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ドイツの食品ラベル「Nutri-Score」と「Haltungsform」とは?スーパーで失敗しない食品選びの「ものさし」

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ドイツのスーパーで買い物をしているとき、食品パッケージに付いている緑や赤の「A〜Eのアルファベット(Nutri-Score)」や、お肉のパックにある「1〜5の数字(Haltungsform)」を見たことはありませんか?
どちらも一見すると「商品の良し悪しを評価する点数」のようですが、実はまったく別のことを表しています。
Nutri-Scoreが教えてくれるのは、「食品の栄養面」。一方、Haltungsformが示しているのは、「肉となった動物がどのような環境で飼育されていたか」です。では、「A」の食品を選び、肉なら「5」を選べば、それが一番「良い食品」ということなのでしょうか?
今回は、ドイツのスーパーの商品棚にあるさまざまな表示から、食品を選ぶための「ものさし」について考えてみます。

「A」なら健康的? Nutri-Scoreの読み方

(c)Nutri-Score – Nuetral communication logo

まずスーパーで見つけやすいのが、食品パッケージの表面に付いているNutri-Score。

食品の栄養成分を一目で比較できるようにするための表示です。

濃い緑のAから始まり、

A・B・C・D・E

の5段階となっています。

Aに近いほど、その食品カテゴリーの中で栄養面から見てより好ましい構成であることを示します。

ドイツでは2020年から使用できるようになりました。

評価は食品100グラム、または飲料100ミリリットルを基準として計算されます。

計算には、

  • エネルギー量
  • 糖類
  • 飽和脂肪酸
  • 塩分

などの要素と、

  • 食物繊維
  • たんぱく質
  • 野菜や果物、豆類など

の要素が使われます。

これらを一定のルールで点数化し、最終的にA~Eの5段階で表示します。

2024年からは計算方法も改定されました。糖分や塩分が多い食品は以前より厳しく評価される一方、食物繊維の多い全粒穀物などは区別しやすくなっています。

飲料についても計算方法が変わり、現在は水だけがAを取得できます。

「A=健康食品」ではない

ここで気をつけたいのが、

Nutri-ScoreのAは、「この食品は健康に良い」という認定ではない

ということです。

Nutri-Scoreが特に役立つのは、似たような食品を比べるときです。

たとえばスーパーで朝食用のシリアルを選ぶとします。見た目はよく似ていても、

商品A → Nutri-Score B
商品B → Nutri-Score D

となっていれば、糖分や食物繊維などを含めた栄養構成に違いがあることが一目で分かります。

しかし当然ながら、スコアAのピザが、Dのヨーグルトより健康的というわけではありません。

あくまで、ヨーグルト同士、ピザ同士、シリアル同士というように、同じような商品を比較するための目安と考えると分かりやすいでしょう。

ですから、「スコアがAの食品だけを買えば健康的な食生活になる」という意味ではありません。

また、野菜や果物など、そもそもNutri-Scoreが付いていない食品もあります。

大切なのは食生活全体であり、Nutri-Scoreはその中で商品を比較するための一つの道具なのです。

「5」のほうがいい? Haltungsformの読み方

Haltungsform mark

Haltungsformマーク ”www.haltungsform.de, Gesellschaft zur Förderung des Tierwohls in der Nutztierhaltung mbH

肉売り場に行くと、今度は数字が登場します。Haltungsformです。

もともとは4段階でしたが、現在は5段階で、以下のような基準となっています。

数字が大きくなるほど、飼育スペースや屋外へのアクセスなど、より高い飼育基準が設定されています。

Haltungsformの数字の意味

数 意味 飼育基準
1 Stall
(畜舎飼い)
一般的な畜舎内での飼育。
2 Stall + Platz
(畜舎飼い+より広いスペース)
1よりも広いスペースなど、追加の飼育条件が設けられている。
3 Frischluftstall
(外気に触れられる畜舎)
外気に触れられる畜舎や、屋外気候エリアなどを利用できる飼育。
4 Auslauf/ Weide
(屋外/放牧)
屋外スペースや放牧地へのアクセスがある飼育。
5 Bio
(有機飼育)
EUの有機農業基準に基づく飼育。飼育環境だけでなく、飼料などについてもBioの規則が適用される。

 

このHaltungsformは、肉となった動物がどのような環境で飼育されていたのかを、消費者が分かりやすく比較するために小売業界が導入した表示です。

ただし、この5段階は「肉のおいしさ」を評価したものではありません。

また、肉そのものの栄養価を評価しているわけでもありません。

あくまで、「その動物がどのような条件で飼育されていたのか」を知るための表示です。

ラベルがあれば、より良い商品を選べる?

NUTRI-SCOR sample

NUTRI-SCORE 一例

以上のように、

Nutri-Score → Aに近いほうが栄養面で好ましい
Haltungsform → 5に近いほうが飼育条件の基準が高い

という風に、スーパーには「A~E」と「1~5」のまったく違う二つの「ものさし」が並んでいます。この説明を聞くと、

Nutri-Scoreは「A」、肉ならHaltungsformは「5」を選べばいいのでは?

と思うかもしれません。ところが、食品選びはそれほど単純ではありません。

Nutri-ScoreがAでもBioとは限りませんし、Bioの商品だから栄養面で優れているとも限りません。

Haltungsformも動物の飼育環境を示すもので、栄養価や産地まで分かるわけではありません。

食品ラベルが示すこと

つまり、一つのラベルだけで、その食品の「良さ」を判断することはできないのです。

ドイツの食品には、このほかにもBioマーク、原産地、栄養成分、フェアトレードなど、さまざまな情報が表示されています。

大切なのは、それぞれの表示が「何を示しているのか」を知ることです。

マーク 何を示しているか・目的
Nutri-Score 栄養を比較するなら
Haltungsform 動物の飼育環境を見るなら
Bioマーク 生産方法を重視するなら
産地表示 地域や国を重視するなら

 

ラベルは「これを買うのが正解」と教えてくれるものではなく、自分が大切にしたい基準で商品を選ぶための情報です。

栄養、動物福祉、環境、産地、価格、味などなど、何を重視するかは人それぞれ。

ドイツのスーパーの商品棚には、そんな「自分で選ぶ」ためのさまざまな情報が並んでいるのです。

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Tsune
ドイツをはじめとするヨーロッパ関連の技術・市場調査を専門とし、専門的なテーマから身近な話題まで、わかりやすい情報発信を行っています。