2023年3月より、ドイツの日本大使館ではパスポートに関わる一部の手続きがオンライン化されることとなりました。これに伴い、今までは写真や手書きの申請用紙を領事館までもって行き、5営業日待たざるをえなかった一部の申請を、全てオンライン上で完結することが可能となり、特に領事館から距離のある都市などにお住まいだった人は負担が軽くなったことでしょう。
オンラインでパスポートの切替発給申請が行える場合
数あるパスポート関連の手続きの中で、もっとも在留者の使用頻度の高いのが「有効なパスポートの切り替え発給」ではないでしょうか。今回のオンライン化に伴い、氏名や本籍地に変更が無い場合、原則的にこの切り替え発給は全てオンライン上で完結させられるようになりました。
もっとも、どのような場合でもオンラインで切替発給が行えるわけではなく、いくつかの条件を満たした場合のみ手続きが可能となります。
- パスポートの残存期間が1年以下、または見開きのページが3ページ以下になった場合（パスポート更新ができる条件）
- 在留届がなされ、オンライン在留届のアカウントを持っている場合
上記を満たしたうえで、後述するような必要な書類やデバイスが備わっていることが、オンライン上でパスポートの切り替え発給申請をおこなう条件と言えます。
必要な書類や道具等
オンライン化に伴い、今まで必要だった手書きの申請書や写真が不必要となります。代わりに、今まで必要とされなかったアプリを必要とすることになるため、注意が必要です。
- 直近6ヶ月以内に撮影された背景の無い証明写真のデータ（またはその場で撮影も可能）
- パスポート
- 白い紙とペン（署名）
- ドイツにおける滞在許可証（ドイツの滞在許可証を持たない場合別途相談要）
- スマートフォン（NFC機能付き）
顔写真に関しては、デバイスなどに保存してあるものをアップロード画面でアップすることになります。もっとも、外で撮ったものや、斜めから撮られたものなど、要するに証明写真として不適切なものは認められず、あくまでパスポート用の、正面から撮られた、背景の無い写真が求められます。
この写真が適切かどうかは、写真をアップする際に機械的に判定されることとなります。顔の確度が曲がっていたり、ぼやけていたりすると何度もやり直しすることになりますので注意しましょう。
写真以下、パスポート、署名、ドイツにおける滞在許可証は、写真を読み込ませたり、ICチップをスマートフォンで読み込んだりする際に必要になります。Anyscannerのような写真を読み込めるアプリを予めダウンロードしておくと良いかもしれません。
そして、肝となるのが、このオンライン申請は手元にスマートフォン（NFC機能付き）が無いとできない、というところです。後述の通り、アプリをダウンロードしたり、パスポートのICチップを読み込む作業が用意されているため、スマホが無いとこれら申請作業が先に進めなくなりますので注意しましょう。
申請の流れ
基本的には、外務省公式PDFに書かれている通りの流れとなります。
サイトの入り口が分かりにくいですが、手続きは外務省HPの「オンライン在留届」からはじめることができます。上述の通り、オンライン申請は在留届が出されていることが前提のため、まだの方は在留届を提出するところからはじめることとなります。
ログイン後「筆頭者の旅券申請」をクリックします。基本的には指示の通り進めていくこととなりますが、途中で難関となるのが「パスポートのICチップをスマホのNFCで読み込む作業」です。パスポートのちょうど真ん中のページにICチップが埋め込まれたページがあるのですが、これをスマホのNFC機能をONにして、上手く読み込む必要があります。携帯によってはNFCの場所が異なるので中々思うようにいかず、時間がかかるかもしれません。
また、アプリ内には滞在許可証をアップする箇所がありません。そのため、上記の申請を完了し1～2営業日後くらいに外務省から「滞在許可証をアップしてください」というメールが来ることとなります。これにアップをおこなえば申請手続きは完了です。
受け取りの流れ
審査が滞りなく完了すると、外務省から交付日程のや手数料のお知らせが記載されたメールが届くこととなります。紙ベースでの申請と同じく、おおよそ5～6営業日が一般的には交付までの目安のようです。
ドイツの日本大使館は通常予約が不要で、直接出向いてパスポートを受理する形となります。交付のための手数料は10年、または5年、あるいは交付されるものの年齢によって異なります。最新版のデータは在ドイツ日本国大使館HPを参照ください。
支払いは、先に送られてくるメール上で手続きをする場合クレジットカードが登録できます。そうでない場合、現金でお釣りのないように揃える必要があるので注意しましょう。
パスポート更新手続きをおこなったら、パスポートと紐づいているビザの更新が必要となります。居住の市役所、あるいは外人局によって方法が異なるため、パスポートを更新したら速やかに外人局に問い合わせるようにしましょう。
