ドイツの秋の味覚~フェダーヴァイサーとツヴィーベルクーヘン

8月末、ドイツの秋の訪れとともにやってくる秋の味覚の代表フェダーヴァイサー。フルーティな味わいの若いワイン、フェダーヴァイサーの炭酸シュワシュワ感と、同じく秋が旬の玉ねぎを使ったツヴィーベルクーヘンの絶妙な組み合わせの特徴や楽しみ方を紹介します。ドイツの秋を味わい尽くすための情報をお楽しみください。

フェダーヴァイサーとは

ドイツ語圏だけでなく欧州の多くの地域で広く楽しまれているフェダーヴァイサー(Federweißer)は、新しいぶどうの収穫が始まったばかりの時期に提供されるまだ発酵途中の若いワインを指し、ドイツの伝統的な秋の飲み物です。

名前のFederは「新しいフェザー(独語:フェダーFeder)のように軽い」という意味で、その味わいも名前の通り、軽やかでフルーティーです。

フェダーヴァイサーの歴史は古く、中世から存在していました。農民たちは新しいぶどうの収穫を祝うために、この若いワインを楽しんでいました。

フェダーヴァイサーの魅力

そのフルーティな飲み口に加えて、炭酸ガスを含むシュワシュワとした特徴を持っているフェダーヴァイサーは、生きている飲み物です。

葡萄のジュースがワインに変わる際に、ぶどうの搾りかすに含まれる酵母が糖をアルコールに変えているのですが、この過程で副産物として二酸化炭素も生成されます。

酵母によってまだ濁っているフェダーヴァイサーは、発酵の進行具合に応じて甘さとアルコール度数が異なります。

ですから、購入してからも、ご自宅の冷蔵庫で少しずつ発酵が進み味も変わっていきます。

また、通常の白ヴァリエーションに加えて、赤やロゼのバージョンも存在する多彩さも魅力です。

この多彩なバリエーションは、ぶどうの種類や地域によって異なり、それぞれが独自の風味と特性を持っています。

新酒の楽しみ方をさらに幅広く楽しむことができるのが、フェダーヴァイサーの魅力の一つです。

地域で異なるフェダーヴァイサーの名前

フェダーヴァイサーはドイツ各地で異なる名前で呼ばれています。

フェダーヴァイサーには「Federweißer(フェダーヴァイサー)」の他に「Neuer Wein(ノイヤー・ワイン 意味:新しいワイン)」や「Bitzler(ビッツラー)」といった一般的な呼び名があります。

ドイツ各地での異なる名前
ドイツ語 読み方
Federweißer フェダーヴァイサー
羽のような
Neuer Wein ノイヤー・ワイン
新しいワイン
Bitzler ビッツラー
Bremser ブレムザー

また、フェダーヴァイサー(Federweißer)は白ぶどうから作られ、フェダーローター(Federroter)は赤ぶどうから作られています。

色の違い
ドイツ語 元になったぶどうの色
Federweißer 白ぶどう
Federroter 赤ぶどう

フェダーヴァイサーの「ヴァイサー(白)」名前の由来についてですが、フェダーヴァイサーに含まれる酵母の白い色から名付けられたとされています。

ドイツのお隣のオーストリアでは、フェダーヴァイサーに関しては「Federweißer」「Federroter」「Neuer Wein」「Bitzler」といった用語は使用されず、オーストリアのワイン法に基づいて「Sturm(シュトゥルム、意味:嵐)」と呼ばれています。

さらにオーストリア国内でも地域ごとに異なる名称があり、例えばシュタイヤーマルク(Steiermark)州では「Schilchersturm」や「Staubiger」と呼ばれ、ブルゲンラント(Burgenland)州では「Uhudlersturm」として提供されています。

オーストリア各地での異なる名前
ドイツ語 呼び名が使われる地域
Sturm オーストリア全土(基本形)
Schilchersturm
Staubiger
シュタイヤーマルク
Uhudlersturm ブルゲンラント

また、「Sturm」を飲む際には乾杯の言葉として「プロースト(Prost)」ではなく「マールツァイト(Mahlzeit)」や「クリクシクラクシ(Krixikraxi)」と言う習慣があり、これに従わないと罰金が課せられるそうです。

また、スイスでは、部分的に発酵させたブドウ果汁の白と赤の両方を通常、「ザウザー(Sauser)」と呼び、フェダーヴァイサーは部分的に発酵したブドウ果汁を指すのではなく、赤ぶどうから作られた白ワインまたはスパークリングワイン(Blanc de Noirs)を指します。

フェダーヴァイサーを取り扱う際の注意事項

フェダーヴァイサーを取り扱う際の注意事項は以下の通りです。

冷蔵保管しましょう

フェダーヴァイサーは生きているワインであり、冷蔵庫で保管することが重要です。低温で保存しないと、発酵が進行しすぎてしまう可能性があります。

揺らさないようにしましょう

フェダーヴァイサーは炭酸ガスを含んでいるため、振ったり揺らしたりしないように注意しましょう。

開封前には冷却した状態で静かに保管してください。

早めに消費しましょう

フェダーヴァイサーは新鮮な内に楽しむことが最適です。長期間放置すると、炭酸ガスが逃げてしまう可能性があります。

圧力に注意しましょう

フェダーヴァイサーのボトルのキャップは、中の圧力を逃すためにもともと完全には締められていません

しかし、フェダーヴァイサーのボトルは高圧であることがあります。開封する際にはゆっくりと、冷蔵庫から取り出してすぐに開封しないようにしましょう。

スーパー等で購入する際にも、レジの人がまだ若くてフェダーヴァイサーの取り扱い方を知らず横にしてピッ!としたりすると、中身がこぼれてしまうので、気を付けてあげてください。

適したグラスを選択しましょう

フェダーヴァイサーを注ぐ際には、シャンパングラスや白ワイン用のグラスを使用することをおすすめします。

普通のグラスで飲むよりも、香りやシュワシュワ感を楽しむことができます。

飲酒運転に注意

フェダーヴァイサーは、度数は低いとはいえ、アルコールを含んでいますので、飲酒運転は絶対に避けましょう。

フェダーヴァイサーのアルコール度数は通常、0.5%から5%と低く、多くの場合、1%未満です。

一般的なワインのアルコール度数は、白ワインで11%から13.5%、赤ワインで12%から15%と言いますから、それに比べれば低いとはいえ、アルコールはアルコールなので、気を付けるにこしたことはありません。

これらの注意事項に気を付ければ、フェダーヴァイサーを安全に楽しむことができます。

フェダーヴァイサーとの絶妙なペアリング

©︎Biezl

ツヴィーベルクーヘン(Zwiebelkuchen)は、ドイツの伝統的なオニオンケーキで、主に秋に提供されます。

クーヘン(ケーキ)、という名前ですが、甘くなく、食事にも適した塩味のお料理です。

この料理はタマネギとベーコンが豊富に使われ、クリーミーでスモーキーな味わいが特徴です。

四角いタイプと丸いタイプもあります。

そして、このツヴィーベルクーヘンはフェダーヴァイサーとの相性が抜群です。

フェダーヴァイサーと一緒にツヴィーベルクーヘンを食べるとおいしい理由

相性抜群

ツヴィーベルクーヘンの濃厚な味わいと、フェダーヴァイサーの軽やかでフルーティーな味わいは、絶妙なバランスを生み出します。

ともに秋の味覚

タマネギは夏から秋にかけて収穫されるので、新鮮で美味しいタマネギを使ったツヴィーベルクーヘンを楽しむのに最適な時期が秋になります。 つまり両方とも秋に提供される伝統的な料理で、季節感をより一層楽しむことができます。

ドイツの秋の味覚ツヴィーベルクーヘンの美味しいレシピ

©︎pixabay_Hans

最後に、ブログ読者にオススメのツヴィーベルクーヘンのレシピをご案内します。

材料

  • 250g の薄力粉
  • 125g のバター (冷蔵庫から取り出して室温に戻しておく)
  • 1個の 卵(生地用)
  • 500g の玉ねぎ (薄切り)
  • 200gの ベーコン (細切り)
  • 200gの クレームフレッシュまたはサワークリーム
  • 3個の 卵(フィリング用)
  • 塩とこしょう(お好みで調整)

手順

  1. オーブンを180℃に予熱します。
  2. ボウルに薄力粉を入れ、バターを加えてクランブル状になるまで混ぜます。卵を1個加えて生地を作ります。生地をラップで包んで冷蔵庫で約30分間休ませます。
  3. 玉ねぎとベーコンをフライパンで炒め、玉ねぎが透明になるまで調理します。余分な油分を取り除き、冷まします。
  4. クレームフレッシュまたはサワークリームに卵を3個加えてよく混ぜ、塩とこしょうで味を調整します。
  5. 生地を薄く伸ばして、タルト型に敷き詰めます。生地の底にフォークで穴を開けます。
  6. 玉ねぎとベーコンのミックスを生地の上に均等に広げます。
  7. クリームと卵の混合物をミックスの上に流し入れます。
  8. オーブンで約30〜40分間焼きます。表面が美しく焼け、ツヴィーベルクーヘンが固まるまで焼きます。
  9. オーブンから取り出して、少し冷ますと、切り分けられるようになります。

これで、美味しいツヴィーベルクーヘンのできあがりです。

フェダーヴァイサーと一緒に、ドイツの伝統的な味わいを楽しんでください!Guten Appetit!

 




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