ドイツ就職日記(1):院生がドイツ企業でインターン

私はドイツの経営系大学院を卒業後、ドイツの大手メーカーで3年勤め、その後32歳の時に在独日系企業に転職することとなります。今回からのシリーズでは、私がドイツの大手メーカーに内定を勝ち取った経緯、仕事内容、辞めるに至ったキッカケや在独日系企業に転職した理由などについて記載していきます。

経歴 場所
2007年 日本の四年制大学卒業 日本
2010年 日本の専門商社を退職 日本
2011年 ドイツの経営大学院入学 ドイツ
2014年 ドイツの経営大学院卒業 ドイツ
2014年 ドイツの大手メーカーに就職 ドイツ
2017年 ドイツの日系メーカーに転職 ドイツ

ドイツ就職:学生インターンの必要性

2017年初春、ドイツの大学院卒業を半年後に控えた当時大学院2年生だった私は、卒業後にドイツで就職するための就職活動をはじめる必要に迫られていました。

実務経験の浅いドイツの学生にとって、就職活動においてインターンの持つ重要性は無視できません。私のように日本で実務経験があっても、ドイツ企業からしたら「それってドイツで活躍できることとは見なせないよね?」と捉えられてしまいます。

そのため、私もドイツの大学院(経営学:BWL)卒業前に、まずは難易度の(比較的)低いこのインターン制度を利用し、ドイツ企業での実務経験を補うこととしました。ちなみに、当時の私はドイツの企業とのコネなど全くない状況で、手探りで就活をはじめることとなります。

手探りのスケジュール

インターンをはじめるにあたってまず障壁となったのが、大学側の卒業スケジュールのアレンジです。理論的にはインターンをしながら卒論を書く事も可能ですが、自分のキャパシティ的に難しいと判断し、卒論の単位だけ残し、その前の半年をインターンにあて、大学は休学することとしました。

ちなみに、卒論は(私の大学では)オフィシャルな申し込みを行った瞬間から提出のタイムカウントが始まることとなるため、極端な話、休学中に卒論を仕上げておいて、翌セメスターが始まった瞬間に提出し、卒業するという荒業も可能です(私はしませんでしたが)。

さて、いざ休学申請しようと思うと、思わぬ難題に遭遇します。休学申請のためには「休学申請のための証拠」が必要であり、インターンを理由に休学をするのであればインターン契約書を提出しろと学生課に言われます。この辺のスケジュールは中々難しいところが多く、要するに休学申請の期限である翌セメスターの開始までにインターン先を確保しなくては休学できないというわけです。そのため、期末試験に追われる中、私は急ピッチでインターン先探しを始めることとしました。

応募の方法

インターンの応募方法にはいくつかあり、一番使われるのは「WEBサイトを通じた応募」です。Indeedにしろ、LinkedInにしろ、数多くのインターン向けの求人が並んでおり、ここに手あたり次第に応募するのが一つの方法です。

また、大学の掲示板にも地元企業の求人が並びます。もっとも、大手でない地元の企業は競争率の低いメリットもありますが、保守的な部分が拭えず、中々我々のような日本人がインターンを得るのは難しい印象でした。

私の場合、BWL(経営学)系の専攻で、インターン応募時の成績は2年生の半分を終わった段階でギリギリ3.0以上でした(卒論を除く)。この状況で、東アジアを含め多国籍展開をおこなっているコンサルやフォワーダー、メーカーなどを中心に数十社インターンに申し込み、結果として4社から面接に呼ばれることとなりました。

インターン面接

インターンの面接は対人でおこなわれることが多く、場合によっては片道数時間かけて面接企業に向かいます(交通費は企業が出してくれることが多い)。面接に呼ばれるということは企業側も時間とコストの負担が発生するので、それなりに企業も応募者に興味を持ってくれていると言えます。少なくとも書類上は問題ないという事なので、あとは面接時にいかに自身を明るくアピールできるかがポイントと言えるでしょう。

私の場合、大学院でロジスティック系の専攻をおこなっていて、その専攻に関しては上位15%に入るくらいの成績だったため、そこをアピールポイントとしました。また、日本でのサラリーマン時代に専門商社である程度の貿易の実務経験を身に着けていたポイント、特に中国やインドネシアとの貿易経験がある点も強みとして活用し、高評価を得ました。

逆に、自身のドイツ語はやはり弱点として認識していたため、ドイツ語での面接の練習は友人と幾度かシミュレーションしておこなってからいきました。また、分からない、聞き取れなかった質問ははっきり「分からなかった」と伝えることを軸にしました。

ドイツの各州を飛び回り、体力的に疲れが見えてきたころ、最初に受けた面接先から、正式にオファーを出したいという旨の電話がかかってきました。

まとめ:

  • 大学院生にとって専門の成績は重要。上位15%程度あると高評価
  • 面接に呼ばれる確率は10%程度
  • 一度面接に呼ばれたら高確率でインターンのポジションを確保できる

【続く】




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