声に出して読みたい ドイツ農家 季節のことば12ヶ月 6月編

6月は、日本では梅雨入りの季節ですね。ドイツでも6月に降る雨は、農産物に恵をもたらすものとして歓迎されているようです。以下に6月に関するドイツの決り文句をご紹介します。どれも語呂がよいので、ぜひ口にして、その響きの楽しさを味わってくださいね。これでドイツ語上達まちがいなし!

6月をテーマにした農民のルール

6月のドイツの平均気温は17度前後。日本に比べるとちょっと肌寒い印象です。 南部では比較的雨が降ることも多く、一日のうちにお天気も変わりやすいようです。 そんな6月の農民のルールをご紹介します。

Was es in die Rosen regnet, wird den Feldern mehr gesegnet.

©️Pixabay-schneeknirschen

カタカナ発音: ヴァス・イン・ディー・ローゼン・レーグネット、ヴィルド・デン・フェルダーン・メア・ゲゼーグネット

直訳:「バラに雨が降ることで、野原がより祝福される」

説明:ドイツでは5月から6月にかけて、あちこちでバラが美しく咲き乱れます。そのバラに雨が降ることで、野原の草木もよく茂り、祝福を受けることになります。

「雨が降る」という動詞の三人称である「レーグネット」と、「祝福を受ける」の「ゲゼーグネット」が韻を踏んでいます。

Soll gedeihen Korn und Wein, muss im Juni Wärme sein.

©️PixabayJill Wellington

カタカナ発音:ゾル・ゲダイエン・コルン・ウント・ヴァイン、ムス・イム・ユニ・ヴェアメ・ザイン

直訳: 「穀物とワインがよく茂るためには、6月に暖かさがなければならない」

説明:ドイツでは年によって6月もあまり気温が上がらず、肌寒い日々が続くこともまれではありません。

そんな年には農作物の収穫もあまり思わしくないようです。 ワインという意味の「ヴァイン」と、ドイツ語のBe動詞の原型「ザイン」が韻を踏んでいますね。

Regnet’s am Siebenschläfertag, es noch sieben Wochen regnen mag.

https://en.wikipedia.org/wiki/Seven_Sleepers#/media/File:Seven_sleepers_(Menologion_of_Basil_II).jpg Константинополь. 985 г. Миниатюра Минология Василия II. Ватиканская библиотека. Рим.

カタカナ発音:レーグネッツ・アム・ジーベンシュレーファーターク、エス・ノッホ・ジーベン・ヴォッヘン・レーグネン・マーク

直訳:「7人の眠り男の日に雨が降ると、さらに7週間雨が降る可能性がある」

説明: 説明:6月27日はいわゆる「エフィソスの7人の眠り男」の日です。

初期のキリスト教の伝説にその起源があるとされています。

7人の若いキリスト教徒が、デキウス帝(249–251)の下でのクリスチャンの迫害中に、エフェソス近くの山の洞窟(現在のトルコに遺跡があるそうです)に隠れましたが、そのまま眠りこんでしまいました。

目を覚まし町に出てみると、知人は誰一人おらず、持っていたお金でパンを買おうとしたら、時は約200年後の、4世紀後半のテオドシウス帝の時代になっていたということです。

この「7人の眠り男」のルールは、南ドイツ地方で最もよく知られている農民のルールの1つです。このルールは、約3分の2の確率で実現するようです。「7人の眠り男の日」の、「日」を意味する「ターク」と、助動詞「mögenメーゲン」の三人称単数形の直接法現在である「マーク」が韻を踏んでいます。

おまけ

©️pixabay_austromat

前述の農民のルールに出てきたドイツ語 Siebenschläfer は、げっ歯類の動物であるヤマネという意味もありますが、これは農家のルールとは特に関係はありません。 なぜヤマネにこんな名前がついたのか、それも不思議ですね。

いずれにしろ、6月から8月にかけては、ドイツで最も温かく、ビヤガルテンやハイキング、スイミング、日光浴、バーベキューと、戸外でのレクリエーションも楽しい季節です。 ドイツの夏をぜひ楽しく過ごしてくださいね。




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