルが販売されました。

なぜ「黒い」金曜日?

なぜこの売り上げの上がる金曜日を「黒い金曜日」と呼ぶのでしょうか?

ふたつの理由とされている由来をご紹介しましょう。

  1. 通りやショッピングセンターに集まる群衆が、遠くから見るとひとつの黒い塊のように見える、という事実に由来している
  2. 多くの小売業者は赤字から抜け出し、黒字になるチャンスがあるから

ドイツのブラック・フライデー

ブラック・フライデーは2013年以来、ドイツでも大規模に開催されています。

実は、ドイツで最初にブラック・フライデーを実行したのはApple社だと言われています。

2006年、Apple社はブラック・フライデーに割引することをアピールした最初の会社でした。 この当時Apple社は、ドイツではブラック・フライデーという名前を使いませんでしたが、2012年頃に「1日のショッピングイベント」について言及したことがありますが、このイベントは、その後数年で急速に人気を博すことになりました。

2013年には、500ほどの小売業者が広告ポータルを通してブラック・フライデーのオファーをPRしました。

2017年には、ドイツ人の8パーセントがすでにブラック・フライデーについて詳しく知っており、60パーセントがその日に買い物をする気満々でした。

2018年、ドイツでのブラック・フライデーとサイバー・マンデーの認知度に関する調査では、調査対象者の94%がブラック・フライデーのキャンペーンを知っていると回答しました。

ブラックフライデー商標登録問題

ところで、ドイツでは「ブラックフライデー」という名称は、2014年1月に中国企業のSuper Union Holdings Ltd.が、ドイツ特許商標庁ワードマークの権利確保に成功しました。したがって、この用語は、ブラックフライデー社(blackfridaysale.deの運営者)がドイツ国内でのみ使用することができます。

2016年に電子・電気製品のセールでなら商標権が取り消されたので使えるとのことですが・・・そもそもブラックフライデーってバレンタインデーや元旦なんかと同じ一般的に使われる単語。 今も論争と法的紛争が続いているので、一部の商品マーケットでは念のためにブラックフライデーではなく、ブラックウィークエンドなど別の単語を使っていることもあります。

好調なドイツでの売上高

ドイツの小売業者がブラック・フライデーで達成する売上高は前向きに伸びています。

2014年、オンライン小売業者全体でのブラック・フライデーの売上高は2億9600万ユーロと推定され、2013年と比較して15.6%増加しました。

また、決済会社のKlarnaによると、ブラック・フライデーにおけるオンラインでの購入は通常の金曜日と比較して64%増加しているそうです。

RetailMeNot社がCenterfor Retail Research社と共同で行った、ドイツのブラック・フライデーの週末のeコマース売上予測に関する調査によると、ブラック・フライデーの売上高は2016年に3億6000万ユーロ、ブラックフライデーの週末全体では10億ユーロを超えました。

2017年のブラックフライデーの週末に、専門家は13億ユーロの売上高を予想しました。ドイツ小売協会(HDE)は、ブラックフライデーの週末の売上高が2018年には24億ユーロ、2019年には31億ユーロに増加すると予測しました。

アマゾンでは、すでにアーリー・ブラックフライデーとして、先取りお買い得オファーもあるようです。(実際いつからいつまでブラックフライデーなのか、、、と思ってしまいますよね)

業界別の光と影

新型コロナウィルスの影響で、オンラインショッピングがますます盛んになっている昨今はどうなっているのでしょうか?

2019年と比較して2020年に最高のブラック・フライデーの売り上げをあげた業界・販売部門は:

マルチカテゴリのオファー―

Amazonが提供するものなど、さまざまな製品カテゴリー

テクノロジー

GSGによると、166.98%の増加で、この分野は最も強い需要を記録

 家庭用品や園芸用品

女性のファッション、スポーツ、アウトドア

比較期間で78.84%の成長

ドイツ国内の購買者一人当たりの平均注文額は、2019年の127.70ユーロから2020年には119.76ユーロに減少しましたが、上記の分野は近隣のヨーロッパ諸国でも人気があり、onlinemarketing.deによる推定では、ブラック・フライデー一日だけで、通常ひと月平均に相当するほどの多くの電子機器が購入され、売上高は2019年の前年より56%増加しました。

2020年のブラック・フライデーとサイバー・マンデーのキャンペーン期間中、ドイツ小売協会(HDE)は、ドイツのオンラインでの買い物客による37億ユーロの支出を算出しています。前年、オンライン消費者はその2日間で31億ユーロを消費しました。

一方、旅行とレジャーのビジネスは、コロナ危機のためにブラック・フライデーでも多くをあきらめなければならず、それぞれマイナス67.50パーセントとマイナス76.98パーセントでした。

さて、今年は何を買いますか?




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