ドイツでまとまったお金を動かす際の注意事項と規則【銀行と報告義務】

1999年に新しい共通通貨として誕生したEUR(ユーロ通貨)が誕生から25年、20カ国が共通通貨を利用しています。25周年を記念し、今年新しく紙幣のデザインも刷新されるということです。 ところで、世界中でテロ行為やマネーロンダリングを撲滅すべく、銀行を介した送受金や引き下ろしの確認がとても厳しくなっています。ドイツも日本ももちろん厳しくなっていますが、ドイツではどのようなことに気をつけるべきかをまとめました。(2024年1月時点の情報です)

ドイツでまとまったお金をで動かす場合は注意!

ドイツでは、2000年以降から始まった銀行でのまとまったお金の取り扱いについての法律が制定されました。中でもAWV Meldepflicht と Geldwäschegesetzは在独邦人の方にとって知っておくと良いのではないでしょうか。

どちらもマネーロンダリングや金融市場を守るため、テロ行為などに加担しないように広くは我々を守るための法律です。

Geldwäschegesetz(マネーロンダリング法)は、マネーロンダリングを防止するための法的手段です。対象は、ドイツ国内の企業、銀行、公共団体、個人です。 「個人」には、ドイツ国籍以外(日本人の場合は駐在員、その家族)も含まれます。

その取り組みは、例えば銀行に一定以上の現金(10000ユーロ以上)を一括して預けようと思った場合は、その現金の出所を証明する必要があります。 ATMなどで入金した場合は数週間以内に報告の義務が生じます。

*数回に分けて短期間に頻繁に入金した場合も「意図的に誤魔化そうとしてる」として違反扱いとなるので、必ず正直にXXXユーロ位を現金で預けようとしている、出所はXXXでと伝えてしまった方が安全です。

AWV Meldepflicht(AWV報告義務)は、マネーロンダリング防止策のひとつで、ドイツ国外への特定の送受金をDeutsches Bundesbank(ドイツ連邦銀行)に報告する必要があると規定する法的規制です。12,500ユーロを超えた際にはたとえ自分の日本の銀行口座間とのやり取りでも報告する義務が生じる場合もあります。(日本の口座名義は山田花子、ドイツの口座名義が山田ミュラー花子だった場合など)

AWV報告方法

まとまった金額(12,500ユーロ、または相当を超える金額)の送受金が、年に一回だけなら電話やメールからの簡易報告だけですみます。

電話もしくはフォームからの報告が可能です。ドイツ国内からは以下の電話番号にまずは電話をします(英語が通じる場合もあり)

報告先

Meldenummer Bundesbank: (0800) 1234-111 (月〜金 9時〜15時)

お問合せ(報告)フォームへのリンクはこちら

報告するのはいつ?

着金を確認して数日以内に
(着金前に電話をしても、また届いてから電話をするように指示されます)

伝える内容

日本から12500EUR以上を受け取った場合の報告・連絡事項 (例

Herkunftsland der Überweisung  (どこから送金されたか): Japan(日本からドイツに送金された場合)
Name des Zahlungsempfängers(受取人) : YAMADA TARO (口座名義の名前を伝える)
Geldbetrag (送金・受金額):
Datum der Überweisung (着金日):
Zweck der Überweisung(送金された理由) :
Rufnummer (Zahlungsempfängers )(連絡先電話の場合)(ドイツ側の受取人の名前):

注意点

報告を怠った場合、銀行が返金してしまったり、口座を凍結されてしまうこともあります(事前に連絡なく実行されることもあり)

また報告違反として多額の罰金がかけられてしまうこともあるので、ご注意ください。

報告方法 年に1回だけの場合

年に1回、12500EUR以上が一括で送受金される場合は、電話またはメールでの報告で十分です。

ただし、数ヶ月続けてぎりぎり12500EUR以上の総受金が続くなどの場合は、以下の報告方法にしておくように言われる場合もあります。(電話で事情を説明してどうすれば良いのか指示を仰ぐことも可能)

例:1月10000EUR送金、2月9000ユーロ送金、3月11000EUR送金 と複数回続くなどの場合
*目に見えてぎりぎり報告義務を回避しようとしているような印象をもたれるからかもしれません

注意点

当初は1回限りのつもりが、やむを得ず1年の間に2回目が発生してしまう可能性が高くなってしまう場合もあるかもしれません。

担当者の判断にもよるので、分からないことがあれば・自分の状況とこれから予測される入金・出金状況を伝えて指示を仰ぐことが重要です。

2回目のまとまった金額の送金が決まり、着金の前に相談するようにしましょう。相談の上、登録が必須となれば、着金の予測日前に登録番号を取得し報告を行います。

報告方法 年に複数回以上ある場合 または上の特殊な状況の場合

こちらのリンク先から報告者登録番号を取得するための申請用紙を入手し、記入後に指定のメールアドレスに送れば、登録番号が送られてきます。

その後、こちらのリンク先からAMS(一般のレポートポータル)からログインして、報告レポート(サンプルあり)を提出します。

個人で年に複数回以上ある場合はもしかしたら稀ですが、例えば個人事業主の方には必要な情報かもしれません。

注意点

例えば、お互いの当初の合意期間が最長 12 か月のローンおよび預金の支払いおよび返済には適用されません。 商品の輸出入による収益(サービスの支払いとは対照的に)も除外されます。

参照ならびにもっと詳しく知りたい方はこちらのリンクから(ドイツ語または英語、その両方)

https://www.bundesbank.de/de/service/meldewesen/aussenwirtschaft/elektronische-einreichung/ams

https://awvmeldepflicht.de/ratgeber/awv-meldepflicht/


ドイツで銀行口座をまだ持っていない、これから作ろうかなと思っている方こちらの記事もご参照ください。

ドイツでネット銀行の口座を作る

ドイツの住民登録 住み始め・国外引っ越し時に必要な手続き




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