季節のめぐみをいただこう! ドイツ8月の野菜と果物

ドイツの8月は夏の暑い時期にぴったりの野菜や果物が豊富です。 8月に食べたい野菜や果物の一部をご紹介します。こちらの記事では、果物や野菜だけでなく、ハーブやサラダ菜もご案内しています。

Obst 果物 8月が旬の果物

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グーズベリー(Stachelbeeren シュタッヘルベーレン)

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薄緑色、または紫色をしたグーズベリーの実は、丸くて小さく、甘かったり、ちょっと酸っぱかったりします。グーズベリーは欧州原産のベリー類の中では、熟したものと熟していないものの両方を収穫できる唯一のものです。 緑の熟していない果実は、特にジャムなどの加工保存用に適しています。生で食べたい場合には熟した果実を選ぶ必要があります。

ブラックベリー(Brombeeren ブロムベーレン)

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ブラックベリーも8月が旬の果物です。森の中のお散歩の途中、茂みの中で見つけることもありますね。生で食すれば、ドイツ語で『ビタミン爆弾(Vitaminbomben ヴィタミンボンベン)』と言われるほどのビタミンの塊です。ビタミンCとE、そしてプロビタミンAの他、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラル成分も含まれています。フラボノイドも含まれており、血圧を調整したり、免疫システムにポジティブに作用する効果もあるそうです。

また、実だけでなく、発酵させた葉っぱは、おいしいお茶になりますが、これは歯茎の炎症の際に飲むと効果があるといわれています。

スイカ(Wassermelonen ヴァサーメローネン)

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ドイツでは、日本でも見かける丸いタイプと、細長い楕円形タイプの両方を見かけるスイカ。

もともとはアフリカ原産の作物で、90%が水分です。したがって、カラハリ砂漠や、アフリカの多くの乾燥した地域では、長い間人々にとっての水源として扱われていたそうです。通常、果物は生で食されますが、アフリカでは加熱調理されることもあるそうです。スイカの皮は漬物または砂糖漬けに利用することができます。

旧ソビエト連邦の南部地域では、果実の果汁を発酵させてアルコール飲料にするか、煮詰めて甘いシロップにします。

食糧農業機関FAO(Food and Agriculture Organization)によると、2018年には世界中で103,931,336トンのスイカが収穫されました。

Gemüse 野菜 8月が旬の野菜

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ナス(Auberginen オーバジーネン)

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露地もののナスの季節も8月に始まります。

ドイツのスーパーで一般的に売られているナスは、日本のものと比べて3倍ぐらい大きくて(長さ12センチ~25センチ、幅6センチ~9センチ)びっくりしますが、トルコ系の食料品店などに行くと、日本風の細身のナスを売っていて、懐かしくなったりします。

4千年まえからアジアで栽培されているといわれるナスの80パーセントは水分で、カロリーも低いですが、ミネラルと、有害なコレステロールを下げる効果のある植物繊維が豊富です。

ナスは苦味物質と有毒なソラニンを含んでいるので、苦味物質を取り除くために、下準備として塩を振り、少し待ってから水で洗い流すといいでしょう。

ナスは欧州各国では、グリルやフライ、または蒸し煮調理され、さまざまなスパイスやハーブで味付けされます。タイム、ローズマリー、セージ、ニンニク、タマネギは、茄子を使った料理に特によく合います。

ナスを使った人気料理としては、ナスとポテトの薄切りをひき肉と重ね合わせたグラタンのようなギリシャ風ムサカや、ナスをパプリカ、ズッキーニとともに煮込んだフランス料理のラタトゥイユなどが有名です。

©️pixabay_vinay_gupta460 (写真はムサカ)

スイートコーン(Zuckermais ズッカーマイス)

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濃い黄色の外見と、ほんのりと甘い味で、子供だけでなく大人にも人気のスイートコーン。バーベキューのときなどは、野菜のサイドディッシュとして大活躍しますが、他にもサラダの彩りとして、またシチューなどでも一年中出番があります。

ドイツで栽培されているコーン(トウモロコシ)には、飼料用のものスイートコーンがありますが、スイートコーンは飼料用コーンよりも小さめで糖度も高く、実も柔らかいです。

露地もののスイートコーンはドイツ国内では7月から9月までに収穫されます。

もともとスイートコーンは、アメリカ先住民の部族によって栽培されていました。イロコイ族は1779年にヨーロッパの開拓者に最初に記録されたスイートコーン(「パプーン」と呼ばれたそうです)を与え、それはすぐに米国の南部と中央部の地域で人気の食べ物になりました。

19世紀には、スイートコーンは米国全土に広まり、さらにヨーロッパやアジアでも食されるようになりました。ピザのトッピングやサラダによく使用されるほか、茹でたり、蒸したり、丸ごと焼いたりして楽しまれています。

ドイツのスーパーでは、5センチほどの長さのスイートコーンを、ベビーコーンとしてピクルスにしたものもよく見かけますね。

Salat  8月が旬のサラダ

©️pixabay_ChristineSponchia

ロケット(RucolaまたはRauke、ルコラまたはラウケ)

©️pixabay_HNBS

ロケットは主にサラダ植物として栽培されています。もともとドイツ語圏ではRauke(ラウケ)として知られていましたが、一時期忘れさられたのち、イタリア語の名前ルコラで再びカムバックし、若い世代に人気を博しました。

ロケットは、古くから有用な植物として知られていました。ローマ時代の地中海地域ですでに食べられており、媚薬として使われていたこともあったそうです。中世に入り、中央ヨーロッパにもやってきたロケットのうち、ドイツ語でゼンフラウケ(意訳: マスタード・ロケット)と呼ばれる品種は、中央ヨーロッパの気候条件によりよく適合し、野生でもよく見られるようになりました。

ドイツでロケットが20世紀の終わりまであまり人気がなかったのは、その辛味のせいでしが。現在の人気と、スーパーでも一般的に手に入るようになった理由は、ドイツ人のあいだでの料理の国際化、特に地中海料理への人気が高まったことによるそうです。野菜の流行にもダイバーシティーがあるのですね。

©️pixabay_HansBraxmeier

Küchenkräuter キッチンハーブ 8月が旬のハーブ

©️pixabay_SteveBuissinne

ピンピネル(PimpinelleまたはKleiner Wiesenknopf、ピンピネレまたはクライナー・ヴィ―ゼンクノプフ)

©️pixabay_IanLindsay

日本のワレモコウと同じ仲間のピンピネルの葉と花は、少しキュウリのような味がします。どちらも冷たい飲み物に浮かべたり、サラダの彩りとして使用できるほか、マリネ液や、ソース、鶏肉料理、魚料理の味付けにも使用できます。

ピンピネルはまた、「フランクフルト風グリーンソース」のレシピにも使われ、カッセルを中心とした中央ヘッセン地域のお料理レシピでよく利用されます。それは古典的なコテージガーデンで見つかったハーブの1つであり、現在でも観賞用植物として使用されています。

また、干し草用の牧草地にもよく見られるため、飼料としても使用されます。

 




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