季節の恵みをいただこう! 5月の野菜と果物

日本では、若葉萌え、風薫る5月。ドイツでも「うるわしの5月」と呼ばれる心地よい季節・・・のはずが、2021年はなぜか冷夏で、下旬になっても気温は10度台。それでも花は咲き、野菜も育っています。5月が旬の野菜や果物をご紹介します。

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「うるわしの5月(Im wunderschönen Monat Mai)」という詩を書いたのは、ドイツの四神ハイリッヒ・ハイネ。 このハイネの詩にシューマンが作曲した歌曲も有名ですね。

5月はドイツ語で「マイ(Mai)」ですね。これは、ローマ神話の女神の一人マイア(Maia)にちなんで名づけられました。

Obst :5月が旬の果物

イチゴ(ドイツ語 Erdbeeren エアドベーレン)

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「土 (Erd エアド)」の「ベリー(Beeren ベーレン)」と呼ばれるように、地面近くになる果物ですが、実は植物学的にいうとベリー(漿果)ではなく、アクセサリー・フルーツ(偽果)で、熟した子房の組織に加え、肉厚の組織を多量に含む果物、というなんだか難しそうな分類になるようです。

なにはともあれ、イチゴがおいしいことに変わりはありません。

このおいしいイチゴは、少なくとも石器時代以来、人間の栄養摂取のひとつとして大事な役割を果たしてきました。

ヨーロッパのある北半球では、古くから各地で野生イチゴの採集と利用が行われていたようです。スイスのローザンヌの北東、電車で1時間と少しの距離にあるトゥワン遺跡で出土した紀元前3830年から3760年頃の穀物のスープから、イチゴの痩果が発見されているということです。

その後、イチゴの栽培は古代ローマでは既に行われており、14世紀から16世紀にはいくつかの品種が栽培されていました。

近代栽培イチゴであるオランダイチゴは、18世紀にオランダの農園で、北米産のバージニアイチゴ とチリ産のチリイチゴとの交雑によって作られました。

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現在ドイツでは、総面積1万ヘクタールにおよぶイチゴ畑で、年間数十万トンのイチゴが収穫されています。

イチゴ・トリビア

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その1: ドイツのイチゴの最高等級は?

ドイツの市場で流通するイチゴのグレード1のものは、完ぺきなすがたでなければならず、打撲や雨による損傷、その他の欠陥はありません。

その2: イチゴはどうやって保管したらいいの?

イチゴは収穫後、光と熱の影響でビタミンの含有量も、味も低下してしまいます。そのため、すぐに冷暗所に保管してください。

その3: イチゴには癌を予防する効果がある?

イチゴの85パーセントは水分です。それ以外には、ビタミンCや有機酸(主にクエン酸、リンゴ酸)のほか、鉄分も多く含まれています。ポリフェノール類も多く含まれ、抗酸化活性や生体利用性、循環器系疾患やがんなどの疾病に対するイチゴの予防効果も研究されています。

その4: 欧州では、イチゴは愛とエロティシズムの象徴?

おそらくイチゴの真っ赤な色が、官能的な愛を連想させるようです。さらに、熟した果実は、ふっくらと甘く、母性と結婚の準備ができている成熟した若い女性の象徴としても見られています。

15世紀の詩人、フランソワ・ヴィヨン(François Villon)の有名な詩の一説をご紹介しましょう。

“Ich bin so wild nach Deinem Erdbeermund
Ich schrie mir schon die Lunge wund
Nach Deinem weißen Leib, Du Weib.”

(拙訳)

私はあなたのイチゴのような口に夢中です
私は肺が傷つくほど叫ぶ
あなたの白い体を求めて、ああ、女よ

原文では、1行目の末尾の「エアドベアムント(Erdbeermund、イチゴのような口)」と2行目末尾の「ヴント(wund、傷つく)」が、そして、3行目の「ライプ(Leib、体)」と「ヴァイプ(Weib、女)」が韻を踏んでいます。

また、エロティックさには少々欠けますが、ドイツ国家の作詞も手掛けた19世紀ドイツの動揺作家アウグスト・ハインリッヒ・ホフマン・フォン・ファラースレーベン(August Heinrich Hoffmann von Fallersleben)による『ドイツの歌』では、

https://de.wikipedia.org/wiki/August_Heinrich_Hoffmann_von_Fallersleben#/media/Datei:Hoffmann_von_Fallersleben.jpg

“Welch Entzücken! Erdbeeren suchen
und im Schatten unter Buchen
auf den Matten Erdbeeren pflücken
Wollt’s uns glücken, welch Entzücken!

(拙訳)

なんて嬉しい!いちごを探して
ブナの木の陰で
マットの上でイチゴを摘む
私たちが幸せにと望むなら、なんて嬉しいことでしょう

と、イチゴに夢中な心情が唄われています。

1行目の末尾の「ズッヘン(suchen、探す)」と2行目末尾の「ブッヘン(Buchen、ブナの木)」、3行目末尾の「プリュッケン(pflücken、摘む)」と4行目末尾の「エントツッケン(Entzücken、喜び)」が、それぞれ韻を踏んでいます。

Gemüse : 5月が旬の野菜

キャベツ(ドイツ語:Weißkohl  ヴァイスコール)

©️pixabay-matthiasBoeckel

キャベツは、ドイツ語では『白(ヴァイス)キャベツ(コール)』と呼ばれ、紫キャベツと区別されています。

普通に売られている『白キャベツ』は、日本のキャベツに比べると葉を一枚一枚むくのも難しい(繊維が硬く、しならないので、途中で千切れてしまう)ほどゴワゴワしており、生食にはあまりむきません。炒め物ならいけるかと頑張って切り刻んでも、あまりおいしくありません。

シチューやポトフ、またはロールキャベツなどの煮込み系でしたら、なんとかいけます。

©️pixabay-dbaezol

このように繊維がしっかりした『白キャベツ』の、最も有名な用途はザワークラウトです。 ザワークラウトは、ドイツ人が「健康にいいのよ!」と自慢する発酵食品ですが、白キャベツを細かく切って塩を入れてプレスするだけで出来上がります。

ザワークラウトでは、キャベツを細く切断することで細胞壁を破壊し、塩が細胞から水分を取り除き、押すことによって空気が抜かれます。 発酵の原因となるバクテリアは酸素が苦手なので、容器内に空気が入っていると、ザワークラウトにならずに腐ってしまいますので、ご注意ください。

ザワークラウトができるまでをご紹介している動画(ドイツ語)をご覧ください。Nationalgericht Sauerkraut | Galileo Lunch Break (国民食ザワークラウト | ガリレオ・ランチ・ブレーク)

 

日本でとんかつ屋さんの付け合わせにでてくるようなキャベツの千切りが作りたい場合は、『シュピッツコール(Spitzkohl)』と呼ばれる、先のとがった品種をお勧めします。これは葉の巻きも、『白キャベツ』に比べて甘く、繊維も柔らかいので、生食でも十分いけます。

©️pixabay-sphaeroid

キャベツ・トリビア

キャベツのドイツ語はコール(Kohl)ですが、クラウト(Kraut)ということもあります。 ここから、世界大戦時にイギリスとアメリカで、ドイツ人を指す民族差別用語として「クラウツ」という用語が使われました。




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