日本人がドイツへの移住を後悔する瞬間ベスト5

多くの日本人が新たなキャリアや留学、プライベートなどの理由で新天地であるドイツを目指しますが、中々「住めば都」とはいかないもので、多くの日本人がその給与水準やワークライフバランスの高さには一定の満足を示す一方、色々な場面で不満を抱えることがあります。
本稿では、そんなドイツ在住の日本人が特に移住を後悔するような大きな問題について5つ紹介をおこなっていきます。

1ルーズな時刻表

「ドイツ人は時間に厳格」というイメージが付きまとっていますが、最近その固定概念が崩れつつあります。ドイツの鉄道会社、Deutsche Bahnの遅延は既に全体の長距離列車の半分に上り、1時間以上の遅延、降車駅の変更、場合によっては電車のキャンセルなども常態的に発生します。

こうしたドイツの鉄道会社の不名誉を作っている原因としては、昨今の異常気象に加え、毎月のように行われるストライキ、肥大した鉄道網の過負荷などが挙げられます。

仕事のミーティングや面接、試験や飛行機の出発など重要な待ち合わせに間に合わないことも多々あり、「キャンセル」の文字の書かれた電光掲示板を眺めながら、ドイツの交通網のルーズさを呪う現地の日本人は少なくないことでしょう。

(C)flicker_Alice Chodura

2不毛な事務手続き

海外移住者にとってビザとの戦いはつきものです。その他の国の複雑性に比べればマシとも言えますが、特にここ数年増大した移民・難民の数によってドイツのビザ手続きは難解を極めるようになっています。

最初の予約を取り付けるのにすら数週間の待ち時間が必要で、その後も書類の不備でまた数週間の遅れが生じたり、場合によっては移民局の不手際によって申請手続きが遅延したり、そうこうしている間に書類の有効期限が切れてまた最初からやり直しになったりと、まさに賽の河原の石詰みのような様相です。

こちら側の不備であればともかく、移民局側でも「書類をなくした」「予約が入ってない」など、システムや管理の杜撰さによって自身の留学や就職のスケジュールに影響が出てはたまったものではありません。また、移民局から届くはずの書類も、ドイツの郵便の杜撰さによって度々道中で紛失されることがあり、ビザの習得は難易度の高いタスクの一つと化しています。

(C)flicker_fst htwsaar

3食事のクオリティ

最近では食の多様化によって、ドイツにあっても日本食、インド料理、中華料理、など様々な国の料理が堪能できるようになっていますが、元を辿るとドイツは食の不毛地帯で知られ、特に冬のあいだは食物が取れなくなるため、ジャガイモと加工食品(ハム、ソーセージ)を用いての料理が通例でした。

世界の食のおいしさランキングでも、ドイツは33位。上位の日本、イタリア、ギリシャなどと大きく水をあけられた結果となっています。

外務省のホームページにもドイツ料理の食べ過ぎの注意喚起がなされており、特に高たんぱく、高脂肪のドイツ食を食べ続けると、メタボリックシンドロームを引き起こすことに繋がります。

(C)flicker_Food Group

4夏は暑く、冬は寒い

ヨーロッパの冬はその気温の寒さもさることながら、極端な日照時間の少なさで知られています。11月から2月まで、ヨーロッパ(特にスイス以北)の日照時間は毎月50時間を下回ることが多く、日本の中でも日照時間の少ない日本海側の金沢などのそれを大きく下回ります。

都市 1月の日照時間 1月の平均気温 7月の平均気温
札幌 92.5時間 -3.6℃ 20.5℃
東京 184.5時間 5.2℃ 25.0℃
ベルリン 47時間 0.6℃ 20.3℃

平均的な夏の気温は東京よりも涼しいものの、昨今の温暖化の原因で2023年には最高気温38.8℃、2024年には36.5℃をそれぞれ記録し、数百人の熱中症による過剰死が発生したと報告されています。その原因として、一般家庭におけるエアコン設置率3%という極端に低い数字が挙げられます。ほぼすべての一般家庭にエアコンが普及している日本と比べ、ドイツの夏が過酷だと思われている所以です。

(C)flicker_Luca Bocci

5人間関係

移住者向けのプラットフォームInternation社の調べによると、移住者の多いドイツの都市(デュッセルドルフ、ミュンヘン、フランクフルト、ベルリン、等)は軒並み「友人が作りにくい」という評価を受けています。

これはドイツに限らず、北欧やイギリスにも共通して言えることですが、南欧や南米のオープンな人間関係と違い、中々友人関係が作りづらいとも言えます。また、日本人とは度々真逆の性格を見せるドイツ人(はっきり物を言う、人目を気にしない)、仕事でもプライベートでもこの性格の乖離が問題を生じることが多々あります。

それでもドイツが魅力な訳・・

こうした多くのマイナスポイントにも関わらず、留学や就職を志してドイツへ移住する日本人の数は後を絶たないのは何故でしょうか?

一つに、これでも「他国よりマシ」であることが多いからです。スイスやオランダのような国を除けば、ヨーロッパの大国でここまでインフラが整備され、安全に医療と生活を享受できる国は限られています。

もう一つに、こうしたデメリットを打ち消すほどの魅力がある国であるとも言えます。特に欧州随一の経済力は伊達ではなく、キャリアや給与アップを狙って多くの移民がドイツを目指します。特に日本人であれば、現地に進出している多くの日系企業が受け皿となって求人のチャンスが多いとも言えます。




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