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ドイツ人は日本人に親切?「親日・反日」よりドイツの日常生活で知っておきたいこと

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ドイツへの移住や旅行を考え始めると、「ドイツ人は日本人のことをどう思っているのだろう」「日本人だからという理由で嫌な思いをすることはないだろうか」という疑問が浮かぶ方は多いのではないでしょうか。

「ドイツは親日国だから歓迎される」「ドイツ人はアニメや寿司が好きだから日本人は好印象を持たれやすい」——こうした情報は渡航前によく目にします。ただ、実際にドイツで暮らしてみると、日本人であることが日常生活にそのまま有利に働くわけではないと感じる場面も少なくありません。

この記事では、「親日か反日か」という二択ではなく、買い物や住まい探し、近所付き合い、旅行といった日常の場面で、自分が日本人であることがどう関係してくるのかを整理します。読み終えたときに、「日本人であることを気にしすぎず、どう振る舞えばいいか」がイメージできる一助になれば幸いです。

そもそも「日本人」だと認識されるとは限らない

ドイツで生活していても、初対面の相手が自分を日本人だと分かっているとは限りません。私たちが外見や少しの会話だけで相手の出身国を正確に言い当てられないのと同じで、ドイツでもアジア出身者をひとまとめに見ている人はいます。

つまり、「ドイツは日本に好意的だから、自分も日本人として好意的に受け入れられるはず」と、出会った瞬間から期待できるわけではないということです。

日独の交流の歴史と、近年の日本ブーム

日本とドイツ(プロイセン)は1861年1月24日に修好通商条約を結び、以来160年以上にわたって政治・経済・文化・学術など幅広い分野で交流を続けてきました。2021年には「日独交流160周年」を迎え、両国で記念行事が開催されています。ドイツ外務省も日本との二国間関係を継続的に重視する姿勢を示しています。

ドイツで人気の柔道、剣道、空手、日本の伝統文化、華道、禅、茶道、近年は日本食、抹茶ブームに、円安を背景にした「お得に楽しめる日本旅行」のイメージもあり、ドイツ国内で日本への好意的な関心が高まっているように感じる場面も増えました。

ただし、これは「すべてのドイツ人が日本に詳しく、好意的になっている」という意味ではありません。日本文化への露出が増えたからといって、反日感情を持つ人がいなくなるわけでもなく、逆に日本について新しく知ったことがきっかけで否定的な印象を持つ人が出てくることもあります。

大切なのは、「日本人だと分かったらどう思われるか」を先回りして考えることよりも、目の前の相手との関係をそのつど築いていく姿勢です。

「日本人」だと分かったときによくある反応

(C) flicker running3000[↗]

好意的に興味を持たれるケース

大学の交流会や日独関連のイベントには、もともと日本に関心のある人が集まりやすく、日本語学習中の人や日本への旅行経験がある人と知り合う機会も多くあります。こうした場では、日本人だと伝えると自然に会話が広がりやすいでしょう。

一方で、日本文化に関心があるからといって、日本の実情に詳しいとは限りません。「日本人は毎日寿司を食べるんでしょう」「日本人ならこの分野に詳しいはずだよね」といった、悪意のない思い込みからくる質問を受けることもあります。

こうしたときは、「日本代表」として正解を答える必要はありません。「私はアニメは見ません」「日本でも毎日寿司を食べるわけではないですよ」と、自分自身の経験として話せば十分です。

「日本人らしさ」を期待されるケース

日本人には「礼儀正しい」「真面目でおとなしい」「時間を守る」といったイメージが持たれがちで、初対面ではこれが好意的に働くこともあります。ただし、自分の意見をはっきり言ったときや、約束の時間に少し遅れてしまったときに「日本人なのに意外だね」と言われることもあるかもしれません。

ドイツでは場面に応じて自分の考えを明確に伝えることが求められる文化です。日本人一般へのイメージに自分を合わせる必要はなく、一般的なイメージと自分自身の性格は別のものと考えて。気負わずに自分のペースで過ごしましょう。

ただの好奇心からの質問

ご近所付き合いや子どもの学校、地域活動などを通じて長く関わる相手からは、「どこから来たの?」「いつからドイツに?」「なぜドイツに来たの?」と矢継ぎ早に聞かれることもあります。

これは日本人だからというより、外国から来た人への単純な好奇心によるものがほとんどです。事情をすべて説明する必要はなく、自分が話したい範囲だけ答えれば十分です。

もし「日本人だと分かった瞬間から、あからさまに態度が変わった」と感じることがあれば、それは実際に相手の中に「親日」または「反日」の感情がある場合と考えてよいでしょう。

差別や偏見に遭遇したときの対処法


ドイツにも、日本や日本人に対して好意的ではない人はいます。それが反日感情によるものか、アジア系全般への偏見か、あるいは移民全般への反発なのかは人によって異なります。国籍を決めつけるような発言や、アジア系の外見に対する固定観念に出会う可能性はゼロではありません。

差別や偏見に遭ったと感じたときは、状況を整理しておくことが後々役立ちます。

  • いつ
  • どこで
  • 誰から
  • 何を言われた、またはされたのか

を記録しておくと、相談が必要になったときに状況を説明しやすくなります。

ドイツには一般平等待遇法(Allgemeines Gleichbehandlungsgesetz、AGG)があり、民族的出身などを理由とした不利益な扱いを防止・排除することを目的としています。

雇用の場面だけでなく、買い物や飲食店の利用といった日常的な取引においても、民族的出身を理由とする差別は禁止されています。ただし、学校や役所など公的機関との関係は、AGGの対象外である点に注意が必要です。

具体的な対応が必要な場合は、状況に応じた相談先を探すことになりますが、不快な経験を「ドイツの文化だから」と一律に受け入れる必要はありません。

旅行者が気をつけたいこと

旅行者や、短期滞在者は、「日本人としてどう見られるか」よりも、現地の習慣を知っておくほうが実用的です。

  • 店やレストランでの挨拶
  • 注文の仕方
  • 公共交通機関の利用方法
  • 日曜日は多くの店が休業すること
  • チップの渡し方

店員の対応が日本より素っ気なく感じられても、それだけで「日本人(外国人)だから冷たくされた」と判断する必要はありません。誰に対しても同じ対応なら、ドイツの店員には彼らの文化があるんだと思いましょう。

必要な場面で挨拶をし、ルールを守り、分からないことは質問するという基本を心がければ十分です。

英語が通じる場面は増えていますが、簡単なドイツ語の挨拶と「ドイツ語は話せません(Ich spreche kein Deutsch)」というひとことを覚えておくと、店や公共の場でのやり取りが多少スムーズになります。

ドイツに住む日本人にとってのポイントは

ドイツでの生活では、日本人であることが会話のきっかけになる場面が多くあります。日本語を学んでいる人と知り合ったり、日本文化の話題から会話が始まったりするのは、海外生活ならではの楽しさのひとつです。

一方で、長く暮らすのであれば、日本に関心のある人ばかりと付き合う必要はありません。「親日だから歓迎される」「反日だから警戒される」という単純な図式では捉えないほうが実情に近く、そこにこだわらずに、仕事、趣味、スポーツ、地域活動、子どもの学校など、生活の中にはさまざまなつながりの入口に注意を向けましょう。

日本人であることを会話のきっかけとして楽しみながらも、国籍を必要以上に意識せず、自分に合う人や場所を見つけていくこと。「親日派」と付き合うのではなく、「自分自身」に関心を持ってくれる人と関係を築いていくことが、ドイツでの生活を心地よく続けるための一つの方法です。


引用と参照
ドイツ外務省と日本の二国間関係 auswaertiges-amt.de[↗︎]
gesetze-im-internet.de[↗︎]

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神谷ちよ
ドイツ在住のライフスタイル・ブロガー。
2021年から毎月開催している
ニッポニップオンラインイベントの司会として、
またビジネスコミュニケーションコーチとしての活動もしております。
どうぞよろしくお願いいたします。