ドイツで山を楽しむ心得〜ドイツアルプス・登山からハイキングまで 

なぜ、人は山に登るのか? その答えは実際に山に登ったことのある人しか分からないかもしれません。 日本の山も素敵ですが、せっかくのドイツ滞在中、ドイツの山々でハイキングをしたり、登山活動を楽しんだりしてみませんか? ドイツ国内の日本人・山の会もご紹介していますので、興味のある方は気軽に問いあわせてみてください。(NIPPONip 64号から一部抜粋)

ドイツの山

ドイツの山の掟は・・・特にはありません。 掟ではありませんが、例えば、狭い道などで道を譲り合ったり、挨拶をきちんとしたり、人様に迷惑をかけず、気持ちよく山を楽しむ人でいることが大事です。

欧州の山といえば、アルプス山脈が思い浮かぶ人もおおいのではないでしょうか?

アルプス山脈には、オーストリア・スロベニアを東端にイタリア、ドイツ、リヒテンシュタイン、スイス、そしてフランスを南西端に計6カ国にまたがる巨大な山脈です。 その中でも、ドイツアルプスはアルプス山脈の中の「北東アルプス山脈」に属しています。

ドイツにはBerg – 山、Gipfel – 峰を合わせて、およそ4809ほどあり、最高峰はアルプス山脈に属するZugspitze – ツークシュピッツェ。 北ドイツの最高峰は、ハルツ山地にあるBroken – ブロッケン山です。

ドイツの山の魅力、日本との違い

“Adlerhorst” am Gschöllkopf, Rofangebirge ©︎DAV/Steffen Reich

一言で言えば、お子様から老人までがさまざまな形で楽しめる場所。 誰でも行けるハイキングから上級者向けの登山もあります。

山での体験を満喫するための設備が整った山々が多いのが、ドイツの山の特徴です。 また、Ferienhaus(休暇の別荘ホテル)や、山中で小さなお子様のいる家族も楽しめるアトラクション(レンタル自転車、ボブスレー、自然のアスレチックなど)が充実しています。

設備されたコース

分かりやすい様に色分けされた初級、中級、上級のハイキングコースが設定されています。

お子様連れや体力に自信の無い方でもロープウェイで山頂まで登れる様な設備が整っている山も多くあり、個々のスタイルに合わせた形で「山登り」を楽しむことが出来ます。

山小屋

Reichenhaller Haus : ©︎DAV/Rudolf Schicht

設備が整っていて食事や地ビールが充実しているなど、それぞれの山小屋で特色があります。 整備された山小屋が要所にあるのは「楽しむための山」という概念が根底にあるからでしょう。

ちなみに、山小屋グルメを目標に山を登る人も少なくはないようです。

 

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Deutscher Alpenverein、略称DAV

これらの山小屋や、管理された安全なハイキングコースなどは、ドイツ山岳会(Deutscher Alpenverein、略称DAV)の存在も大きく関係しています。
1869年に創立され戦時下の紆余曲折を経て1952年に再興されました。

現在は世界最大の登山団体で、ドイツでは8番目に大きなスポーツ団体で、358もの地方支部で構成される協会です。

DAVではハイキングツアーのルートや詳しい歩き方なども提案しているので、ぜひウェブサイトを訪れてみてください。(ドイツ語のみ)

山の頂上の十字架の意味

ドイツ・オーストリア特有とも言えるBergkreuzまたはGipfelkreuz(山頂の十字架)を設置する慣習は700年以上前から続いています。

当時は純粋な宗教的背景から山や自然・神への敬意を表し、13世紀後半にはカトリック圏のアルプス山脈の山々に十字架が設置されました。

16世紀には、宗教的な意味合いが少し薄れ、高山の牧草地や集落の境界の目印として、十字架が建てられていきます。

測定器や避雷針が装備されたり、山頂への距離を測るのにも使われました。 そして、第二次世界大戦後にはまた宗教的な意味合いを取り戻し、戦没者を悼み、また帰還した人々によって感謝の意を込めて建てられたようです。最も多くの十字架が、この時期に設置されました。

ちなみに、ドイツは十字架ですが、イタリア南チロルの山中などでは、聖母像がよく見られます。

ドイツ山の会に入ってみよう

ハイキングや登山に、ひとりで行くのは少し不安。 せっかくなので少し難しいコースをみんなで登ってみたい時に、ドイツでも日本語で話せる登山やハイキングを一緒にするグループがいくつか存在します。

山の会に入る条件は、基本的に山が好き。誰かと一緒に楽しみたい、という気持ちが必須条件かもしれません。 ただし、装備や歩き方など分からないことがある時は事前に確認して、山中で困らない様に・誰かに迷惑をかけないように準備してから、参加しましょう。

デュッセルドルフ 山の会

活動内容

デュッセルドルフを起点にN R W州内を中心に活動している会員制のコミュニティです。NRW州内には高い山は御座いませんので、名前から想像される山登りと言うよりも森や丘のハイキンングが中心です。老若男女問わず参加され、歩き終えたらみんなでビールやケーキを堪能しております。

会から一言

ご興味お有りでしたら、まずはメールにてご連絡下さい。

対象 主に初心者〜中級者向け
時期 3月〜11月(8月除く)の毎月1回
連絡先 メール: dusyamanokai @ gmail.com
インスタグラムアカウント dusyamanokai

M.Y.K ミュンヘン山の会

活動内容

ミュンヘンを拠点に日帰りのハイキングツアーを催行するハイキングクラブです。特別なスキルは必要としませんが、参加いただくにはハイキングシューズ、リュックサック等のハイキング装備が必要です。

会から一言

美しいチロルアルプスの山歩きを愉快なメンバーと一緒に楽しみましょう!

対象 初心者〜中級者向けなど
参加者によりコースを選定
時期 月1回週末
連絡先 Facebook: M.Y.K [ ミュンヘン山の会 ]
インスタグラムアカウント muenchen_yk

ミュンヒェンなんちゃって山岳狂会 Möchtegernbergsteiger-Verein zu München

©︎ミュンヒェンなんちゃって山岳狂会

活動内容

バイエルンとチロル(※南チロル含む)を中心にその山と自然を満喫した日帰り登山。簡単な山歩き(Bergwandern)、山小屋巡りから岩登り(Klettersteig)までその時の参加メンバーに合わせてコースを決めています。

初夏または秋には南チロルなんちゃって登山合宿を実施することもあります。

会から一言

登頂達成よりも無病息災安全第一を心がけて無理なく登るためリベンジ登山も頻繁に行います。

山での出会いも大切にし、出会った人には「Griasdi / Griasdaich (Grüß Gott)」、「Seawus (Servus)」、「Hoabedere (Habe die Ehre」、「Pfiade / Pfiagod (Behüte dich Gott)」と挨拶をします。

登る山に合わせて「なんちゃって登山標準装備」(リストはメンバーへ配付)に各自の判断で追加装備を揃えて携行して下さい。自己責任と自他共栄の心を忘れずに。

対象 山の好きな人。
ただし、上級者には物足りないかも。
現在、参加者は還暦過ぎから赤ちゃん、そして、犬も二匹と幅広い参加者がいます。
時期 春、夏、秋、冬を通して土曜、日曜、祝日。
合宿の場合は、週末を挟んだ三泊四日程度の日程を計画します。
連絡先 メール: servusberge @ gmail.com
ブログ:ミュンヒェンなんちゃって山岳狂会

©︎ミュンヒェンなんちゃって山岳狂会




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