医療マスク、FFP2マスクの再利用(滅菌)方法と複数回使用する方法

2021年1月18日から市内の小売店などへの入店や公共交通機関を利用する場合は、必ずFFP2規格以上のマスク(または同等)の着用が義務付けられました。 現時点2021年6月ではすでに簡単に入手できるようになっています。* 1枚1EUR程度〜安価になると数十セントですが、環境のためにも、安全のためにもFFP2マスクの再利用(滅菌)方法と複数回使用する方法を調べました。 (*2021年06月10日追記

FFP2マスクとは

日本、欧州、そしてアメリカにも独自の使い捨てマスクの国際規格(医療用、呼吸器(NIOSH)など)があります。

FF Pとは、防塵に適したマスクのためのEN規格をFFP ( Filtering Face Piece) で表したものです。ドイツでFFPと並んでよく聞くN95はアメリカの規格で「耐油性が無い呼吸器防護マスク」という意味になります。ちなみにKN95は中国版の規格でアメリカのN 95に準拠するものです。

下のテーブル内の黄色枠のマスクなら条件を満たしているので、基本的には利用可能なはずです。
*一部マスクに規格の認証が書いてないと不可という説もありますが・・・

使い捨て防塵マスク 国際規格
微粒子の濾過率が
欧州
EN規格
日本
検定規格
米国
呼吸器防護規格
FFP1
80%以上
DS1
80%以上
N95
95%以上
FFP2
94%以上
DS2
95%以上
N99
99%以上
FFP3
99%以上
DS3
99.9%以上
N100
959.7%以上

* FFPはFiltering Face Pieceの略で、DSはDisposal Solidの略になります。

購入方法

薬局やドラッグストア、オンライン通販での購入が可能ですが、現在すでに売り切れや価格が高くなってしまっていたり、購入出来たと思ったら配送が3週間後(!)という異常な事態になっています。

現在2021年2月中旬では各スーパーマーケットなどでも1EUR以下前後で販売されているので、入手しやすくなっています。

どうしても入手出来なかった場合は、まずはオンラインで2枚だけ、1枚だけ購入すると比較的早めに配送されます。 その間に複数枚、数十枚、と注文して届くまで耐え凌ぐしかないかもしれません。

また、転売か、はたまた業者の別アカウントかは分かりませんが、各種通販ショップや個人売買サイトなどでもマスクが販売されています。 1月18日から1週間は移行期間として罰金などは発生しませんが、とにかくまずは数枚入手出来るようにしましょう。

2021年6月現在では、ファッション目的のためのカラーFFP2マスクも気軽に購入できるようになりました。

FFP2マスクを長く使い続けるために

不織布マスクは中性洗剤で洗えば10回程度は形を崩さずに、清潔に再利用することが可能ですが、FFP2マスクは中性洗剤で洗浄ではなくオーブンなどで温める(ウイルスを殺菌する)ことで最大5回まで再利用が可能です。

7日間殺菌期間を設ける

応用科学大学とミュンスター大学の共同研究プロジェクトによると、FFP2マスクを7日間乾燥させると、ほとんどすべての感染性コロナウイルスが消失することが明らかになりました。そのため

  • マスクを7つ用意する
  • 毎日違うマスクを利用する(*月曜日用のマスク、火曜日用のマスクなど決めておく
  • 5週間後にはまた別の7セットで使い回しをする

*マスクには7つの違ったマークや目印をつけておいたり、保管するジップロックや袋に目印をつけておくのが良いかもしれません。

*ジップロック内では乾燥しないのでは?という意見もありますが、7枚全部離れた場所で保管は難しいので、使用後にヒーターや暖房器など乾燥している窓辺に1日干す=または次の日まで袋は開いたままで乾燥させつつ保管。 →翌日きちんと保管なら良いのではないかと思います。(自己責任で)

注意:一度使ったマスクは、他のマスクとは離れた場所や、ジップロックなど*で(万が一付着している)ウイルスがうつらないように保管しておくこと。
*ジップロックの蓋はせずに一時的に隔離した後は風にさらして2日間程度置いておく
FFP2マスクの管理に役立つ無料ダウンロード・シール
なんとなく使用回数を途中で忘れてしまいそうだったので、FFP2マスク保管用のシールを作りました。 シールの使い方とダウンロード出来る記事はこちらから

オーブンで殺菌

また、FFP2のマスクは80度程度のオーブンで1時間殺菌すると、最大5回までよく再加工できることも研究で明らかになりました。温度と時間はとても重要なポイントで、温度が低いと殺菌できず、高すぎるとマスクが痛むので、注意しつつ消毒してください。

*元の記事 引用した記事のリンク: https://www.fh-muenster.de/gesundheit/forschung/forschungsprojekte/moeglichkeiten-und-grenzen-der-eigenverantwortlichen-wiederverwendung-von-ffp2-masken-im-privatgebrauch/index.php

そのほかのマスクの種類

色々言われても違いが分かりにくいマスクの種類。 簡単に分類すると、医療用マスクは不織布で出来ており飛沫を防ぐもの、エアロゾルも防ぐもの、完全に防塵タイプのもの、油性タイプなどなど、色々な用途と目的に分けた形で作られています。

ものすごく大雑把に分類すると、医療用マスクは飛沫を防ぎ、エアロゾルは防がない。 FFP2マスクやN95マスクタイプはエアロゾルも防ぐ。という感じになるかもしれません。(正しくは違うかもしれませんが)

medizinische Mund-Nasen-Maske 医療用マスク

英語でサージカルマスク(Surgial mask)で、不織布を使った3層タイプのものなど色々あります。 日本の花粉対策のマスクもほぼ同等ではないかと思いますが、日本には規格が無いので使用許可が下りにくいのかもしれません(*要確認) アメリカ規格のASTMのタイプをよく見かけます。

基本的に液体(飛沫)を防ぎますが、エアロゾルを防ぎません。

きちんと装着していたら相手からの飛沫も防ぎますが、隙間があったり鼻を出していると防げません。

*ASTM International(国際標準化・規格設定機関)の規格

OP-mask 手術用マスク

医療用マスクですが、特に手術用マスクのこと。 医療用マスクと基本的な作り・性能は同じです。

N95

FFP2マスクの説明内でも記述した通り、FFP2のアメリカ規格版のマスクです。 医療用マスクよりさらに小さな粒子を防ぎます。

*NIOSH:National Institute for Occupational Safety and Health 米国労働安全衛生研究所の規格

KN95

こちらは上のアメリカ規格のN95と同等の中国規格のマスクです。 コロナ以前はアメリカでは認められていなかったそうですが、N95の代替え品として認められるようになりました。 安価な面もある反面、粗悪品も半分くらい、、、という感じなので、一長一短かもしれません。

*SAWS 中国国家安全生産監督管理総局の規格

N95, KN95、サージカルマスクについてのさらに詳しい情報:
医療用マスクのちがい/https://www.medius.co.jp/asourcenavi/mask/

不織布やFFP2マスクと付き合っていく生活 ー 肌が弱いタイプの人には

不織布マスクやFFP2マスクだと、どうしても肌が荒れてしまうタイプの人はいませんか? 私は肌が痒くなるタイプなので、内側に薄いガーゼを挟みこんで使ったり、キッチンペーパーを一枚肌とマスクの間に挟み込んでいます。

ただし、隙間が出来たり、きちんと装着出来ない厚さのものは挟み込まないよう気をつけてくださいね。

私の場合は、肌荒れの予防に効果があったので、困っている方は試してみてください。

世界初・マスクの種類別予防効果のシミュレーション結果

ところで、マスクといえば、日本(アジア)。 スーパーコンピューター「富岳」を使ったシミュレーション結果で判明したマスクの種類別予防効果の違いが発表されました。

簡単に区別するなら息がしやすいと防御力ダウンということで、なんとなく想像に難くない結果ですが、百聞は一見に如かず。 布マスクに不織布を挟むのが、最高に防御力が高くて肌に優しいのではないかと個人的には思いました。

マスクの効果
😷 吐き出し飛沫 吸い込み飛沫
何もなし 100% 100%
マスク
不織布
20% 30%
マスク
18-34% 55-65%
マスク
ウレタン
50% 60-70%

*テーブル内では実際に検証されたフェイスシールドの内容は省略しています。

布・不織布マスクの洗い方

布マスクの洗い方

ちなみに、今後活躍する機会が戻ってくるかどうかは分かりませんが・・・布マスクの洗い方は経済産業省の製作した布マスク洗い方動画もご覧ください。

不織布マスクの洗い方

こちらもまた活躍の時が来るかもしれないので、あわせて調べたら布マスクの洗い方と同じでした。不織布マスクはきちんと洗えば最大10回程度は再利用できるようです。

しっかり洗浄してもなんとなく布と違って、肌によくなさそうな気がする場合は、マスクと肌の間にガーゼや布を挟み込んで使うと良いかもしれません。

また不織布は利用する繊維にもよりますが、環境にはあまり良くないこともあります。 もし規制が変わって布マスクの利用も可能になった場合は、布マスクの真ん中に不織布を挟めるタイプの「ポケット付き立体マスク」がもっと販売されれば良いなと思っています。

ポケット付き立体マスクの作り方

「ポケット付き立体マスク」を頑張って作ったら、(医療用マスク)FFP2マスク限定になったので出番がなかったのですが、作り方を参考にした動画はこちらです。

マスクの利用ももちろん大事ですが、一番大切なのは密を避けて、手洗いをきちんとして、必要最低限の外出を当分は心がけること。 そして、何より健康でいるために毎日少しでも体を動かしたり、心の健康を保つことが一番大切です。

みなさま、気をつけて、健康に毎日を過ごしてくださいね。




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