季節のめぐみをいただこう!ドイツ3月の野菜と果物  

春分の日を過ぎると、日ごとに太陽の日差しが強まり、新しい季節の始まりを感じさせるドイツの3月。冬野菜の季節は終わり、そろそろフレッシュな春野菜が出回り始めます。その中からいくつかをご案内します。

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Gemüse : 3月が旬の野菜

リーキ(ドイツ語:Lauch, Poree ラオホ、ポレー)

©︎Pixabay-congerdesign

日本の下仁田ネギにもよく似た姿のリーキは、玉ねぎやニンニクと同じヒガンバナ科ネギ属に分類され、ほぼ一年中、畑から収穫することのできる便利な野菜です。

ネギのように円筒形の白い部分を食用として、グリーンの部分は捨てる人も多いようですが、白い部分から15センチ上ぐらいまでは、緑色の部分も十分に食材として使用できます。

リーキ(Leek)というのは英語ですが、ドイツではラオホ(Lauch)またはポレー(Porree)と呼ばれ、フランスではポワロ―(poireau)、イタリア語ではポッロ(porro)、と呼ばれることから、日本でもポロネギと呼ぶこともあります。

地中海沿岸原産と言われており、紀元前2100年にはすでに、古代エジプトのピラミッド労働者が食べていたといわれています。

その後ヨーロッパ全土に広まり、特にスコットランドでは、国民的スープとして知られている「Cock-a-leekie(コッカリーキー)」という料理の主成分ともなっています。

「Cock-a-leekie(コッカリーキー)」

 

リーキとペッパーチキンストックで構成されるスコットランドのスープ料理で、多くの場合、ご飯、または大麦でとろみをつけます。オリジナルのレシピは調理中にプルーンを追加し、出来上がりにもプルーンの細切りを飾ったりするそうです。

もともとはフランスの鶏肉と玉ねぎのスープが、16世紀の後半にスコットランドにわたり、玉ねぎの代わりにリーキが使われた、というのが定説のようです。

リーキは、生でも食べられないことはありませんが、ポタージュや蒸し煮、シチューなどにするほか、キッシュやキャセロールなど、オーブンを使った料理になどでじっくりと火を通すと、野菜が本来持つ甘味が引き出され、ねっとりとした食感とともに、至福の味わいです。

美味しいだけでなく、リーキには心血管疾患を予防し、解毒作用があります。以前は、腎機能を刺激し、腎結石を予防するために使用されていました。このネギ属の野菜はまた、気管支疾患の治療にもよく使用されていたそうです。

日本でも昔は風邪をひくと、のどにネギをまいたりしていたそうなので、気管支にはネギ属が効くということですね。

100グラム当たりのカロリーは24kcalと少ないので、ダイエットの強い味方になってくれるリーキ。 いろいろな料理に使って楽しんでくださいね。

リーキによく合うハーブ&スパイス

チャービル、キャラウェイ、タラゴン、ラベージ、パセリ、タイム、ナツメグ、チリ

3月が旬のハーブ

ラムソン(ドイツ語:Bärlauch ベアラオホ)

©︎pixabay-LoggaWiggler

リーキと同じくヒガンバナ科ネギ属のハーブであるラムソンは、ヨーロッパに広く分布しています。

日本ではクマニラ、クマニンニク、クマネギなどと呼ばれるようですが、英語ではラムソン(Ramson)のほか、ワイルド・ガーリック(野生ニンニク Wild Garlic)、ウッド・ガーリック(森ニンニク Wood Garlic)、ベア・リーキ(クマ・リー Bear Leek)などいろいろに呼ばれているようです。

ドイツでも、ベアラオホ(Bärlauch)の他、

  • クノーブラウフシュピナート(ニンニクほうれん草 Knoblauchspinat)
  • ヴィㇽダー・クノーブラウフ(野生ニンニク wilder Knoblauch)
  • ヴァルドクノーブラウフ(森ニンニク Waldknoblauch
  • ヘクセンツヴィーベル(魔女タマネギ   Hexenzwiebel)
  • ツィゴイナーラオホ(ジプシーリーキ Zigeunerlauch)

など、いろいろに呼ばれているようです。

©︎pixabay-RobertBalog

日本語、英語、ドイツ語ともに、「クマ」という語が頻出するのは、ラムソンの学術名「アリウム・ウルシヌム Allium ursinum」のウルシヌムは、ラテン語のウルサス、すなわちクマに由来します。

言い伝えによれば、春先に芽生えるラムソンは、長い冬眠の後の浄化とパワーを与える食材としてこの大型哺乳類の役に立ったこと、そして、クマ自体が冬眠のあと、新しい生命を伴って地上に出てくるので復活の兆候でもあったから、ということです。

春の季節、おいしく食べる方法いろいろ

©️pixabay-couleur

ラムソンは、主に中央ヨーロッパや東ヨーロッパのブナ林などの、湿気のある森林の木々の下で、直射日光が強く当たらないところに繁殖しているのを見ることができます。

成長すると、高さ20センチから25センチほどに育ち、ネギ坊主に似た花が咲きますが、ハーブとしての採集時期は花が咲く前が望ましいです。

ドイツでは柔らかい若葉を刻んでサラダに混ぜたり、スープの浮き身にしたり、ペストを作ったり、クリームチーズに刻み込んでスプレッドにしたり、と利用されています。

ニラの代用として、そのまま油炒めにして食べたり、餃子や卵とじにしてもおいしく、旬の季節にはたくさん食べたいハーブのひとつです。

商用利用にはご注意を!

山野を散策中に野生のものを見かけたり、または都市部の植物園の中でも自生しているものを見かけることがあります。 しかし、野生のラムソンは自然保護の理由から、「自然保護区の外で個人用に適切な量のみ」採集することが許されています。

商用利用には当局の承認が必要です。

ドイツ国内では、ブランデンブルク州とハンブルクで、ラムソンは「絶滅の危機に瀕している植物」として、カテゴリー1のレッドリストに載っているので、収穫してはいけない可能性があります。

また、ブレーメンでは、非常にまれな品種、またシュレスヴィヒ=ホルシュタイン州では、潜在的に絶滅の危機に瀕しているとして、カテゴリー4に分類されています。

そして野生のラムソンと間違えて、姿がよく似ているけれど、猛毒のあるスズラン(マイグレックヒェン Maiglöckchen)やイヌサフラン(ヘアブストツァイトローゼン Herbstzeitlosen)と間違えて採集して食し、中毒を起こすという事故も毎年起こっており、イヌサフランと間違えたケースだけでも毎年平均15件報告されています。

以上のような理由からも、ラムソンを楽しみたい場合は、商用販売されているものを購入したほうが安心ですね。




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