季節のめぐみをいただこう! ドイツ10月の野菜と果物

10月は、9月に引き続き収穫の季節です。秋の深まりとともに、色合いを増した野菜や果物が店先を彩るのを見るのは楽しいものですね。10月にドイツおよびヨーロッパで収穫される果物、ナッツ類、野菜、の一部をご紹介します。

Advertisements

Obst & Nuss 10月が旬の果物&ナッツ

©️Pixabay_Congerdesign

リンゴ (Äpfel、エプフェル)

©️Pixabay_Pexels

果物といえば、まず真っ先に名前があがるのがリンゴ。 食べておいしいだけでなく、健康にもよい果物として、ドイツをはじめ欧州各国でも、老若男女に好まれています。

2018年には全世界で8千6百万トンのリンゴが生産されていますが、そのうち約4千万トンが中国、4百60万トンがアメリカ、3百90万トンがポーランドで生産されているということです。

世界には、このバラ科に属する果実が約2万種類あり、ヨーロッパでは推定1600種類が自家栽培されています。

現在ドイツには、約1500品種のリンゴがあるといわれますが、園芸店や直販店では30〜40種類程度しか販売されておらず、その傾向は下降傾向にあります。

スーパーマーケットの店頭では、5〜6種類の品種しか売っていないことも多く、種の多様性という観点から見ると残念な状況になっているようです。

特に筆者は、Cox Orange(コックス・オレンジ)という品種のリンゴが大好きだったのですが、ここ10年ほどは店頭で見ることもなくなり、悲しい気持ちです。

実際にドイツでは、コックス・オレンジの栽培は数十年にわたって継続的に減少しています。1972年には、ドイツのリンゴの生産量全体の20%を占めていた重要な品種でしたが、そのシェアは2002年には4.5%にまで低下しました。

さらに2011年、コックス・オレンジは302ヘクタールでしか栽培されていませんでした。これは、ドイツのリンゴ栽培全体の面積の1.1%に相当します。

一方、より気候に耐性のあるコックスの子孫である「ルビネット」は、作付面積を増やすことができたそうなので、今後はこちらをいただきたいものです。

ではここで、ドイツの市場でよく見かける一般的なリンゴの品種を見てみましょう。

ボスコープ (Der Schöne aus Boskoop (Boskop) ボスコープ)

©️Pixabay_Wolfgang Caussen

英語ではBelle de Boskoopと呼ばれ、ドイツ語では主に略してBoskop(ボスコープ)と呼ばれることが多く、秋の収穫後2か月以上(通常は10月または11月)保管する必要があり、通常は12月以降まで熟していない、いわゆる「冬リンゴ(Winteräpfeln)」に属する品種です。

その果皮が皮革のようなしなりがあることから、オーストリアとババリア地方では、「革のリンゴ(Lederäpfeln)」にも数えられています。

一個の重量が200gを超えることが多い大きなボスコープは、9月末から10月中旬に熟し、3月まで保管できます。酸味が強く、糖度も高い品種です。

さまざまな方法で活用できる品種で、その高い酸含有量を活かしてアップルソースやアップルパンケーキの材料として、また焼きリンゴに最適です。

酸味の強いリンゴの愛好家には、生食も魅力的で、デザートフルーツとしても最適です。 また、ジュース、サイダー、フルーツブランデーの製造にも使用されています。

ブレイバーン (Braeburn)

©️Pixabay_Andreas Goellner

ブレイバーンは、ニュージーランドのブレイバーン果樹園で生まれた品種です。

ツートンカラーの中型のリンゴは歯ごたえがよく、香りがよく、上品な甘さと酸味でヨーロッパの人々に特に人気があります。

ロイヤルガラとともに、ニュージーランドで最も重要な2つのリンゴ品種の1つであるブレイバーンはですが、近年、他の地域でも栽培が増えており、チリ、アメリカ、南欧でも盛んに栽培されています。

ブレイバーン種のリンゴのサイズは中型から大型、光沢のある果皮は細かい暗赤色の縞模様になっています。果肉は比較的硬いですが、非常に芳香があり、常温でも比較的長持ちします。

ブレイバーンはテーブルアップルとしてだけでなく、料理やベーキングにも適しています。また、コンポートを作ったり、ルーツサラダにしても、ジュースとしても最適です。

エルスター (Elstar)

©️Pixabay_Anne Ner

エルスターは、1955年にオランダのワーゲニンゲンにある園芸植物育種研究所で栽培され、1972年にスタッドブックに登録されました。

果肉は白っぽい黄色で、薫り高くジューシーな、少し酸味のある品種です。アップルパイやコンポートにするのに最適です。2012年にドイツで最も頻繁に栽培されました。

ドイツでは近年、エルスターがゴールデン・デリシャスに取って代わって最も人気のある品種になりました。

ガラ (Gala)

©️Pixabay_Brett Hondow

ガラ品種のリンゴは比較的小さく、デザートフルーツとして好まれています。つやつやと光沢のある果皮は真っ赤で、クリーム色がかった果肉は比較的固くて甘みが強いです。

ガラの品種は、2012年の収穫量の点でスイスで最も重要な品種とされており、ドイツのバーデン-ヴュルテンベルク州でも同じ年に収穫高2番目にランクされました。

ラインラント-プファルツ州でも、栽培面積の10.7%を占める4番目に多く収穫される品種です。

また、ガラ種は、ブラジル、アルゼンチン、オーストラリア、中国、アメリカ、フランス、イギリスでの栽培においても重要な位置を占めています。

ゴールデンデリシャス (Golden Delicious)

©️Pixabay_Marco Costanzi

ゴールデンデリシャスは、デザートフルーツの一品種です。この品種は、世界的にみて最も重要な黄緑色のリンゴの品種と見なされています。

ゴールデンデリシャスは、甘く芳香のある味わいのリンゴです。もともとは米国ウェストバージニア州生まれの品種で、20世紀半ばからは世界中で栽培されてきました。

ゴールデンデリシャスは、収量が均一して高く、リンゴ栽培農家のお気に入りの品種でもあり、その遺伝子構成は、その間、多くの市販の品種に組み込まれています。

このブログでも紹介しているElstar、Jonagold、Gala、Pinovaの他、Cripps PinkやRubinetteなど、Golden Deliciousの子孫である品種はたくさんあります。

アイダレッド (Idared)

https://de.wikipedia.org/wiki/Idared#/media/Datei:Malus-Idared.jpg

アイダレッドという品種は、1935年頃、米国アイダホ州モスコーにある、アイダホ大学キャンパスの一部であるIdaho Agricultural Experiment Station(IAES)で、栽培されました。

1942年以来、市場に出回るようになりました。この品種はジョナサン(和名:紅玉)とワーグナーの交配種です。

アイダレッドは固くて白い果肉を持ち、酸味があり果汁に富むため、アップルソース、アップルパイ、アップルケーキなどに向いています。

ジョナゴールド (Jonagold)

©️Pixabay_Marco Roosink

ジョナゴールドは、1943年に米国ニューヨーク州ジュネーブのコーネル大学研究所でゴールデンデリシャスとジョナサンから生まれた品種です。1968年以降、市場で販売されています。

果実はふんわりとサクサクした食感を持っていて、果汁が多く、薫り高く甘酸っぱい味わいのリンゴです。
ジョナゴールドは、主に北欧と東欧で栽培されており、現在世界で最も広く栽培されている6つのリンゴ品種の1つです。

ピノヴァ (Pinova)

https://de.wikipedia.org/wiki/Pinova#/media/Datei:Malus_Pinova_4229.jpg

ピノヴァはドイツ生まれのリンゴ栽培品種です。1965年に、当時はドイツ民主共和国だったザクセン州のドレスデン-ピルニッツにあるInstitutfürObstforschungで開発されました。

1990年にドイツが再統一された後、栽培品種の権利はザクセン州の自由州に譲渡されました。

ラインラント州では、1998年と2001年にアップルオブザイヤーを受賞したピノヴァは、果実としての大きさ的には小から中サイズです。

果肉は、基本色は黄色で、しっかりした歯ごたえがあり、ジューシーで甘酸っぱく、芳香があり、スパイシーです。この品種は、料理やベーキングにも適した非常に優れたテーブルアップルといえるでしょう。

薬用植物としてのリンゴ

古くは聖書にも「禁断の果実」として登場し、ヨーロッパでは、セクシュアリティ、豊饒と生活、知識と決断、そして富を象徴する果物としても知られています。

wikipedia: Jan Brueghel de Oude en Peter Paul Rubens – Het aards paradijs met de zondeval van Adam en Eva

リンゴはまた、紀元前8世紀の古いバビロニアの書物に薬用植物として登場します。

また、中世の医学では、あらゆる種類の薬効をリンゴに託しています。

当時のリンゴ品種の果物の大部分は、現在の甘く香り豊かなリンゴと比べると、かなり酸っぱく、タンニンも多く含み、果肉もぼそぼそしていたとされます。

また、古代のケルト人やゲルマン人もリンゴをピューレ上に調理しサイダーを作ったり、ジュースを蜂蜜と一緒に発行させてミード(Met メット )と呼ばれる蜂蜜ワインを作ったりしていたそうです。

日本でも、リンゴはカリウムを多く含み、高血圧などの原因となるナトリウム(塩分)を輩出する働きをするといわれていますね。

他にも、豊富な食物繊維が、町内の善玉菌を増やして、自然なお通じを促してくれるほか、リンゴ酸が疲労の原因である乳酸を減らし、身体の新陳代謝を活発にし、疲れを取り除くのに役立つということで、毎日でも食べたい果物です。

英語の熟語にも、

An Apple a Day Keeps the Doctor Away

「一日一個のリンゴで医者知らず」

というのがありますね。

ちなみに、これはドイツ語にすると、以下のようになります。

ein Apfel am Tag hält den Doktor fern

アイン・アプフェル・アム・ターク・ヘルト・デン・ドクター・フェルン

実際の学術的なリサーチでも、リンゴは非常に栄養価が高く、心臓の健康の改善や特定の種類の癌のリスクの低減など、いくつかの健康上の利点があることが認められています。

1月11日はドイツの『リンゴの日』

2010年以降、1月11日は『ドイツ リンゴの日(Tag des deutschen Apfels)』となっています。

これは、ドイツのすべての主要なリンゴ生産者組織によって開始されました。

また、お隣のオーストリアでは、毎年11月の第2金曜日に『リンゴの日』が祝われます。 これらはいずれも、ビタミンとミネラルを多く含み、おいしく、そして健康へのプラスの効果がある果物に対しての注目を高めるために設定されました。

ナッツ:クルミ (Walnüsse、ヴァルヌッセ)

©️Pixabay_congerdesign

生活習慣病を予防する働きがあるオメガ3脂肪酸を大量に含むクルミ。人類はおそらく9、000年前の新石器時代には早くもクルミを食べていたといわれています。

古代ローマでは、クルミの木は有用な植物として栽培されていました。

現在でもクルミは、クリスマスにはギフトプレートに盛られていたり、クリスマスツリーにぶら下がったりして、よく登場します。

ヨーロッパでは、このナッツにまつわるキリスト教的な表現がいくつかあります。それは、苦い緑色の外殻は、キリストの苦しみを象徴していると考えるものであり、固くしわの寄った殻は、イエスが死と永遠の命を見つけた十字架の木を表し、食用となる核の部分はキリストの肉というものです。

また、そして最後に、クルミは一般的に女性の豊饒と罪の象徴と見なされていました。

クルミの木はもともと地中海地域とアジアが原産ですが、ローマ時代から中央ヨーロッパでも発見されています。最も重要な分布地域は、広大なクルミの木の森がある中央アジアのキルギスタンです。ドイツでは100種類以上のクルミの品種が知られています。

2017年、食品農業組織FAOによると、世界中で約380万トンのクルミ(殻付き)が収穫されました。

レシピ: リンゴとクルミのサラダ(Apfel-Walnuss-Salat)

このブログで紹介したリンゴとクルミを使ったサラダをご紹介します。

<材料4人分>
レタス 1玉 短冊状にカットする
クレソン 2束
リンゴ 1個 短冊状にカットし、レモン汁をかけておく
クルミ 25g 包丁で細かく切っておく
クルミ油 大さじ1
ワインビネガー 大さじ2
塩コショウ 適量

<作り方>

  1. レタスとクレソンとリンゴを混ぜます。
  2. クルミを上に散らし、油と酢を振りかけ、塩コショウで味を調えてください。
  3. 取り分ける前にサラダをよく混ぜてください。

Gemüse:10月が旬の野菜

白菜(Chinakohl、キナコール、ヒナコール)

©️Pixabay_DEZALB

ドイツ語Chinakohlを直訳すると「中国のキャベツ」という意味になる白菜は、カブとマスタードキャベツの交配から生まれたと言われています。 ドイツでは、「日本キャベツJapankohl」または「北京キャベツ Pekinkohl」とも呼ばれることがあるようです。

白菜は、5世紀に中国で最初に栽培されたのが最初と言われています。同じアブラナ科の他の種類のキャベツとは対照的に、白菜は調理にかかる時間も最大10分ほどと短時間で、味はマイルドで消化しやすいのが特徴です。

重さが約1〜3 kgの、固い楕円形から細い円筒形の頭を形成し、その葉は主に黄緑色で、幅が広く、白く、わずかにカールした葉脈があります。一年中利用可能ですが、その主な収穫期は10月と11月です。

ドイツでもここ15年ほどで、一般のスーパーなどでも売られるようになり、ありがたいことです。日本ですと白菜漬けにしたり鍋物に使うのが一般的かと思いますが、ドイツでは生のままサラダにしたり、中華風の炒め物にしたりして利用しているようです。

他にもロールキャベツならぬロール白菜、お好み焼きのキャベツの代わりに白菜版お好み焼きもよさそうです。

食べる用途以外でも、白菜はその故郷の中国では芸術品としても登場します。 北京、天津、台北の宮殿博物館では、国宝として有名な翡翠でできた白菜のモチーフとして見ることができます。

https://de.wikipedia.org/wiki/Jadekohl#/media/Datei:Jade_cabbage_closeup.jpg

ビーツ、またはビートルート(Rote Bete, Rote Beete、ローテ・ベーテ)

©️Pixabay_Tracy Lundgren

ビーツまたはビートルートという野菜の名前を聞いても、ピンとこないひとも多いのではないでしょうか?

でも、ロシア料理のボルシチに入っている赤い野菜と聞けば、ああ! と膝を打つ人も多いはず。

もともと地中海地域が原産のビーツは、ローマ人によって中央ヨーロッパと西ヨーロッパに運ばれました。

ビーツのこの鮮やかな赤紫色は、天然色素ベタニンからくるもので、この色素は癌を予防し、血圧を調節するといわれています。ベタニンは水溶性の天然染料であり、ベタシアンの化学グループに属し、ベタレインに属します。ベタレインは抗酸化特性を持っているため、健康上の利点が実に多く、医学的に興味深いものです。

ほうれん草やフダンソウと同じヒユ科に属するこの根菜は、ほかにも高濃度の鉄とBビタミン、カリウム、鉄、葉酸(ビタミンB9)を豊富に含み、血液形成を促進するので、『奇跡の野菜』、『食べる輸血』という別名もあるスーパーフードとして注目を浴びています。

英国BBCの発行する月刊誌『Good Food』では、「多くの現代野菜と同様に、ビーツはローマ人によって最初に栽培されました。19世紀までに、ビーツが砂糖に変換できることが発見されたとき、それは大きな商業的価値を持ちました。

今日、主要な商業生産国として、米国、ロシア、フランス、ポーランド、ドイツが数えられます。ボルシチとして知られる有名なビーツのスープを含む古典的なレシピは、中央および東ヨーロッパに多く分布しています。」と紹介されています。

また、ドイツでも、ドイツ医師会の会員誌である『Ärzteblatt』は、ビートルートの血圧を下げる効果と、アスリートの耐久性能の向上について報告しています。

さらにNDR(北ドイツ放送)は、ビーツの脳への血流にプラスの効果を示す多くの研究について報告しています。その他のフィットネス雑誌でも同様の報告がありました。




こんな記事も読まれています

美容コスメ 関連記事

食・食材 関連記事

ドイツ生活 関連記事