ドイツで暮らす・旅する日本人のための情報誌 NIPPONip 公式ブログ

ドイツに移住するならどの長期滞在ビザを取得するのがベスト?

当ブログでは、ドイツの様々な商品やサービス、イベントを客観的にご紹介しています。一部の記事にはAmazonアソシエイトなどのアフィリエイトやPR商品が含まれており、リンク先での購入により運営元に報酬が発生する場合があります。 [↗︎]=外部サイトに飛びます。

ドイツへの移住や長期滞在を考え始めると、最初にぶつかるのが「ビザ」の問題です。ワーキングホリデー、就職、大学進学、職業訓練、家族との同居など、ドイツに来る目的によって必要な滞在資格は変わります。この記事では、日本人がドイツで長期滞在する際に検討しやすい代表的な方法をご紹介します。(情報は2026年9月現在)

注意
この記事は、ドイツのビザ・滞在許可に関する一般的な情報を紹介するものです。この記事の内容に沿って準備・申請した場合でも、必ずビザや滞在許可が取得できることを保証するものではありません。審査は申請者の個別の状況や申請先の判断によって行われます。申請前には、必ず最新の公式情報をご確認ください。

日本人が間違えやすい「ビザ」と「滞在許可」

日本のパスポートを持っている人は、観光などの短期滞在ならビザなしでドイツに入国できます。そのため「ビザなしで入れるなら、そのままドイツで仕事を探して住めるのでは?」と思ってしまいがちです。

しかし、観光目的のビザ免除と、ドイツで生活・就労するための滞在資格はまったく別のものです。観光目的の滞在資格のままアルバイトをすると不法就労になりますので、注意してください。

それぞれの違い

ドイツに滞在する場合、よく耳にするドイツ語が出てきます。

ビザ(Visum)

ドイツへ入国するためのもの

滞在許可(Aufenthaltserlaubnis)

ドイツに長期的に住むためのもの

無期限滞在許可(Niederlassungserlaubnis)

定住許可・永住に相当する滞在・就労資格

一般的に、90日を超えてドイツに滞在する場合は長期滞在用のNationales Visum(ナショナルビザ/Dビザ)が関係してきますが、日本人には例外があります。

日本国籍者は、就労など一定の条件を満たす場合、ビザを事前に取得せずドイツへ入国し、入国後にAusländerbehörde(外国人局)で必要な滞在許可を申請できるケースがあります。

つまり日本人の場合、正規の「日本で長期滞在ビザを取得してから渡独する方法」だけでなく、「ビザなしで入国 → ドイツ国内で滞在許可を申請する方法」も選択肢になる場合があります。ただし、どの目的でも自由に使えるわけではなく、申請する滞在資格の条件を満たしている必要があります。

日本人がドイツに長期滞在する主な方法

ドイツには滞在目的別にさまざまなビザ・滞在許可が存在しますが、今回は、日本人が検討することの多い代表的なビザをご紹介します。

それぞれの特徴は各項目をご覧ください。

▼項目

ここからは、それぞれの特徴を見ていきましょう。

ワーホリビザ(Working-Holiday-Visum)

目的 ドイツの文化や生活を体験
できること 滞在、職探し、就労
期限 最長1年(365日)
特記事項 申請時に18歳以上
31歳の誕生日を迎えていないこと
ドイツ語力 不問
主な滞在資格 Working-Holiday-Visum

ドイツ語で正式名称は、Visum fürentsprechendes Abkommen über Working Holidayと言います。

若い世代の日本人にとって比較的利用しやすいのがワーキングホリデーです。

年齢の基準は「査証申請時点」で判断されるため、30歳のうちに申請すれば、渡航や滞在中に31歳になっても問題ありません。

まずはドイツで休暇を過ごし、文化や生活を体験するためのビザです。また、将来的に就職や大学進学を考えている人が、ドイツで生活しながら次の進路を探す期間として利用するケースもあります。

365日を超えて長期的に住み続けたい場合は、ワーホリビザが切れる前に、就労、就学など別の滞在資格への変更を検討する必要があります。ワーホリビザは同一人物が2回目を取得することはできません。

ドイツでもワーホリ移住者を歓迎しているようで、公式のオンライン情報も充実しています。日本から申請ができます。

申請に必要なもの

パスポート、写真、往復航空券の予約証明、保険、生活費の証明、履歴書、志望動機。

在日ドイツ大使館の案内では、1年間滞在する場合、最低2,000ユーロの資金証明が必要です(口座残高証明など)。片道航空券のみの場合は、必要な資金額が2倍(4,000ユーロ)になります。また、ドイツ滞在全期間をカバーする旅行者用医療保険と旅行賠償責任保険の加入も必須です。

申請方法・必要書類は、在日ドイツ大使館の公式ページで確認できます。ドイツ大使館「ワーキングホリデー・ビザ[↗︎] 

就労ビザ・就労目的の滞在許可(Arbeitsvisum)

目的 ドイツで就職
できること 滞在、職探し、就労
期限 契約条件による
特記事項 雇用契約書が必要
ドイツ語力 就労先による
主な滞在資格 Aufenthaltserlaubnis zur Beschäftigung

以前は「ドイツの就労ビザ=ドイツ企業に雇われるためのビザ」と単純に考えられがちでしたが、現在は外国人の就労ルートが、学歴・職業資格・仕事内容・給与などによって複数の制度があり、かなり細分化されています。

「就労ビザを取りたい」という場合には、まず自分の学歴・職業資格・職歴・仕事内容・雇用条件 を整理することが重要です。雇用主が決まったら、雇用関係申告書(Erklärung zum Beschäftigungsverhältnis)を雇用主に発行してもらいましょう。

また、職種によってはドイツで資格の認定(Anerkennung)が必要になる場合があります。加えて、「ドイツ語がどれくらい必要なのか」も仕事によって異なります。

ビザ(Arbeitsvisum)で入国後に、就労目的の滞在許可(Aufenthaltserlaubnis zur Beschäftigung)を取得し、切り換えます。

EUブルーカード(Blaue Karte EU)

目的 ドイツで就職
(高度専門職)
できること 滞在、就労
期限 契約条件による
特記事項 原則、年収50,700ユーロ以上。
人手不足職種(Mangelberuf)や大卒後3年以内の若手は年収45,934.20ユーロ以上
ドイツ語力 就労先による
主な滞在資格 Blaue Karte EU

大学卒などの高度人材で、ドイツ企業から一定以上の給与要件を満たす人向けの制度です。取得のハードルは高い一方、一定の条件を満たせば定住許可への近道ともいわれます。

EUブルーカードについて詳しくは別記事:ドイツ永住許可までの最短ルートは?永住許可とEUブルーカードでご覧いただけます。

 

大学・大学院進学(nationales Visum zum Studium)

目的 ドイツで進学
できること 滞在、就学
(パートタイム就労も可能)
期限 在学中
特記事項 大学の入学許可証、在学証明など
ドイツ語力 大学による
主な滞在資格 Aufenthaltserlaubnis zum Studium

ドイツの大学・大学院への進学を予定している人は、学生ビザ(nationales Visum zum Studium)を取得できます。

基本的には、ドイツの認可された大学などから入学許可を得ていること、そしてドイツ滞在中の生活費を用意できることがポイントです。生活費の証明として、年間11,904ユーロ以上を預け入れた閉鎖口座(Sperrkonto)などで証明する方法が一般的です。(2026年現在)

また、大学によっては英語で学べるプログラムもありますが、生活の場面ではやはりドイツ語が必要になることも多いため、卒業後の就職、滞在資格に繋げるためにもドイツ語はしっかりと学んでおくことをおすすめします。

チャンスカード(Chancenkarte)

目的 ドイツで就職先を探す
できること 滞在、職探し、限定付き就労
期限 最長12ヶ月
特記事項 条件付きで最長2年間の延長
ドイツ語力 必要(ドイツ語A1または英語B2以上)
主な滞在資格 Chancenkarte
Aufenthaltserlaubnis zur Jobsuche

2024年に導入されたチャンスカード(英語でOpportunity Card)の大きな特徴は、まだドイツの仕事が決まっていなくても、ドイツに入国して仕事を探せることです。

従来の「先にドイツ企業から仕事をもらって、その契約をもとに滞在資格を申請する」という方法とは異なります。

2つの取得ルート

Chancenkarteには大きく2つのルートがあります。

  1. ドイツで完全に認定された職業資格または学位を持つ場合
  2. 一定の条件を満たしたうえでポイント制度で6ポイント以上を取得する方法

ポイントは、語学力、年齢、実務経験、そのほか(資格の部分認定、人手不足職業(Mangelberuf)、ドイツ滞在歴、配偶者・パートナーの有無など)で計算されます。

また、生活費の証明としては、原則として月1,091ユーロの資金を確保する必要があります。(2026年現在)閉鎖口座や経済的負担を引き受ける誓約書(Verpflichtungserklärung)などで証明します。

チャンスカードで滞在している間は、仕事探しだけでなく、週20時間までの就労も認められています。そして、ドイツで条件に合う仕事が見つかったら、その仕事に対応した就労目的の滞在資格へ移行する必要があります。

より詳しい詳細は、ドイツ外務省のHP[↗︎]で。正確な点数を計算したい場合は、チャンスカードポイント計算機(英語)などの シミュレーター[↗︎] で確認を

職業訓練(Berufsausbildung)

目的 ドイツで職業訓練
できること 滞在、職業訓練
期限 受け入れ先の有無により変動
特記事項 一定の条件をクリアすれば更新可能
ドイツ語力 就労先によるが原則B1程度
主な滞在資格 Aufenthaltserlaubnis zur Berufsausbildung

大学ではなく、ドイツの職業訓練を受けながら専門職を目指したい人には、アウスビルドゥング(Ausbildung)というルートがあります。企業で働きながら学ぶ企業内職業訓練(betriebliche Ausbildung)と、学校で学ぶ学校型職業訓練(schulische Ausbildung)があります。

取得には、いくつかの要件を満たす必要があります。

基本的には、ドイツで具体的な職業訓練先(Ausbildungsplatz)が決まっていることが重要です。そして、原則としてドイツ語B1程度が必要になります。

企業内職業訓練の場合は訓練手当(Ausbildungsvergütung)が支給されるため、訓練手当が月1,048ユーロ(総額)または822ユーロ(手取り)以上であれば、生活費が確保されているとみなされます。(2026年現在)

なお、法律で定められた「最低訓練手当(Mindestausbildungsvergütung)」自体は2026年で1年目724ユーロですが、これは訓練手当そのものの下限であり、ビザ審査で求められる生活費基準(1,048ユーロ/822ユーロ)とは別の数字なので混同しないようご注意ください。訓練手当がこの基準に届かない場合は、閉鎖口座や誓約書で差額を補うことができます。

まだ職業訓練先が決まっていない人向けには「職業訓練先を探すための滞在資格」もあります。この場合、35歳未満、B1以上のドイツ語能力、月959ユーロ程度の生活費証明など、別の条件が課されます。取得できれば最大9か月ドイツに滞在して職業訓練先を探すことができ、その期間は週20時間まで働くことも可能です。

より詳しい情報は、Make it Germany [↗︎] で確認を

家族ビザ(Familiennachzug)

目的 ドイツで家族と暮らす
できること 滞在(就労は条件による)
期限 条件による
特記事項 結婚証明書など
ドイツ語力 原則A1(例外あり)
主な滞在資格 Aufenthaltserlaubnis zum Familiennachzug

ドイツに住んでいる配偶者や家族と一緒に生活する場合には、家族を呼び寄せ(Familiennachzug)で一緒に住める制度があります。

たとえば、ドイツ人と結婚している、ドイツで働いている配偶者と暮らす、ドイツに住む親と子どもが一緒に暮らす、といったケースに該当します。

日本国籍者は、家族再統合を目的としてドイツに入国する場合でも、一定の条件下でビザなしで入国し、ドイツ国内で滞在許可を申請できます。ただし、「日本人だから家族ビザが簡単」という意味ではありません。

主な要件には、

有効な滞在許可

ドイツに居住する当事者が有効な滞在許可またはドイツ国籍を保持していること

生計の確保

社会保障給付に頼ることなく家族を養える十分な収入があること

十分な居住スペース

家族全員が居住するのに十分な広さの住居であること

健康保険

適切な健康保険への加入を証明すること

最低年齢

申請時に配偶者が18歳以上であること

基本的なドイツ語能力

配偶者の呼び寄せの場合、一般的にレベルA1のドイツ語能力の証明が求められますが、例外もあり

家族関係を証明する書類、相手の滞在資格、収入、健康保険など、ケースによって必要書類は変わるため、それぞれの状況に合わせて調べておく必要があります。

日本の戸籍謄本など、取得に時間がかかる書類もあります。早めに必要書類を確認し、取得時間と有効期限(取得後半年程度の有効期限とされる場合もあり)のタイムスケジュールをしっかり確認しましょう。

より詳しい最新情報は、ドイツ大使館・領事館の公式HP[↗︎] で確認を

フリーランス・起業(Selbstständigkeit)

目的 ドイツで自営業
できること 滞在、自営業
期限 最長3年
特記事項 安定した収入状況、事業の成功が条件に
ドイツ語力 事業内容による
主な滞在資格 Aufenthaltserlaubnis zur selbständigen Tätigkeit

ドイツで雇用されずに自分の仕事をしたい人には、自営業・自営(Selbstständigkeit)の滞在資格があり、提供するサービスや事業内容によって、申請する滞在・就労資格が異なります。

  • 個人事業主(Gewerbe)事業・商業活動を行う
  • フリーランス(Freiberufler)自由業

必要な条件が異なり、審査される内容、資格や許可を持っているかなど厳しい要件を満たす必要があります。個人事業主か、フリーランスかによって申請先、申請内容が大きく違います。

より詳しい情報は、Make it Germany [↗︎] で確認を。

フリーランス・個人事業主となった後に必要となる税金に関する情報は、別記事:ドイツでフリーランス・個人事業主として働く日本人のための税金ガイドもご覧ください。

 

ドイツ語学習(Visum zum Sprachbewerb )

目的 ドイツ語学習
できること 滞在、条件付き就労
期限 語学学校のコース期間による
(最長12ヶ月)
特記事項 語学学校の入学証明など
ドイツ語力 入学するコースの要件次第
主な滞在資格 Aufenthaltserlaubnis zum Sprachkurs

「まずドイツ語を勉強したい」という人向けには、語学コース(Sprachkurs)を目的とする滞在資格もあります。

対象となるのは、一般的に週18レッスン以上のIntensivkurs(集中語学コース)で、最長12か月。滞在中は週20時間まで働くことが認められています。(2026年現在)

ただし、「大学に行くためにドイツ語を勉強する」「Ausbildungのためにドイツ語を勉強する」という理由で来た場合には、最初から大学進学や職業訓練を目的とした別の滞在資格が適していることがあるので、まずは最終的な目標のためにどのビザを取得するべきかを確かめておきましょう。

相談先や申請先は

ドイツ国内で滞在許可を申請する場合、申請先は住んでいる地域を管轄する外国人局(Ausländerbehörde)です。

都市によって予約方法や処理期間が異なるため、ベルリン、ミュンヘン、デュッセルドルフなど、どこに住むかによって実際の手続きの進み方には差があります。ご自身のお住まいの地域でそれぞれ確認しましょう。

日本で事前に申請する場合はオンライン化が進んでいます。ドイツ外務省は2025年1月1日から、Consular Services Portal(領事サービス・ポータル、Auslandsportal)を全世界167の在外公館に接続し、就労、留学、職業訓練、家族再統合などの長期滞在ビザをオンラインで申請できるようにしました。

ただし、本人確認、指紋・顔写真などの生体情報の提出、原本書類の確認、ビザ料金の支払いなどのため、最終的には窓口での手続きが必要となり、オンラインだけで手続きが完結するわけではないので要注意です。

*導入初期には一部機能の不具合も報じられたため、申請前には最新の運用状況を大使館・領事館の公式サイトで確認することをおすすめします。

ドイツからでも、日本からでも、現在は「まずオンラインで基本的な申請情報と書類を調べ、提出する」という流れが基本になりつつあります。

どのビザを取得する場合も、重要視されるのは、「移住者が健康で安心できる生活を、国に頼らずに自分で支えていけるかどうか」です。生活費があり(給与や閉鎖口座での証明)、健康も保証され(健康保険)、意思疎通が図れるか(語学力)の3点を確かめておくことで、審査をスムーズに通過できるようになるのではないでしょうか。

この記事が、みなさまの滞在許可が無事におりるための一助になれば幸いです。


制度や必要書類は変更されることがあります。申請する際には、必ずドイツ外務省、在日ドイツ大使館・総領事館、Make it in Germanyなどの最新情報を確認してください。

特に就労・留学・家族再統合などは個人の状況によって必要書類が変わるため、「ネットで見た必要書類だけを揃えれば大丈夫」とは限りません。事前準備はオンラインで、最終申請前には一度窓口相談に行けるなら確認してもらう、担当者に連絡をして事前にチェックしてもらうなど万全の体制で臨ことをおすすめします。

 

ドイツ全土で配布中|無料情報誌「NIPPONip」の公式ブログ。ドイツで暮らす、旅する方に役立つ情報発信中!インスタグラム@nipponip_germany
NIPPONip Editor
NIPPONip Editor
NIPPONipの編集部 ドイツの最新現地情報や、公的機関の一次情報をベースに、在留邦人のための生活ガイドを発信しています。