【2025年】ドイツは不景気か?原因と日本との関係

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欧州の雄、ドイツ経済に暗い影が差していると囁かれています。不景気といわれる実情とその原因、今後の展望や日本との関係についてまとめました。

2024年のドイツの実質GDP成長率は-0.2%となり、-0.3%だった2023年と引き続き2年連続でマイナス成長をたたき出し、衝撃をもたらしました。

ドイツ経済は崩壊寸前なのでは・・」このような不安が業界内に広まる中、ドイツ経済が停滞していることの理由や今後の展望が語られています。

ドイツは本当に不景気か?

マクロレベルの指標をみると、確かに実質GDP成長率は2年連続でマイナスを示し(※日本は4年連続でプラス成長)、不景気、あるいは不景気の一歩手前に差し掛かっているという見方がされています。

実際に、ドイツ国民や企業はどのような感情をいただいているのでしょうか?

国民感情

Trading Economicsを元に著者作成

国民感情的には、現在のドイツの状況は「不景気」と捉えることができます。

2021年11月を最後に、約3年半ドイツの家計動向調査(※GFK消費者気候指数)はマイナスを示し続けており、一時のマイナス40%という異常な状況は脱したものの、2025年5月現在ではいまだにマイナス20%という低水準が続いています。

(※消費に前向きかどうか、の家計調査。0を下回ると消費者が不景気を感じていると言われる)

 

また、EUの中では比較的まともとは言え失業率は右肩上がりに増え2025年5月現在では6%に達しており、個人消費の低迷に拍車をかけている状況です。

企業景況感指数(Ifo

企業の景況感指数も同様に、不況感を示す「100以下」という状況が2021年9月以降ずっと続いているます。2024年に底を打った感じのある家計動向調査と違って、企業景況感指数は2025年5月現在も90以下と低迷を続けており、輸出主導型で経済をけん引してきたドイツ産業界の苦しみを浮き彫りにしている状況です。

なぜドイツは不景気に陥ったのか

「ワークライフバランスに優れた国」「福祉大国」「環境大国」「輸出主導経済」と一時は持てはやされたドイツ経済ですが、なぜこのような惨状に陥ってしまっているのでしょうか?

原材料・エネルギー代の高騰

2019年に発生したコロナパンデミック、そして2022年に発生したロシアによるウクライナ侵攻という二つの重要なイベントが、今なおドイツ経済に暗い影を落としている要因と言われます。この二つのイベント発生以降、ドイツの原材料・エネルギー代は高騰を続けました。

家計への影響は勿論、最もダメージを受けたのがドイツ経済の大黒柱である製造業です。工場のエネルギー代、原材料、輸送コスト、これらが高騰したことで、ドイツ企業の利益の圧迫、販売価格への転嫁と消費減に繋がりました。

ドイツの生産者物価指数はやはりコロナ以降高止まりを続けています。2025年現在も依然として125という非常に高い水準を示しており、ドイツ製造業がコスト高に苦しむ様子がうかがえます。

輸出の鈍化

GDPの40%を輸出に頼っているドイツは典型的な外需依存型の経済で、ドイツの産業もそれを元に世界のマーケットで優位に立てるようビジネスモデルを打ち立ててきました。年々大きく成長を遂げてきたドイツの輸出額はコロナ以降一気に停滞し、2022年~2024年までほぼ成長率横ばいという状況です。

いくつかの原因が考えられますが、エネルギー費用の高騰により企業が生産拠点の移転を進めていること、お得意様である中国市場でのシェア(特に自動車)を年々低下させつつあること、コスト高によるR&Dへの投資の減退と競争力の低下、等が挙げられています。

また、海外情勢もドイツの戦略に大きな影響を与えます。特にトランプ大統領の打ち立てた関税政策、中東や東欧での戦争は、貿易立国であるドイツの経済的基盤に打撃を与えています。

今後ドイツはどうなるのか?日本のプレゼンス向上へ

数年前のイケイケだったころと比べると現状やや不景気感の漂うドイツですが、依然として世界第三位のGDPを誇る経済大国であることに変わりはありません(一人当たりGDPは日本の1.7倍・・!)。

現状のカギは、エネルギー(原材料)高騰と価格競争力のバランスを取りつつ、今までの特定の国(中国)に依存していた経済から脱却できるかどうかがカギになっています。

その中で、日本を再評価する声がドイツからも上がっています。中国や東南アジアに代わって、特にハイテク分野では日本や韓国をサプライチェーンのパートナーとして選択すべきという声が高まっており、実際に多くのドイツ企業が日系企業の中間部品を輸入しています(Handelsblatt)。

ドイツで働く日本や、ドイツに進出する日系企業の役割も年々高まっており、ヨーロッパにおける日系企業の拠点数では二位のイギリスを引き離し、圧倒的に高いプレゼンスをドイツが示しています。

2025年のドイツの経済成長率は0.2~0.3%程度になると見込まれており、不景気からの脱却に期待がかけられています。その中で、日本人や日本企業とのコーポレーションがドイツ経済巻き返しの大きなカギになりそうです・・!

 




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