日本と比較すると、全体的に緯度の高い場所に位置するヨーロッパの国々。欧州北部のドイツは、冬の寒さも厳しく、ちょっとした外出にも厚手のコートや帽子、手袋が欠かせません。こんなとき、自然界はどのようになっているのでしょうか?フェノロジカル(生物季節学的)な視点からご案内します。
ドイツのフェノロジカルな冬
ドイツといっても広いので、地域によっても多少の違いがありますが、年間の平均気温を見ると、ドイツで最も寒くなるのは12月と1月です。
おもしろいのは、北のハンブルク(1月の平均最低気温:-0.3度)と南のミュンヘン(1月の平均最低気温:-2.1度)を比べると、ミュンヘンのほうが冷え込みが厳しかったりすることです。
南のミュンヘンの方が北のハンブルクよりも寒い理由は、港町で標高が低い(3メートル)ハンブルクに比べて、アルプス山脈の麓にあるミュンヘンのほうが標高が高い(520メートル)ことと、大西洋の暖流である北大西洋海流と偏西風が、北海に隣接する地域を比較的温暖に保っている、ということが挙げられます。
その緯度の高さから想像するほどには寒くない、とはいうものの、やはり冬ともなればドイツの寒さは中々のもの。
ドイツでは、11月末頃から2月末頃にかけてがフェノロジカル(生物季節学的)な冬にあたり、この期間は動植物の休眠期間となります。
フェノロジカル・カレンダーってなに?という方、ドイツのフェノロジカル・カレンダーについて調べてみました。こちらの記事もどうぞ。
この季節の指標
典型的な植物
- 樫の木(オーク)は葉を落とします。
- クリスマスローズ、ウィンタージャスミン、ハマメリスが咲きます。
- ヘーゼルナッツの開花とともに、冬が終わり、早春が始まります。
野生生物の活動状況
- 冬の鳥が活動しているのみです
おすすめのガーデニング作業
一般的な作業
- 小鳥に餌をやる。
- ガーデンカタログを閲覧する。
- ガーデンツールを掃除して保管する。
果樹関連の作業
- 木々の冬の剪定をする。
- 果樹の幹を粘土でコーティングし、霜や、病気、害虫から保護する
- 果樹の接ぎ木をする。
- 必要に応じて挿し木用の枝を果樹から切り取る。
野菜とハーブガーデンの作業
- 低温で発芽する種子(例:行者ニンニク、ベアワート、アンジェリカ)の種まきをする。
- チシャをフリースで保護する。
- チコリの根を掘り起こして、砂に埋めて加湿する。
観賞用植物の作業:
- 低温で発芽する種子(例:オダマキソウ、クリスマスローズ、トリカブト、オキナグサ、スズラン、シャクヤク、プリムローズ、スミレなど)の種を蒔きます。